Vol. 19

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【めるまがM・A・P】 2010.11.29号 Vol.19
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こんにちは。マイタウンマップ・コンクール事務局です。

こちらのメルマガは、【めるまがM・A・P】と題しまして、
日頃お世話になっている皆さま・メルマガにご登録頂いた皆さまへ
お送りしている、マイタウンマップ・コンクールの情報メールです。


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  ▼ も く じ ▼
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【1】 事務局からのお知らせ
【2】 実行委員からのメッセージ
    五十嵐委員
    玉 置委員
【3】 ちょっと長い編集後記
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【1】 事務局からのお知らせ
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いよいよ、応募開始の時期になりました。
また今度にと思わず、先ずは参加(表現)してみましょう。様々な
評価があります。宝くじじゃありませんが、作品を応募しないと
入賞することはありませんから。。。

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【2】 実行委員からのメッセージ 
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※配信後は、公式サイトにて随時掲載しております。

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まず自分たちの足元である地域をよく見つめてほしい。
五十嵐 徹
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 ICTと聞くだけで拒絶反応を示してきた世代の一人だが、いまではケータイ
もEメールも手放せなくなっている。
 それでも、今の若い人たちが苦もなくパソコンを操り、ブログだ、ツイッタ
ーだ、と器用にICTと付き合っている姿は、やはり驚きとしかいいようがない。
ただ一つ、オジサン世代のやっかみととられてもいいが、心に留めてほしいの
は、ICTはあくまでツール(道具)にすぎないということだ。
 肝心なのは、ICTでいったい何を表現するのかであり、いくらICTの使い方が
達者でも、それで何を伝えたいたいのかがはっきりしなければ、意味がない。
いかに立派な絵の具と画用紙をそろえたところで、作品に訴えかける力がなけ
れば、相手に感動は伝わらないように、である。
 私たち実行委員が、応募作品に期待するのもその点だ。専門家顔負けの立派
なwebサイトも結構だが、デジカメとワープロソフトによる素朴な作りで構
わない。キラリと光る独創性、作者の心の豊かさが反映された作品を見てみた
い。
 そのためには、まず自分たちの足元である地域をよく見つめてほしい。作品
作りもそこから始めたらどうだろうか。このコンクールが、皆さんにとって、
そうした「自分探し」の第一歩になることを切に願っている。

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五十嵐徹 氏 プロフィール
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産経新聞社 副論説委員長
昭和25年生まれ。早稲田大学フランス文学科卒後、産経新聞東京本社入社。横
浜総局を振り出しに本社経済部で金融、国際経済分野などを担当。平成2年か
ら1年半のパリ留学を経て、同8年までブリュッセルで特派員として欧州で勤務。
帰国後、政治部、外信部でデスク。その後、ニュースサイトの編集・運営に関
わり、電子メディア部長、デジタルメディア局次長を歴任。平成14年、論説委
員に転じ、平成19年4月より論説副委員長。

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動き始めるとコンクールの魅力が分かる。
玉置 崇
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 とりわけ「マイタウンマップコンクール」には思い入れがある。かつて3年
間中学校長を務めていたが、その学校ではいずれの年もマイタウンマップコン
クールへ応募し、入賞することができたからだ。
 務めていたのは新興住宅地にある学校で、学区のごく一部に昔の集落が残っ
ているという地だ。全国各地から集まってきた人たちによって構成された街だ。
失礼だが、子どもも大人も、この街には「マイタウン」と称するほどの愛着を
持っていないのではないか、そんな感じを持っていた。
 だからこそ校長として、この地を「マイタウン」という呼びたくなるような
子どもを育てたいと思った。「総合的な学習の時間の成果をマイタウンマップ
コンクールへ応募する」というゴールを設定した。正直なところ、子どもたち
の地域研究に対する意欲付け・目標づくりとして、コンクールを使わせていた
だいたというわけだ。
 さて、ゴールを設定したものの、初めはどうなるか、まったく予測がつかな
い状態だった。ところが課題を「桃花台百話づくり」と決めて、この土地が住
宅地に変容する前の様子を地域のお年寄りに聞き始めてから、子どもたちの様
子は俄然変わってきた。お年寄りのこの地への思いを直接聞き、子どもの心が
動き出したのだ。勢いが出た子どもたちは凄い。優れた教師の指導もあって、
子どもたちは一気にゴールまで突っ切った。初年度は、見事、時事通信社賞を
獲得した。
 次年度も次次年度も、子どもたちの勢いは止まらなかった。3年目は、県と
市が出資して出来た新交通システムが15年目に廃止になった年だ。幼い頃から
身近にあった鉄道がなくなるという事実は子どもたちにとって衝撃的な事実で
ある。子どもたちの思い入れは強い。私たちの手でこの地にこのようなシステ
ムがあったことを残しておかなければいけないという強い責任を感じていた子
どもたちが多くいた。
 3年間の取組を通して、いつしか「マイタウン」という言葉がしっくりいく
ようになった。コンクール3年連続入賞、続いて、おやじの会も入賞と続き、
「マイタウン」と言えば「マイタウンマップコンクール」の省略と捉えられる
ほどになった。とりあえず動いてみて本当に良かった。 皆さんに伝えたい。
とにかく動き始めればよい。動き始めると、このマイタウンマップコンクール
はなんとも魅力的なものであるということに気づくはずだ。

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玉置崇 氏 プロフィール
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愛知県教育委員会 海部教育事務所 所長
昭和54年、教員生活スタート。小学校教諭3年、中学校教諭16年、教頭6年、校
長3年、平成19年度より愛知県教育委員会義務教育課指導主事。現在は海部教
育事務所長。専門は数学。
大学時代には落語研究会に所属。今でも高座に上がりご機嫌をうかがっている。
小牧市立光ケ丘中学校校長時代に共同通信社賞、文部科学大臣奨励賞の(中学
校の部)など多くの入賞をバックアップ。生徒だけでなく、地域と一緒に街が
ひとつになる様を作品で紹介された。また、マイタウンマップ・マイスターと
して関係する学校以外の作品にも協力されている。

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【3】 編集後記にかえて
   −「伝えていくこと。」−現代の語り部に−
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 私が小学生だった頃、「赤い鳥」という音楽グループに魅了された時期があ
りました。やがてグループは解散し、リーダーの後藤悦治郎・平山泰代夫婦で
活動する「紙ふうせん」か地元の関西に戻ってきた。ご本人達だけでなくスタ
ッフの方と親交が深くなり、関西で行われるコンサートでは機材やスタッフと
同じ時間に会場入りして、音響ミキサー卓の横で聴いていました。私は後藤さ
んの音楽や地域に対する考え方がとても好きでしたし、このコンクールにもそ
の考え方は生きています。
 一般的に赤い鳥の代表曲といえば「翼を下さい」になるのでしょう。しかし
この曲はB面で、A面は「竹田の子守唄」という京都市南部の伏見に伝わる伝承
歌です。ただ、この唄の背景には触れにくい歴史がありました。コンテストで
一世を風靡し、全国に知られることになりながらもこの名曲は放送界から封印
されることになっていったのです。「竹田」は私が住んでいたところに近かっ
たので、その背景や事情は理解できたのですが、地元のことなのに周囲とも突
っ込んだ話をすることができない歯がゆさがありました。

 紆余曲折。小学生だった私も社会人となり、"internet"の存在をいち早く知
る立場になった時、その仕組みや画面を見て、このメディアが世の中に埋もれ
ていた話や物事を多くの人たちに知らしめるツールになることを直感的に感じ
ました。まさかその埋もれそうな話が「竹田の子守唄」とは思ってもいなかっ
たのですが。私はこの唄のなりたちについて"internet"の中で再会しました。
放送されなくなった本当の事情。唄い伝えた「おふく(お婆さん)」さんの複
雑な思い。ひとつの唄のまわりにこれほどの思いが存在していたことまでは知
りませんでした。それらを知ってこの伝承歌を聴くと、そこに刻まれた思いは、
単に名曲ではすまされない重みや凄みを感じるのです。

 さてやっと本題。このコンクールに寄せられる作品には、地元で伝承された
民話やお年寄りの言葉を伝えようとする実践や活動が初回の頃から多く寄せら
れてきました。それらはまさに各地域において「語り部」になることではない
でしょうか。まだまだみなさんの地域にはまだ伝えるべき素材がたくさんある
のではないでしょうか。例えば、昨年の飽田東小学校の作品のように、紙芝居
づくりもデジタル紙芝居にすると、表現力も格段にあがります。創る方も見聞
きする方も自然と民話に引き込まれます。昨年、熊本市の飽田地域に確実に地
元で歴史のバトンが渡された気がしました。
オリジナル(原曲や原作)を忠実に伝えるとは、その内容を正確に理解する土
台がなければいけません。そして同時に、今を生きる人に訴えるための表現力
はとても重要です。結果として、それが歴史の中に積み重なっていくのです。
私たちは歴史のバトンを受け、そのバトンを渡す役割を持っています。
伝えること。それは理解することであり、追求・訴求すること。
そして新しい歴史は、誰かが伝えてくれるはずです。(kun.)

【参考】
講演「竹田の子守唄 名曲に隠された真実」
http://www.beats21.com/ar/A04021902.html
※他にもいろんな方が「竹田の子守唄」に関して記述されています。


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