(1)
百科事典データの作成
本校は今年度研究テーマを「ふるさと」と設定しているため,百科事典として調べる内容も,「ふるさと」をテーマとして,主に「稲作」「地域の歴史」について行った。
学習は,地域の史跡や水田を観察し発見したものについて調べていくという流れで進んだ。子どもたちは,発見したものをデジタルカメラで撮影し,それについて分からないことを,図鑑やインターネットで調べたり,地域のお年寄りに直接聞いたりして調べた。
調べたことは学習段階でメモしておき,それをまとめて百科事典の形式のワークシートに鉛筆で記入した。そして,その記入したワークシートをワードのテンプレートに子どもたちが打ち直し,画像を貼り付けて,HTML化した。これは,児童が考えながらローマ字をキーボードに打ち込むことが難しかったからである。
子どもたちが,まとめ,HTML化した百科事典のページは,担任がまとめ,学校のホームページにアップした。その際,検索しやすいように事典検索のページを作成した。
(2) ホームページを活用した発表
作成したホームページは,参観日などで学習の様子をプレゼンテーションする場で活用した。特に学芸会では支援してくださった地域の方や保護者が大勢参観している中で,完成した百科事典をスクリーンに投影したり,学習の様子を劇にして発表すたりした。
(3)
100ka-netを利用した他学校との交流
本単元のねらいの一つに,百科事典作りを他校と協力して行い,交流することがある。そのためには,各学校の百科事典のページをリンクする扉となるホームページが必要となったので,学校ホームページとは別に,「100ka-netホームページ」を作成した。「100ka-net」とは,百科事典ネットワークのためのホームページの意味である。
ルールや取り組み方の大枠を決めた後,メーリングリストなどを用いて,参加者を幅広く求めた。現在(2002年1月)のところ,本校,愛知県半田市立亀崎小学校,宮崎県宮崎市立本郷小学校,鹿児島県大島郡瀬戸内町立古仁屋小学校とリンクし,また稚内の個人の方も参加している。
(4) 名護小学校との交流
本単元は,同じ百科事典作りをしている学校との交流が,重要な学習活動の1つであるが交流校探しが難航した。
2学期に入りなかなか交流校が見つからず困っていたところに,国際交流をねらいとしたホームページ「マルチメディアキッズフォーラム(MMKF)」の事務局の方から,同ホームページの「マルチメディア百科事典」の紹介のメールをいただいた。検討の結果,「マルチメディア百科事典」にデータを提供している沖縄県名護小学校を紹介していただき,交流を開始することとなった。
交流は「マルチメディア百科事典」のコメント機能を利用して始まった。百科事典の内容について,掲示板のようにコメントを書き込めるのである。最初は,本校の児童が名護小学校の事典について,質問や感想をコメントとして書き込んだ。交流は児童同士のEメールのやり取りとなり,さらに2月8日に行われる研究発表会では,北海道と沖縄県をつないだテレビ電話会議に発展した。内容は,お互いの百科事典を比べあい,百科事典を作るときに重要なことを来年の学習者に向けて共有化するというものである。
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