・実践項目8 「北上川リレー交流体験」 平成10年10月24・25日 岩手県水沢市から宮城県中田町までゴムボートで下りながら、インターネットデータ通 信を行う。流域市町村住民(身障者を含む)が大型のカナディアンカヌーを使ったリレー を行う。また北上川流域市町村長による船上サミットを開催。それをデジタル機器を使用 して取材したり水質・環境調査を行いリアルタイムにてホームページで報告。中田町では 省庁を越えた連携について話し合われる。建設省、文部省、厚生省、国土庁、環境庁の担 当官、流域市町村長、様々なNPOの団体が参加。今回、山間部は携帯電話の通話外エリア が大部分だったので、上空32,000キロにある人工衛星(NTTの通信衛星N-Star)を使用し てのデータ通信となった。川を下りながら人工衛星を使った通信は本件が世界最初の試み となる。 ・実践項目9 「収穫米を運ぶ舟運復活実験」 平成10年10月31日・11月1日 岩手県水沢市から河口の石巻市までおよそ130キロをゴムボートで下りながら環境・生 物生態・歴史・水質を調査。また岩手の収穫米を載せた舟3艘を取材しその様子をリアル タイムでデータ転送を行った。今回もポータブルサテライトホン(携帯衛星電話)を使用 してのインターネットデータ通信をリアルタイムで行った。今回は特に史的調査に重点を 於いて流域の歴史を事前に調査しホームページに掲載した。 ・実践項目10 「子供のためのインターネット教室」 平成10年1月23日 盛岡市内の小学生とその保護者(小学生15名、保護者7名参加)を対象としたインター ネット教室を開催。インターネットの使い方やインターネット上のきまりを講習し、さら に保護者へもネット犯罪の事例を交えながら、親として知ってもらいたい事柄を講習した。 ・実践項目11 「校内メーリングリストの拡充」 昨年開設した本校の教職員間のメーリングリストを拡充運用。非常勤講師を含め、教育 情報の交換に活用されている。現在本校教頭をはじめ、20名が登録している。 ・実践項目12. 「岩手県教員メーリングリスト(通称e-net)の拡充」 昨年開設した岩手県内の小学校・中学校・高校・特殊学校の教職員を対象としたメーリ ングリストの拡充運用。岩手県内の教育に関わる話題の情報交換を目的としており、参加 者は増加している。平成11年2月現在の登録数は31名である。 ○平成10年度の成果と課題 今年度は情報教育と環境教育についての研究を進めてきた。特にインターネットを利用 した環境教育の研究として、実際に北上川を下りながら様々な環境情報をリアルタイムに ホームページで発信させる試みを行った。今年度は教員が中心となり研究を行い、その可 能性や安全性、教育的効果について実証を行ってきたが、次年度以降はこれらの経験を生 かし、生徒の活動として実践したいと考えている。さらに、今年度の活動は、既存の教科 教育としての枠組みを越え、総合的な教育としての情報教育と環境教育を考える第一歩で あったと考えている。今後も研究を重ね、実践を行っていきたいと考えている。 ○新100校プロジェクトに参加して 第一に今年度はネットワークの移行を行ってきた。平成9年度まで100校プロジェクトよ り貸与して頂いてきたインターネットの機器および回線を今年度は自主財源で行うために NTTのOCNへ移行した。これまで、協力をいただいた関係各位に心から感謝する共に、今後 も各種企画の参加や情報の共有を続けていきたいと考えている。 第二に地域へ開かれた学校を目指し、各種講習会の実施、視察の受け入れを前年度まで と同様に積極的に行ってきた。特に今年度は小学生を対象としたインターネット公開講座 を実施し、インターネットの技術的な講習の他に社会問題となっているインターネットを 利用した犯罪について保護者・児童・学校の三者一体となって考え、ネットワーク社会に 生きる力を考える内容とした。新100校プロジェクトに参加することによって得た様々な 事例や情報を地域に還元できるよう、今後も継続していく予定である。