福島県立盲学校 Page1/2


新100校プロジェクト 平成10年度実施状況   

○ネットワーク利用状況
 全盲生の利用環境が整いメールやWebをほぼ利用できるようになり実践を重ねていく段階になった。

 ・実践項目1 第2回オンラインディベートへの参加
  使用機器
  ・パソコン本体 NEC9800シリーズ
DOS/Vマシン(FJITSU FMV)
  ・OS MSーDOS/6.2
  ・メールソフト DーMail Ver2.2 (DOS汎用)
  ・補助危機 音声合成装置 FMVS101
音声ソフト  VDM
  ・LANボード TDK LAK−98025
  ・TCP/IPドライバ アライドテレシス TCP/IP Ver6

  概要
 オンラインディペートの目的アライドテレシス TCP/IP Ver6
 オンラインディベートをとおしコミュニケーション能力の向上と論理的思考の向上を図
った。

 オンラインディベートとは
 ディベートとは一般に肯定派、否定派のグループに分かれ直接対面しながら行うもので
あるが、これをメール等を用いネット上で行うものである。

 オンラインディベートの特徴
 ハンディーの克服になる。
 ネット上で行うため直接対面してはコミュニケーションが困難なケースでも意思の疎通
が図れる。お互いハンディーを意識することなくコミュニケーションがとれる。
 例えば、視覚障害者と聴覚障害者が直接対面したケースではそれぞれの言語が違うため
コミュニケーションは困難である。視覚障害者は音声言語であり聴覚障害者は視覚言語(
手話)である。お互い障害がある部分が使用言語であるため意思を伝えることは難しい。
しかし、ネット上では電子言語になるためそれぞれアクセスしやすい言語に変換できるた
めコミュニケーションが成立する。

 対象生徒
 ・本校生徒    高等部普通科2年生
 ・相手校生徒  岐阜県立海津北高校

 オンラインディベートの進め方
 立論:自分の立場を明確にし論題に対しての意見を明らかにする。
 尋問:立論に対して疑問と思う点を質問する。
 反駁:相手側の立論、尋問のやり取りをふまえ最終的な自分たちの意見を述べる

 オンラインディベートのテーマ
 会ったことのない人間同士であっても、 文字だけのコミュニケーションで理解し合うことが可能である。
肯定派  岐阜県立海津北高校
否定派  高等部普通科2年生
 ★★否定派の文章はすべて全盲生が音声合成装置を利用して入力したのものです。

★ 肯定側立論 ★

論題を肯定する理由は全部で7つです。

 文字は数え切れないほどたくさんあり、それを使えば伝達できないことはないと思います。文字をつなげることで更に理解できるのではないでしょうか。文字と文字をつなげるのも文字そものものの「力」だと思います。

インターネット上でも Eメールなど顔も知らない人との相談
   なども出来るようになっており、親や親友だけでなくとも手
   紙や文通なども必要なくなり、相談相手が増えていくことも
   可能だ。

2 人は口に出せないことがあっても書いてなら、少しは正直に伝えられることもある。
   これは、普段話したり一緒に過ごすことよりも深く自分の心
   の思いをさらけ出して、心と心で分かり合えるように思いま
   す。文字や言葉は心と心を結び付ける大切な事なのじゃない
   かと思う。

3 もし口の聞けない人がいて、文字によるコミュニケーションで理解し合うことが不可能としたらどうだろう。
   もうその人はコミュニケーションが取れないままだと思いま
   す。でも、人間はたった1人では生きていくことはできませ
   ん。文字で相手に今、自分が何をしたいのかを伝えれば自然
   とコミュニケーションは取られていくものだと思います。

4 身体障害者の人たちは、相手に伝えようと必死に努力しています。
   話すことができない人たちは、紙に文字を書いて伝えたり、
   パソコンやワープロに文字を入力して伝えたりと努力してい
   ます。
    耳が聞こえない人は、相手が話すことが聞こえないので、
   お互いに紙に文字を書いて、コミュニケーションをしていま
   す。身体障害者にとって、文字というものは、唯一の相手と
   理解できる方法なのです。

5 言葉にはいろいろな意味があり、様々な表現が可能である。
   例えば、ちょっとした一言が相手を喜ばせたり、悲しませた
   りする。よって、それらの捉え方は人それぞれである。だが
   共通の体験や精神を通して、理解できるものだと思う。

6 現に、ぺンフレンドやメールフレンド、 ベル友などでコミュ
   ニケーションをしている人もたくさんいる。

   別に会わなければいけないということはないし、相手が理解
   しにくそうならば補足をして説明すれば相手も理解してくれ
   ると思う。
    言葉の意味はだいたいの人が同じだと思うのでわかりにく
   い言葉はわかりやすい言葉に変えればコミュニケーションを
   とれると思う。

7 インターネットの魅力の一つに、電子メールがある。
   相手のメールアドレスさえ知っていれば、簡単に誰でもおく
   れてしまう。
    海津北高校では、国内外の高校生と、この電子メールを使
   ってメールの交換をしている。国内はもとより、国外となる
   と、顔を合わせたことのない相手とメール交換をすることに
   なる。はじめは、自己紹介からはじまり、相手に自分のこと
   を知ってもらう。当然のことながら、相手も自己紹介をして
   くるわけだから、相手の全てとはいかないが、知ることがで
   きる。お互いの趣味のことや身近に起こった出来事、ニュー
   ス、悩み事など、その他多数のメ(←ここまでで1200文字です)


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