1.3.4  まとめ ―提言と将来展望―

 インターネット上の教育上見せたくない情報を排除するためのレイティングとフィルタリングの方式について実用性を確認することができた。1999年には、レイティング基準の国際標準化が進展する見通しである。国内の意見を集約して国際標準案に反映させることが緊急課題として重要である。
 これに関連して、インターネットの教育利用のモデルを設定し、そのモデルに対応して教育上見せたくない情報の種類と有害の度合いを調査し、教育用レイティング基準およびレベルの推奨案を定めることが必要と考える。推奨レベルは、フィルタリングソフトのデフォールト値等としてあらかじめ組み込んでおき、教師が必要に応じて書きかえることができるようにしておくことが望ましい。また、インターネットの家庭への導入も進むことが期待できるので、家庭における児童・生徒のインターネット利用のためのフィルタリング方式についても検討し、実用に供することが必要である。
 インターネットをすべての学校に導入しその教育利用を促進するために解決すべき課題は多い。その中でも、インターネットを利用した経験のない教師や両親から見れば教育上見せたくない情報の存在が最大の問題とされることが多い。この心配を解消することがインターネット導入の前提条件となることを考慮すれば、セルフレイティングの促進とサードパーティレイティングの推進は重複するものではなく、いずれも必須の施策であるというべきである。さらに、これと並行して、教育のために有益なコンテンツを積極的に格付けするためのポジティブ・レイティングについても研究し、できるだけ早い時期に実用化することが必要である。

 

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