タイトル:ソフトウェアの概要

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 発明と特許教育用ソフトウェアは、児童生徒の想像性や独創性を育むことをねらい、全国の小学校・中学校に無償で配布し、学習の中で活用されることを希望して検討しました。

1.基本的な考え方

 発明と特許教育用ソフトウェアは、小学校高学年、中学校の児童・生徒を対象に学校の学習の中で利用されます。
 学習を通じて児童・生徒の発明や工夫する心や従来から飛躍する発想をする心を育み、また知的財産の大切さを深く理解することを目的とします。
(1) 考え方の基本
 ソフトウェアを開発するに当たり、次の点を基本として考えました。
・児童・生徒に教えるのではなく、児童・生徒の感性を育て、伸ばす学習を助けるソフトウェア。
・児童・生徒のひらめきを育て、伸ばすソフトウェア。
・学習の中で、発明や工夫が楽しく、自ら体験したいと言う気持ちを育て、伸ばすソフトウェア。
・児童・生徒の工作や工夫の体験を補佐するソフトウェア。
・先人の発明や工夫が、世の中に役に立ち、自ら発明・工夫を行って行きたいと思う気持ちを育て、伸ばすソフトウェア。
・先人の知的財産(発明や工夫)の大切や、その権利や義務が深く理解されるソフトウェア。
(2) ソフトウェアのコンセプト

コンセプトの図

2.ソフトウェアの機能

 ソフトウェアは大きく分けて4つの機能で構成されます。
 ソフトウェアの起動やメニューに当たる導入編、多数のコンテンツを格納するデータベース編、コンテンツの中で擬似体験を中心とする体験編、物作りをガイドする工作編で構成されます。

ソフトウェア構成図

(1) 導入編

 ソフトウェアは、起動と学習へ進むための2つのメニューを用意します。また、ソフトウェアのコンテンツ内では、コンテンツとコンテンツの関係を示唆するナビゲーションを用意します。
・ソフトウェアの起動
 ソフトウェアを起動し、児童・生徒が目的の学習に進むことができますようにガイドします。
 ソフトウェアの1番最初の利用場面であるため、動画等でソフトウェアの内容を示唆します。2度目からより迅速に利用できますようにするため、何らかのキーボード・マウス操作により中断可能とします。
・探検メニュー
 児童・生徒が自らの操作選択で目的の学習コンテンツを探す探検メニューを用意します。探検メニューは、ソフトウェア内のコンテンツをいくつかに分類し、その分類項目を建物に例示した形で町を構成し、その町を児童・生徒が移動して、自分が学習したいコンテンツを探し出すようにします。

探検メニューイメージ

・直行メニュー
 先に学習の目的が決まっているような場合、特定のキーワードでコンテンツを検索表示し、その中から目的のコンテンツにダイレクトに進むことのできますようなメニューを用意します。
 検索キーとして、人名、製品名、コンテンツ名、用語などを用意します。また、用語については、科学用語等の一般的な用語に加え、教科書等との対応や授業の準備等で必要となる用語などの検索も用意します。
・ナビゲーション
 一つのコンテンツに関係する他のコンテンツを選択したい場合、そのコンテンツに関係するコンテンツを時間列、製品列、環境列等の関係しでマッピングしたナビゲーション画面をそれぞれのコンテンツに用意します。
 このことにより、一つのコンテンツの学習だけでなくそれぞれの情報の関連性がわかり、児童・生徒の新たな情報発見、ひらめきに通ずると考えます。

ナビゲーション・イメージ

(2) データベース編
 それぞれのコンテンツを管理統合したコンテンツデータベースを用意します。コンテンツは1枚の画面で構成されるものもあれば、複数の画面が紙芝居的に構成されるものもあります。また、コンテンツ同士がリンクされ大きなコンテンツが構成されることもあります。
 データベース編には、それらのコンテンツをいくつかに分類し、導入編のメニューから見ることができます。
 データベース編には知的財産や知的所有権を学習するデータや、特許行政、発明の歴史、発明家、発明品、発明のきっかけや工夫、ものの動作の原理等各種のデータを用意します。
(3) 体験編
 児童・生徒があたかも発明を体験する様に、擬似体験の中で発明の工夫、きっかけ,ひらめきを学習します。この学習をきっかけとして新たな発想を発見することを期待しています。
 体験編にはロールプレーイング・ゲーム的な構成のものと、3Dマニュファクチャ・ゲーム的な構成の2種類を用意します。
・ロールプレーイング・ゲーム
 発明家の足跡をたどり、その中でどのような環境で発明がされていったのか擬似体験します。児童・生徒は物語の中でされる選択肢を選ぶことにより特定の発明に時間がかかったり、思わぬ邪魔がはいったりすることで、発明の苦労を感じることができます。また、この物語の中で、どのようなきっかけで発明がされていったのか、どのようなひらめきがあったのか感じることができます。
・3Dマニュファクチャ・ゲーム
 一つの製品や建造物をあたかも自分で組み立て、解体するようにパソコン内で行うことができます。その組み立て・解体の中で使われる部品の仕組みや組み立ての高低、組み立ての工具などの説明や工夫などを説明して行きます。
 児童・生徒が実際に組み立て・解体できない大きなものや危険なもの、コストのかかるものもパソコンの中でシミュレートすることで擬似体験することができます。

分解のイメージ

(4) 工作編
 児童・生徒が自ら工作を行うことの手助けを行い、工作することの楽しみを喚起します。
 発明・工夫において机上で考えることの基本は、実際に作成する実体験であると考えます。この工作編は、実際に体験するときに必要となるテーマ、工作の材料、仕組み(図面)、工夫のアドバイス、発展させるための提案などを提供し、実体験としての工作へいざなう役目を行います。また、この工作に関する基礎的な知識を提供し今後の応用やひらめきのきっかけを与えます。

3.コンテンツの基本的な内容

 ソフトウェアの基本となるデータベースに含まれるコンテンツは、以下の内容を基本として構成します。
(1) 発明したい気持ちを育てる
・発明や工夫の楽しさを伝える
先人の発明や身の回りの発明、同世代の発明の動機や工夫の仕方を通じて発明や工夫の楽しさを伝え、育てます。
・身の回りにおいて発明の効果や効用を伝える
身の回りや社会において活用されている品物が先人の発明や工夫により作られ、人々の役に立つことを伝えます。
(2) ひらめきや工夫する気持ちを育てる
・児童・生徒の創造性を助長する
 自らの手で作り、加工する教材やシミュレート機能を提供し、自ら課題を発見したり、発明や工夫するきっかけを創ります。
・ものの原理や仕組みを知り工夫する気持ちを育てる
 発明や工夫の知識の源泉として基礎的なものの原理や仕組みを提供し、発明や工夫するきっかけを創ります。
・ひらめきの素養を育成する
 ひらめきを生み出す環境やトレーニング方法を提供し、ひらめきの素養を高め、育成します。
(3) 知的財産の大切さについての理解を深める
・特許制度や特許庁の仕組み及び知的財産等の知識を理解する
 特許制度と言う発明を保護する制度、知的財産の権利尊重、そのための制度や行政の役割が知的創造のために必要であり、国際的な理解に関わりがあることを理解します。
・歴代の発明家の発明の動機、努力やひらめき等を理解し、今後の発展や積み重ねに結びつける
 歴代の発明家の偉業、現代の基礎を作った発明、身近な発明(発明工夫展や発明体験教室)などの紹介から発明の役割や、発明のきっかけ、知的創造の楽しさなどを理解します。また、児童・生徒が今までの発明や工夫にさらに積み重ねて行くことを期待します。

4.他情報とのリンク

 学習の中でソフトウェアを活用する時、ソフトウェアに含まれる情報量的に限りがあり、ソフトウェア教材だけで報で全てをまかなうことは難しい。
 本ソフトウェアの活用では、発明と特許に関して学習の導入に用いられるデータを用意し、その上で児童・生徒が興味・関心を持ち、発展的に広い範囲の情報や、更に深く掘り下げた情報を引き出すように積極的に他の情報との融合を進めたい。

他情報との関連図

・インターネットとの融合
 個々のコンテンツに関連する情報や発明と特許に関る情報(発明品、博物館、技術ほか)についてソフトウェアの中にリンク先を用意する。リンク先は中継点的な専用のホームページを開設し、変動に対応する。
・新聞や書籍、TV、見学等とのリンク
新聞や書籍、TVなど他のメディアの活用をソフトウェアの活用例等で紹介することや、ソフトウェアの中で参考図書等を紹介する。

5.動作環境

 次のソフトウェア利用環境を考慮してソフトウェアの作成を行う。
(1) 利用対象
・小学校高学年(小学校5・6年)から中学生を利用対象とします。
対象学年が興味関心を引く事項(科学的な対象、事物の仕組み、人物)を中心に取り扱います。
対象学年が学校で学習する事項を考慮します。
対象学年が理解しやすい説明、解説にします。
対象学年が読める用語や漢字を利用する(小学生5学年以上の児童生徒が理解し、読める様にやさしい用語やルビをつかう)。
・教師の利用
教師が授業において活用するために必要となる準備資料(授業利用案、生徒への説明方法案、ソフトウェア画面集等)をソフトウェアに添付します。
(2) パソコンの環境
・Windows95、98のオペレーティングシステム上で動作します。
・CD−ROMの媒体で提供し、最小のインストールで動作します。
 (データ等のほとんどをCD−ROM上で利用する)
・LANサーバの利用などにより複数のパソコンで利用することも可能とします。
・インターネット利用環境を持つパソコン上で動作する場合、関係するホームページにリンクできますようにします。

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