宮崎大学教育学部附属小学校 Page 2/2
 
 画像データベースの運用
 
・データベースが参加者によって自律的に構築されつつある。大人や子ども問わず様々な画像の提供があり,画像数が約1000枚に増加した。メーリングリストの参加者の意見をもとにシステムを改定を行った。子どもたちが学習活動の中で撮った写真を入れている(宮大附属小,下神野小)。
・4〜1月で約4000のアクセスがあったが,教師が授業資料集として活用していことが中心で子どもたちが全国的に幅広く活用しているという状況ではない。
・相手のホームページやプロジェクトと関連し合って進展する傾向があった。

      
 学習における活用

・宮崎大学附属小学校の調査から
高学年にいくにしたがって目的をもって画像データベースを見る傾向がある。
子どもたちの撮影する写真の構図の撮り方やテーマなどに画像データベースの影響が見られた。
画像データベースを使って奥行きのある空間構成を行うなど学習に効果的な例もあった。
・和歌山県美里町立下神野小学校の実地調査から
理科の生き物学習の導入や展開に活用している。
画像データベースを自分たちのホームページの一部ととらえていた。
画像データベースが子どもたちの学習方法,引き出しの一つとして存在していた。
    

まとめ

◯子どもたちが画像データベースづくりに参加することで、画像データベースに子どもたちの思いや願い、作品などがデータベース化されていく。この点で、画像データベースは百科事典やCD-ROMなどと異なる性質と可能性を持つ。
◯子どもたちの学習活動が,画像データベースに参加している大人や子どもたちの見方や感じ方と関連し合っていた。子どもたちの学習は社会的、文化的に成立しており,この意味でコンピュータは造形活動の道具として成立するのではないか。
◯自律的に構築されるだけでなく,相手のホームページやプロジェクトと関連し合って進展する傾向があった。インターネットの教育実践における効果ではないか。
◯画像データベースを使う子どもたちの様子に、仮想空間に浸るような行為が伺えた。
◯具体的にどのように学習に使ったらよいか今後検討する必要がある。
◯活用が少なく,画像数やプログラムの問題など改善点を考えたい。

●その他の教科でも,学習に役立つ教科のページを作成し,授業に生かした。
学級のページが充実し,4月からの各学級の歩を発信することができた。また保護者からのアクセスも増えている。
「全国ライブカメラMAP」に参加し,リアルタイムに「とれたて宮崎の空」を発信し,理科の天気学習で活用した。
平成10年度の成果と課題

・交流学校との多様な共同学習から,共感共創活動が生まれ,子供たちの知と心の交流が図られた学習に発展した。
・外部とのコミュニケーションを楽しみにするなど視野の広がりが生まれた。
・実践を進めていく上で,コンピュータの年式が古くなり,修理費用が多額に上った。
・担当教官のネットワーク関連の管理等に要する時間や教師のリテラシーが不足しており,子供の願う学習を常時組織することができない。
・発信情報の信頼性とその活用方法は,各教科等学習で慎重に扱わなければならない。


○新100学校プロジェクトに参加して

  子供たちの様々な活動が,インターネットによって支えられた。さらにインターネットはこの4年間で子供たちにとって,身近に手軽にいつでも使える道具としての存在になっていた。また自ら様々な人たちとの出会いを求めていた子供たちが,ヒューマンコミュニケーションのこれからを私たちに教えてくれた貴重な4年間でもあった。


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