地域展開企画は、これまでの100校プロジェクトを通じて対象校が培ってきたノウハウを基に、地域での教育ネットワーク運営形態をいくつかの類型に分類し、その類型毎に地域特性を加味して、ネットワークの教育利用実践事例や技術的な問題解決の助言を提供し、今後の地域での教育ネットワーク利用の普及を促進することを目的として実施した。
まず、教育ネットワークの地域における展開・普及を図るために重要な基盤には、次の2つがある。
(1)情報通信インフラの整備
(2)情報通信インフラの運用と利用を支援する組織
(1)の「情報通信インフラの整備」については文部省及び各地方自治体における種々の施策により、新しい教育カリキュラムに向けて、順次整備充実されはじめてきているため、本企画ではアンケート調査を行ってその整備状況を把握することとした。また、(2)の「運用と利用を支援する組織」に関する調査については、実在する形態が、教育センター等の専門担当を配備できる組織がある場合、学校独自で体制を整える場合、そして教育研究会やボランティア等の協力を得て運用支援が行われる場合の3つに分類できることから、それぞれを、教育センター型、学校交流型およびグループ交流型と呼び以下のように定義することとした。
・教育センター型:
教育センターが主体となり、教育ネットワークの運用管理を行う
・学校交流型:
学校(教職員)が主体となり、教育ネットワークの運用管理を行う
・グループ交流型:
教育研究グループ(ボランティアを含む)等が主体となり、教育ネットワークの運用管理を行う
平成9年度は教育センター型としてトップダウン型とボトムアップ型の2つの展開形態を報告した。さらに学校交流型およびグループ交流型をそれぞれ1形態ずつ報告した。平成9年度はネットワークを如何に地域に展開するかを中心に調査を行ったが、物理的な整備については文部省や郵政省等の教育の情報化関連事業にまかせることとし、本企画では教師が教育ネットワークを如何に運用管理し、利用するか、どこまでを担当し切れるのか。また、それを支援する組織としては教育センター以外のどのような組織で可能なのかについて調査し、それぞれの問題点、課題を報告する。