我々が日常利用しているインターネット関連のコミュニケーションツールには、いわゆる「メーラ」をはじめ、いくつかのソフトウェアがある。こうしたツールを利用して重複障害児にコミュニケーション指導を行うにあたり、当面問題になりやすい機能的部分は以下のとおりである。
○操作や画面表示に関連して
.メーラは基本的に文字情報を送受信するためのものであるから、テキストを扱うこと
が困難な子供には利用しづらい
.メールを送ったという実感が持ちにくく、自分の行為の確認
(KR:Knowledge of Result)がしづらい
.相手のアドレスを入力することは困難
.発言の階層やコメントツリーが見えないと、話題の前後関係の理解が困難
.ブラウザでは、ページジャンプやリンクの概念がつかみにくい
○ポインティングデバイス等について
・マウス等のポインティングデバイスが使えない場合、操作できない
・キーボード操作ができない場合、文字入力が困難
くどいようだが、こうして書き並べてみると、コンピュータやメール操作に慣れていない一般の人が陥りそうな課題が多く見受けられ、こうした課題が解決されればより多くの人にとって扱いやすいコミュニケーションツールとなることが想像される。