6.国際化のまとめ
新100校プロジェクトの国際化重点企画を推進してきて、本研究で得られた成果と課題を、以下のようにまとめる。
4つの国際交流プロジェクトの実践した結果を、成果と課題に分けて以下述べる。 しかし、以下のようないくつかの課題が見受けられた。
@ 交流テーマの設定を工夫すること
国際交流活動においては,どのようなテーマで相手と情報交換をするかが、決定的な意味を持つ。テーマの選び方によって、交流の仕方や取り組みが異なるので、 テーマの選択は、重要な課題である。
A 支援体制を確立すること
小学生の交際交流では、言語の壁をどう乗り越えるかという問題が、重要である。
このサポートシステムをいかに確立するかは課題であるが、本国際化ワーキンググループの翻訳サポートを組織的に行ったことが有効であった。その他に、ALTの活用,
翻訳ソフトの活用,先輩の文書例をモデルとして提示するといった方法が見られた。
B 交流を継続させる方法のノウハウを蓄積すること
交流活動を継続するための方法が、重要である。国際交流では、カリキュラムが異なること、インターネット利用環境が異なること、言語が異なること、コミュニケーションの仕方が異なることなどのために、情報交換が滞ることが多い。
これに対して、「個人メッセージの他に、全員が共有できるひとつのトピックについて検討する場面を設ける」、「電子メール、CU-SeeMe,WWW検索,ビデオメールなどを組み合わせて活用する」などの方法が用いられた。
C 教員相互のコミュニケーションの場を保証すること
教員のコミュニケーションが重要であり、これが十分でないと交流が停滞する。
交流校の教師と定期的に、オフラインとオンラインの「職員会議」を開催するなどの方法が用いられ、これが有効であった。
D 相手校をいかに探すかを支援する方法を確立すること
一般には,国際交流を希望しても相手校を探すとは、簡単ではない。そこで国際交流の窓口を設置すること、交流のためのノウハウを提供することなどが重要になる。
本国際化ワーキンググループで行った、CECの国際交流のための諸外国のURL一覧や、国際交流の手引書などが有効になると思われる。
E カリキュラムとの連携を研究すること
国際交流ではカリキュラムが異なることが前提であるが、日本でもこの国際交流の目標から考えると、例えば、総合的な学習との連携等が考えられる。今後継続して実践するためには、カリキュラムとの連携が重要な課題となる。
F 交流の時期を適切に設定すること
成果が出しにくい理由の1つに、時期の問題がある。例えば、外国と日本との学年の始まりの時期が異なること、参加校の募集と決定が遅れると交流の期間が少ない等のために、成果を出すことが難しい場合もあった。
G 労力と処理時間が増大すること
交流が活発になると、通信量が増えすぎて仕事量が増殖し、処理できない場合があり、決められた時間の中で活動を継続する方法が、課題である。
翻訳支援のプロジェクトでは、小学生は手紙を英語に直す負担がなくなり、気軽にメールを送ることができるようになった。また、翻訳者も意欲的にこの活動に参加できた。課題としては、@翻訳者と担当教員とのコミュニケーション、A翻訳者と担当教員と事務局とのスムーズな連絡体制、などが挙げられる。
また、国際交流のための手順書を作成した。
上記の目的のために、@海外教育関連機関の窓口のホームページ上に設置し、A海外調査やシンポジューム等へ参加した。