大分県立津久見高等学校 Page2/2
○平成10年度の成果と課題 ・活用方法 インターネットの技術は、プロジェクトの当初と比べても格段の進歩をとげている。 ホームページも静的なものに限られていたが、JavaやDHTMLなどの技術がマルチメディア コンテンツを簡単に表示することを可能にした。そこで学校現場として活用できるもの をいくつか挙げてみた。 教材研究、交流の場、英語学習、娯楽、検索、リアルタイム性を生かした自己学習 ・教育効果 教育の現場へのインターネットの導入は、まさにこれからであり、試行錯誤が繰り返さ れるものと思われる。私たちは、100校、新100校を通じて黎明期にインターネット 環境を教育の場にとり込むことができた。生徒達はインターネットを、ホームページ作成、 学校間交流、課題研究など、次々に道具として使いこなしてきた。そこでは、自分達が気 がつかないうちに時間を超え、地域を超え活用できるインターネットの能力を最大限に引 き出してきた。 例えば共同学習の場で、自分の疑問点を仮想教室の仮想黒板に記入する ことでその答えを得ることができるなど、一昔前には想像もできなかったことが現実に起 こり得た。 ・技術的課題 時間的な制限の解除〜回線速度の向上 ネットワーク管理者としての負担軽減〜情報担当専任者の配置 ネットワーク使用上の問題〜使用上のモラルの啓蒙 ・リテラシー インターネットを使った課題研究で得たこと 情報収集能力、情報活用能力、コミュニケーション能力 プレゼンテーション能力、プログラミング言語作成能力 今後の取り組み 工業教育に役立つ教材などのデータベースの構築 課題研究に必要な情報(企業リンク集など)の構築 ロボット相撲や、ソーラーカーラリーなど各種大会に関する情報の構築 ○新100校プロジェクトに参加して このプロジェクトを始める時には、インターネットがここまで一般的になるということ は予想もしなかった。まだ、ホームページを作成するのに必要なソフトウェアでさえ十分 といえず、すべてが手作りの作業の日々であった。そのような環境の中での作業は今と違 って完成したときの喜びは大変大きいものがあった。 プロジェクトの初年度は、主にホームページの作成に力を置き、東京での成果発表会で も発表の機会を得ることができた。第2年度は生徒の自律的活動を通して、高校生自身で 共通なホームページを作成することができた。第3年度は課題研究に力を入れ「実践活用 事例集II」に掲載される機会を得た。第4年度は自主企画の協力校として学校間交流を中 心とした課題研究に力を入れ取りくんだ。 近年、学問を受ける期間での学習もさることながら、社会生活を送る上での生涯学習の 重要性が叫ばれている。高校時代から、インターネットを通してこのような能力を身につ けておくことは大変重要なことである。ネットサーフィンをすることだけがインターネッ トではないことを、課題研究を通じて自分のものにしてきた生徒達は心得ている。 本校、新100校プロジェクトの中心となって活躍してきた電子科は、残念ながら今年 度を持って廃科となる。電子科での最後の課題研究発表会は、先輩たちが築いてきたイン ターネットでの取り組みを総括するかのように見事に道具として使いこなした3年生たち を見て感慨深いものがあった。 最後に100校、新100校を通じて多くのご支援をいただいたIPA、CECの関係 者の方のご努力に心から感謝の意を表します。