Page2/2

新100校プロジェクト 平成10年度実施報告   


長野市立篠ノ井西中学校


2.平成10年度の成果と課題


「国際交流」

 本校は数年来インターネットを利用した国際交流を行ってきた。交流の基本スタイルは双方の教師同士のメール交換で,生徒が書いたメッセージを教師がまとめて送信している。インターネット環境が急速に普及している学校現場だが,生徒が個々の端末から直接メール送信できる学校は多くないと思われる。長野市の各学校でも,学校によっては1台という少ない端末でどのように活用するかが問題になっているが,生徒が直接端末を操作しなくてもできる活用法の1つとして定着してきている。
 本年度は,新しい交流相手を見つけることができ,交流の幅を広げることができたことは大きな成果である。しかし全ての生徒が国際交流に関わることができたわけではない。本校では基本的に国際交流は,国際化教育係が中心となり,授業の中では英語科の授業の一環として行われるが,授業時数や教師側のリテラシの問題もあり,英語科の教師全員が国際交流に携わっているわけではない。 国際交流は,相手からの返信のペースが事前につかめないため,単元計画の中に明確に位置づけることは難しいが,英語科の運営計画の中には明確に位置づけることができるよう教科会にはたらきかけると共に,教師のリテラシの向上に努めていきたい。


「インターネット環境の整備」

 本年度は先に述べたインターネット接続先変更があり,インターネット活用実践よりもその環境作りが主な活動になった。 インターネットの活用を活性化するには2つの条件整備が必要である。1つ目は,いつでもどこでも使いたいときに使える環境作り,2つ目は教師のリテラシの向上である。この2つがそろって初めて,教育現場でインターネットが有効に活用されると考える。
 環境作りでは,校内LANが少しずつ整備できて,次第に使いやすくなっている。今後はまず「調べ学習のための情報センターとしての図書館」への延長を行いたいと考えている。
 教師のリテラシに関しては,時代の流れか,あるいは啓蒙活動が功を奏したか,本年度ワープロ専用機からの乗り換えによりコンピュータの所有率が急速に高まった。今後,ワープロ・表計算だけの利用からインターネットの利用へとさらに啓蒙活動に力を入れていきたい。


3.新100校プロジェクトに参加して


 インターネットが急速に普及し,本校でも,職員はもとより生徒たちも調査活動に当たり前のようにインターネットを利用している。一般の学校でも,間もなくそのような状況になろうとしている。
 長野市では,本年度全校にVOD(Video On Demand)を配置し,光ファイバー線で接続した。この端末はインターネットにも利用される。これに伴い本年度,教育委員会,各学校,企業,地元大学などが参加して,マルチメディア教育利用研究会が発足した。本校もインターネット部会に所属し,今後の活用法等を検討してきた。特に本年度は,今後問題となるだろうインターネット利用上のガイドラインについての研究と,市内イントラネットのコンテンツの制作に力を入れた。
 このような状況の中で,本校の今までの実践をできるだけ多くの場で紹介し,他の学校にできる範囲で助言しようと心がけてきた。まだまだ学校によっても教師の意識には大きな違いがあるようで,端末は配置されたものの,誰も触れようとしないといった状況の学校もあるからだ。
 今後も,インターネットの利用をより普及させるため,微力ではあるが市内各学校のお手伝いができればと考えている。
 最後に,新100校プロジェクトを終えるにあたり,CEC,IPAはじめ関係各機関および学校のみなさんに厚く御礼を申し上げる。


前ページへ // ホームページへ