H10_Report(2)京都府立商業高等学校 Page2/2


100校プロジェクト 平成10年度実施状況


・課題
 本校では、現在264台のパソコンやワープロ等を設置しているが、その内194台が
校内LANに接続しており、ファイアウォールを構築してセキュリティ管理を施した上で
インターネットを利用できる環境にしている。かなりの台数をインターネットに接続し、
利用できるようにしているが、商業高校として本校は情報教育に力を入れており、インタ
ーネットを利用できる実習室は、商業科目の授業で大半が占められている状況である。
そのため、普通教科でのインターネットの利用が難しく、英語の授業で一部使っていると
いう状況である。今後、普通教科でもインターネットの利用ができるように、機械の設置
場所・台数も含めて検討する必要があると考えている。

○プロジェクトに参加して
・インターネットの普及
 当初、100校プロジェクトの対象校に選ばれて、インターネットの利用について会議
等で検討し、教育での利用を研究していたが、情報化の進展は著しく、最近は、社会でも
インターネットを利用するのが当り前のような状況になってきた。商業に関する専門高校
としては実社会の現状を教えるためにも、インターネットは必須のものになったと考える。
ただし、情報収集に関しては、図書館でも、資料館でも、テレビでもよく、インターネッ
トも情報収集の一つの方法であるという観点で本校は取り組んでいる。また、授業以外で
も、一般府民を対象としたパソコン講座を開催し、講座の中でインターネット体験も取り
入れた。受講者のインターネットに対する関心度は非常に高く、インターネットの普及を
強く感じた。
生徒の利用では、就職希望者が会社を選ぶのに、インターネットを利用して会社研究を
行い、実際受験する際には、その会社の地図を取り込み、受験に行く際に役立てるなどと
いった使い方をすることもある。進学の場合でも、大学等のホームページにアクセスして
参考にする生徒も多い。また、通産省の情報処理技術者試験の合否結果をインターネット
で確認するなど、教育としてのインターネット利用の上に、生徒の実務的にインターネッ
トを利用するケースも増えてきている。
教員の利用では、各種研究会等の案内も、あらかじめ電子メールを利用し、従来よりも
早く伝達できており、後程、公文書を送るということも多くなってきた。
また、平成9年10月から京都府教育情報ネットワークが始動し京都府総合教育センタ
ーを拠点とし、本校(京都市伏見区)と府立工業高校(福知山市)を南部と北部のサブ拠
点として、高校や養護学校など府立学校を高速専用回線で接続し、さらに、京都府下の小
・中学校も通信網に入れる計画を推進している。このことにより、本校でも1.5Mの高速
回線を利用することが可能となり、従来よりも、インターネット利用も楽になり、さらに
利用も増加していくものと考える。この恵まれた環境を生かし、教育におけるインターネ
ットの活用について、さらに研究をしなければならないと考えている。

・遠隔教育について
 この新100校プロジェクトに加えて、平成8年度から3年間、文部省のマルチメディ
ア活用方法研究開発事業(委嘱事業)の指定を受け、平成8年9月から京都府立久美浜高等
学校と遠隔教育に取り組んでいる。本校と久美浜高校との間は約100キロメートル離れ
ているが、その間を光通信で結び「テレビ会議システム」と、京都府独自の「パソコン実
習システム」を組み合わせて週3回「情報処理」という科目で遠隔教育を行っている。
 マルチメディア活用を考えたとき、インターネットは切り離せないものである。
授業の中では、本校教員と本校の生徒、久美浜の生徒と質問や回答を電子メールでやりと
りをしたり、生徒間同士の交流も電子メールを活用した。さらに、インターネットの利用
方法についても、この遠隔教育の授業の中に取り入れている。
 今後、遠隔教育の導入は進んでいくであろうと思われ、上記の遠隔教育システムに加え
て、インターネットをより活用した遠隔教育の研究に取り組み、マルチメディア時代に対
応できる教育方法の研究を進めていきたいと考えている。

 最後に100校、新100校プロジェクトを通じて4年間プロジェクトに参加させていただき
貴重な教育実践を蓄積することができました。今後も地道に研究を重ねてより良い教育活
動に結実させていきたいと願っております。ご協力いただきました全ての関係者の皆様に
対して心から感謝いたします。


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