単純なWebページの作成レベルは既にサポートは必要なくなりつつあるが、定点観測企画のような企画では、内容も高度化し、静的なHTMLページのみでは不充分な場合が多い。さらに踏み込んだページを作成しようとした場合には、どうしてもプログラミングを行う必要がでてくる。このようなページを教職業と並行して作成することは、インターネット関連技術の進歩・変化の早さを考えると、プログラミング言語習得の問題、時間的な制約の問題からも困難であるのが実状である。
そこで、Web上で行いたいことのイメージが実現にまでは至っていない企画に関して、Webページ/Web用アプリケーションの作成および改修などの支援を行った。本支援では企画毎にプロトタイプとしてサンプルのWebページを作成し、サンプルとイメージと方向性の異なる場合には軌道修正/教員の意見のフィードバックをかけ、作成を進めていくこととした。
支援の結果作成されたページのURL一覧を以下に示す。
・新酸性雨調査プロジェクト http://www.cec.or.jp/es/prjlist/joint/acid
・お天気共同観測プロジェクトhttp://www.cec.or.jp/es/prjlist/joint/weather/
以下に支援の概要、支援プログラムの機能/構成に関して、作成・改修を行った内容を記述する。作成までの過程で完成イメージの確認のために用いられた資料、作成されたWebページ(アプリケーション)また、それを設定/利用するためのドキュメントなどは、プログラムソースリストとともに付録として記載する。
(1)酸性雨調査プロジェクト用Webアプリケーションの作成支援
@ 概要
酸性雨調査プロジェクトでは、これまで全国の参加校の雨に関する測定データをWebページ上から入力してもらうことによりデータ収集し、そのデータを表示できるようになっている。新酸性雨調査プロジェクトでは、これまで簡易的な表としてのみ表示していたデータの活用度を上げるため、収集されたデータのWeb上でのグラフ化を目指して、当該プログラムの作成を行うこととした。また、既存のWebページの基本機能は継承しつつ、将来的にサーバおよびその運用が学校において行われることを考慮し、データや参加校の管理が容易に行えるよう既存のプログラムに対する機能追加を行った。
A
支援プログラムの機能
作成したプログラムは、CGIで作成した基本機能と、データのグラフ化を行うJava Appletの2つにわかれる。それぞれで実現した機能を表1、表2に示す。
表 1 酸性雨Webアプリケーション基本機能(CGI)
機能 |
内 容 |
データ閲覧 |
各学校が入力した観測データの閲覧のため、以下の各機能を提供する(新旧両プロジェクトとも)。 |
認証 |
データ登録/修正/削除、パスワード変更等、企画参加校、企画幹事校のみによる操作を可能とするための認証を行う。 |
観測データ登録/修正/削除(修正/削除は新規) |
プロジェクト参加校が自校の観測データのみを登録/修正/削除することを可能とする。 |
データ管理機能 |
管理者による、全参加校のデータを管理(登録/修正/削除)することを可能とする。 |
参加校登録/削除 |
管理者認証後、新規参加校の登録および脱退校の削除を可能とする。 |
表 2 酸性雨観測データのグラフ化(Java Applet)
機能名 |
内 容 |
学校別データ表示グラフ |
以下のグラフを選択可能とする。「平均pH – 観測日」グラフのみ選択された期間を表示対象とし、それ以外は全データを表示対象とする。平均pH – 観測日平均pH – 降雨量平均pH – 導電率 |
地域別集計データ表示グラフ |
横軸を各地域名、縦軸を以下の項目とし、地域間のデータ比較を可能とするグラフを表示する。pHの平均値ステップ1カップのpHの平均値導電率の平均値ステップ1カップの導電率の平均値 |
また、将来的に求められるグラフとして表3のものが挙げられ、画面構成などの検討を行った。
表 3 今後求められる酸性雨観測データのグラフ(Java Applet)
機能 |
内 容 |
頻度表示グラフ |
集計区分として地域あるいは学校を選択し、集計対象とする期間を指定することにより、以下のグラフを表示する。頻度
– pH頻度 – 導電率 |
学校別ステップデータ表示グラフ |
学校名および日付を選択し、以下のグラフを表示する。pH – ステップ(カップ番号)導電率 – ステップ(カップ番号) |
参加校間データ比較 |
比較対象の2校の学校名を選択し、対象期間を指定することにより、縦軸をpH、横軸を月とし、月ごとのpHの平均値のグラフ上での比較を可能とする。 |
(2)お天気共同観測用Webアプリケーションの作成
@ 概要
各地で測定された天候にかかわるデータをWebページからの入力により収集し、一覧表の形で見えるようにするためのWebアプリケーションを作成した。また、蓄積されたデータを月別に自動集計し、簡易的な統計データとして表示するためのインタフェースを作成した。
A
支援プログラムの機能
お天気共同観測で作成支援したプログラムの機能を表4に示す。本支援プログラムはすべてPerlによるCGIスクリプトである。
表 4 お天気共同観測Webアプリケーションの機能
機能名 |
内 容 |
データ閲覧 |
各学校が入力した観測データを、月ごとに一覧可能とする。天気情報は用意されたアイコンが表示されるようにし、すべての測定項目の表示、簡易表示の2パターンで表示可能とする。 |
認証 |
企画参加校のみがデータ登録を可能とするために認証を行う。 |
観測データ登録 |
プロジェクト参加校が自校の観測データのみを登録することを可能とする。 |
集計データ表示 |
月ごとの各天候の回数を登録されたデータから自動的に集計表示し、その月の最高気温、最低気温とあわせて表示する。 |
(3)全国発芽マップ企画に対する支援
@ 必要器材の貸与支援
定点観測情報を収集するため、以下の器材を貸与した。
・デジタルカメラ(CAMEDIA C-840L)1式
・ACアダプタ(C-6AC) 1式
・充電器(B-315) 1式
本企画では、4年間にわたる実践の集大成として、独自の報告書を企画幹事校を中心に作成したことにより、この報告書の普及を目的とした配付に伴う支援を行った。
(1)ビデオクリップを利用した教材の共同作成企画に対する支援
@必要器材の貸与支援
複数の参加校においてビデオクリップを利用した教材の共同作成するため、画像・映像機能を有する以下の器材を貸与した。
・デジタルカメラ(DSC-V100) |
5式 |
・フラッシュパス(FD-A1) |
5式 |
・スマートメディア16MB(M-16P) |
5式 |