2 インターネットをはじめてみよう

 

 (1)インターネットに接続するために必要なもの

インターネットを始めるにあたって用意しなければならないものは最低でも次のものです。

@ パソコン

 コンピュータとしては,ウィンドウズを搭載したIBM互換機(CPUは486/DX以上ペンティアムをお勧めします)またはマッキントッシュ(CPUは68040以上,パワーPCをお勧めします)。ハードディスクは4GMバイト以上に32MバイトのRAM(64M以上をお勧めします)そしてモニターは15インチ以上のものが使いやすいでしょう。

A 電話回線

 普通インターネットに接続するためには電話回線を使います。もっとも好ましいのは,インターネットに接続するためだけに使われる電話回線を確保することでしょう。しかし学校内の限られた電話回線においては,他の用途にも使われている回線を使用しなくてはならないかもしれません。一般のアナログ回線では,インターネットに接続している間は,その電話回線は他の用途には利用できません。ですからそのあたりをしっかり認識しておく必要があります。

 最近では,インターネットをより快適に利用するために,通常のアナログ回線をデジタル回線(NTTではISDN『総合デジタル通信網』回線と呼んでいます)にする学校も増えてきています。ISDNを使うメリットとして,通常のほぼ2倍にあたる通信速度と通信の安定があげられます。また,ISDNは,アナログ回線2本分として利用できるため,インターネットに接続しながらでも電話やFAXを使うことができます。このようなことから,インターネットを頻繁に利用したい場合には,NTTに連絡をして電話回線をISDNに切り替えることも考えに入れてよいと思われます。

 なおこれ以外にも専用線で自分と相手の電話を常につながった状態にする特別な電話回線もあります。

B モデムまたはTA&DSU

 パソコンを使ってインターネットに接続するためにはモデムやTAなどが必要です。どちらか一つあればインターネットに接続することができますので両方用意する必要はありません。

1)モデム
 自宅または学校からは電話回線を使って接続するのが普通です。現在,多くの一般家庭で利用されている電話回線はアナログ回線と呼ばれるものです。しかしアナログ回線から送られるアナログ信号ではコンピュータとの情報のやりとりができません。それはパソコンが扱うことのできるのはデジタル信号だけだからです。そのためアナログ信号をデジタル信号に変えてやる必要があります。その役割を果たすのがモデムというわけです。最近のパソコンなら大抵の機種にはモデムが内蔵されていますので新たに購入する必要はありませんが,内蔵されてない場合にはモデムを購入しなくてはなりません。
 新たにモデムを購入しなければならない場合は,以下の点に注意して購入します。モデムの性能はbpsという単位で決まります。bpsとは1秒間にどのくらいの情報を送受信することができるかという単位で,数字が大きいほどたくさんの情報を一度に送受信することができることになります。モデムを購入する際にはできるだけ速度の早いタイプのものを選ぶのがポイントです。最近では57600bps(57.6k)というものが登場してきていますが,最低でも28800bps以上のスピードのモデムを選択しないと,一つの画像を見るのに何分も待たなければならなくなり,インターネットを快適に利用することが難しくなってきます。
2)TA&DSU
 使用している電話回線がISDNの場合はモデムではなく,TAを利用します。TAはパソコンなどのデジタル信号や電話やFAXなどのアナログ信号をNTTのデジタル回線で利用できるように調整する役割を担っています。TAや従来の電話やFAXをISDNに接続するためにはDSUという機器も必要ですが,DSUを内蔵したTAも売られています。

C 各種ソフトウェア

 インターネットに接続し,ホームページを閲覧したり電子メールの送受信をおこなうためのソフトウェアを用意します。代表的なものとしてInternet Explorer(インターネット・エクスプローラ)やNetscape Communicator(ネットスケープ・コミュニケータ)などがあります。ウィンドウズでは,最初から入っている場合が多いので,その場合は改めて購入する必要はありません。もし無い場合にも,雑誌の付録から無料で手に入れることができます。

 

(2)インターネットに接続するために

 コンピュータやモデムなどインターネットに接続するするための機器を揃えたら,次はインターネットへのアクセス(接続)方法を決めることになります。普通,学校のコンピュータからインターネットに接続するには大きく分けて次の3つの方法が考えられます。

  1. 自治体のネットワークに参加する(嘉手納町などは可能)
  2. 地域の大学,企業のネットワークに参加する
  3. インターネット・サービス・プロバイダと契約する

ここでは一般的な3について説明します。

 インターネット・サービス・プロバイダ(一般にプロバイダ)とは,インターネットへの接続サービスをおこなう会社のことです。プロバイダには,インターネットと常時高速で接続されているのコンピュータがあります。学校や家庭では,電話回線などを使ってこのプロバイダのコンピュータに接続することで,インターネットを利用します。  プロバイダを通してインターネットへ接続するには料金を出して,そのプロバイダの会員にならなくてはいけません。会員になると接続するのに必要な「ログイン名」と「パスワード」を割り当ててくれます。  ところでプロバイダは現在,日本に約800社とも1000社ともあるといわれており,会社によって料金も接続のしやすさもサービスも異なります。ここではまず,たくさんあるプロバイダの中から優れたプロバイダを探す時のチェックポイントを簡単に説明します。

@ 料金

   プロバイダにはそれぞれ独自の料金制度があります。現在はおおよそ以下の4つの料金設定方法がありますので予想される接続時間や使い方に応じて検討して下さい。

  1. 従量制
    使った時間と料金が完全に比例するシステムです。使わなければ無料なのでたまにしかインターネットを使わない場合に向いています。1分あたり何円とプロバイダごとに決めています。
  2. 半従量制(基本料金+従量制)
    一定時間まではいくら利用しても固定料金,それ以上はその時間を超えた接続時間に対して従量課金されるシステムです。ただし使用しなくても基本料金がかかります。
  3. 固定制
    接続時間に関わらず,何時間利用しても一定の料金を支払えばよいというシステムです。もちろん使用しなくても料金は払います。
  4. キャップ制
    従量制または半従量制に料金の上限を設けるシステムです。月によって接続時間にばらつきがある人にお勧めです。対応しているプロバイダは少ないようです。

A アクセスポイント

   インターネットはプロバイダへの接続料金の他に,プロバイダが設置している「アクセスポイント」と学校のコンピュータを結ぶまでの電話料金が必要です。アクセスポイントとは,プロバイダが持っている接続のための電話番号のことで,利用者はその番号にモデムを通じて接続することでインターネットを利用します。電話料金を抑えるためにも通常は学校のある場所にもっとも近いアクセスポイントに接続しますので,同じ市町村または隣接区域にアクセスポイントが設置されているプロバイダを選んだ方がよいでしょう。

B つながりやすさ

 プロバイダによって用意している回線の数が違います。いくら安いからといっても,使いたいときにプロバイダ側の回線が込んでいれば接続できません。ですからただ安いからというだけでなく,インターネットへのつながりやすさも考慮にいれてプロバイダを選ぶべきでしょう。

C 接続スピード

 ISDN回線を利用したり57600bpsなどのモデムを利用する場合,いくら機器や回線を高速通信対応にしてもプロバイダの方がこのサービスに対応していなければ宝の持ち腐れとなってしまいます。学校の使っている機種で対応できるプロバイダを選びましょう。

D サポート体制

 分からないことがあった場合など電子メールなどを通して質問を受け付けてくれたり,補修のためのアクセスポイントの一時休止の連絡などをきちんとサポートしてくれるプロバイダは何かあった場合大変頼りになります。特に学校などでは児童・生徒が使うことが多いので故障なども多くなります。サポート体制のしっかりしたプロバイダの方が何かと助かると思います。

E ホームページ料金

 学校でホームページを作るつもりがあるならば,その料金を調べておきましょう。ある一定の情報量(容量)までは,基本料金に含んでいるプロバイダもあります。容量もプロバイダごとに違いますし,いくらか費用を出せば,容量を増やしてくれるプロバイダもあります。

 実際にプロバイダを探す場合は,個人でインターネットに接続している先生に相談してみたり,雑誌などを参考にしてみて下さい。

 プロバイダへの加入は直接会社に行って申し込みをする方法,申込書を送ってもらい,所定事項を記入した後送付する方法,またそれ以外にも「オンラインサインアップ」といって,すでに接続されているコンピュータからプロバイダの入会申し込み専用窓口に接続し,指示に従いながら手続きをする方法などがあります。

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