岡山大学教育学部附属中学校 Page2/2

(3)美術科
3年選択美術の授業でバ−チャルデザイン事務所を設立させ,昨年の表紙のデザインを生
  かしながら美術科ホームページの更新を図っており3年目の取り組みになる。そのほかに,
  岡山県中学校芸術文化連盟の生徒作品や活動の紹介や岡山市中学生美術展の広報などを行
  った。また授業の内容をダイジェスト化して紹介しているが,現在では授業案を外部へ公
  開もさることながら,自分たちの取り組みや生徒作品の映像をHTMLで記録すること自体に
  も価値を感じている。
  電子メールについては,学園内での連絡や,外部の研究者との連絡に生きている。即時性
  と記録性を兼ね備えるメールはの有効性は,校外に開かれた教育活動を創造する上でも高
  いと考えている。

(4)数学科(マスカットスタジアム)
4年目に入り,数学教育におけるネットワークの構築をめざしている。次のようなねらい
を持ってインターネットを授業の中に取り込もうとしている。
・さまざまな人々と問題を出しあったり,協力して問題解決に当たることを通して数学へ
の興味,関心を高めたり多様な見方や考え方のよさを感じたりできるようにする。
・自分の考えを数学という表現手段を用いて他者に明確に論理的に伝えられるようにする。
第2学年「数の表し方」の単元において,二進法の授業の教材として点字を用いた実践例
を紹介する。視覚障害者のインターネット活用に先進的に取り組んでいる福島県の盲学校
の先生との出会いが,点字学習のきっかけとなった。生徒は,感動しながら点字の授業を
はじめた。数学の学習だけでなく,自分たちなりに考えて点字について考察したり,実際
の活動に取り組む生徒も出た。生徒の活動を紹介したところ,「点字を学ぶために必要な
こと,それは決して上手に点字を書くことではなく私たちが普段使っている,日本語やこ
とばを磨き上げること」というすばらしい言葉をいただいた。この実践は,数学教育のメ
ーリングリストを通して全国各地で取り組まれた。www上で点字を直接体験できるペー
ジや,プログラムのダウンロードができるページなども作成された。また,熊本県の小規
模校でも,同じワークシートを使った授業を行うなど,新たな展開を見せている。インタ
ーネットを活用することにより,授業が教室・学校・地域等の壁を越え,新たな広がりを
見せるようになってきた。
他にも選択教科を中心として,生徒を対象とした数学を題材とするメーリングリストを作
ろうと共同で取り組み始めているが,まだ実験段階であり活発な議論がなされるまでには
いたっていない。また,指導要領の改訂に伴い,数学学習の中に必要に応じ情報通信ネッ
トワークなどを活用することが求められている。これを実現するために,各学年の単元別
リンク集を作成している。

○新100校プロジェクトに参加して
  今年度は,年度途中に来年度からウインドウズ環境になることが決定し,そのシステムの
構築や運用の仕方の検討に大半を費やすこととなった。
パソコン教室の更新という捉え方でなく「教育コミュニケーション支援システム」という
名称で「教育情報処理発信部」(いわゆるパソコン教室),「教育情報開発部」(画像処
理を中心に編集する)「教育情報収集部」(図書室でデータの検索収集を中心とする)の
3つの部門から成り立つもので、コンピュータは限られた部屋でというのでなく,新教育
課程に向けて総合的な学習やその基本となる各教科のあり方を探る上でも,そのような環
境が必要と考えたからである。
平成11年11月19日(金)〜20日(土)第25回全日本教育工学研究協議会全国大会
が岡山であり,本校でも会場校の1つとして19日に公開授業があります。ご参加ください。
   


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