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参加校により登録されたデータは,登録と同時にすべて公開され,自由に活用することができる。 |
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定常的に情報交換を行うには掲示板が便利である。投稿内容が1カ所に集約され,履歴をいつでも容易に参照できる。本プロジェクトでも,従来から電子掲示板を運営し,参加校間の交流や情報共有を目指している。これまでは誰もが書き込み/閲覧可能な掲示板を運営していたが,プロジェクトが活性化し,注目を集めるに従い,いたずら書き込みなどの問題も発生してきた。 |
図 3-2 掲示板の画面例(左が投稿一覧表示時,右が個別投稿表示時の画面) |
掲示板を運営する際の1つの問題点として,その確認の手間がある。通常,掲示板では,投稿の有無は実際に掲示板のページ(URL)をWebブラウザに表示して確認しなければわからない。投稿が相次ぎ,日々確認を行うような場合には問題は少ない。しかし,活動していく中では,多くの学校からの書き込みがある場合もあれば,行事が重なるなど,投稿が少なくなる場合もある。何度か見ても新規の投稿がなく,そのうちに誰も確認しなくなるという事例が散見される。そこで本プロジェクトでは,投稿があった際には,その旨と当該WebページへのURLをメーリングリストに自動的に流す仕組みを構築・利用することとした。これにより,「確認したのに新たな投稿がなかった」というようなことは解消される。利用が一時的に非活性化してしまった場合にも,誰かが投稿することで,それがメールを通じて確実に他の参加者に伝わるため,忘れ去られることなく使い続けることができると考えている。 電子掲示板の次の段階として,どんな交流が可能か,たとえば児童・生徒用のメーリングリストの設置も検討した。しかし,児童・生徒が自由にメールを読み書きできる環境が整っている学校が少ないのが実状である。そこで,電子掲示板に代わる交流のためのシステムとして,Webの画面上での「チャット」を利用することにした。 |
図 3-3 運営しているWeb上でのチャット |
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これまで,データの活用は参加校の自由に任せてきた。限られた時間内で利用するためには,何らかの参考になる情報が必要である。こうした背景から,蓄積されたデータをWeb上でグラフ化して閲覧できるような仕組みをJava
Appletにより構築した。 理科教員が中心となってプロジェクトを開始したが,それ以外に取り組みもある。必ずしもうまく進んでいるものばかりでもない。取り組みの過程では,苦労もあり,学校の枠を超えて,児童・生徒を育てていきたいという教員の熱意により,プロジェクトへの参加・活動が継続されている。こうした過程をまとめることはこれから取り組もうという学校に参考になるはずである。従って,参加校から,取り組んだ経過,その中で苦労した点,留意した事項などをまとめて報告してもらうことにした。授業として取り組んだものに関しては,指導案についても合わせて報告頂くことにした。 |
図 3-4 Web上で公開している指導案などの各種情報 |
こうした活動を公開し,参加校間でお互いに参照することで,3.5.1 で示したデータの活用同様,交流/意見交換がもたれ,より活発な活動に結びつけていきたいと考えている。 本プロジェクトでは,1995年のプロジェクト開始以来,ホームページを運営している。プロジェクトの過程で試行した事項なども盛り込まれ,全体像が見えずらくなっている部分も出てきた。そこで,これまでの機能的な面は保ちつつ,全体構成の見直しを行うこととした。 |
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本プロジェクトは注目を集め,教科書にも取り上げられるほどになった。今後,いかに安定して継続していくかが重要な課題となる。本年度,プロジェクト関係者の枠組みを超え,教育委員会や環境系財団など,他組織をプロジェクトの紹介かたがた訪問し,意見交換を行い,より安定的な体制/プロジェクト運営を検討することとした。訪問/意見交換に先立ち,プロジェクトの現状及び継続/発展に向けた課題の整理を行った。 (1)ハード・インフラ (2)観測機器 (3)イオン分析 (4)参加者間の集い (5)Webページ/システムの整備 ただし,基本的な仕組みは,プロジェクト開始当初に構築されたものであり,状況の変化や技術の進歩などにもより改良の余地はある。また,本年度の活動として教材としてまとめたものを,効果的に発信していこうとしたり,その活用をシステム的に支援していこうとした場合には,システム開発など,相応の対応が必要となる。充実したプロジェクトの実現のためには,進行状況に動きに応じた柔軟な対応を行えることが望ましく,問題となる部分である。 以上の現状及び課題を念頭に,各機関を訪問調査したり,意見交換を行ったりした。その結果を3.6.2 〜3.6.4 に記述する。 本プロジェクトでは,長期的な展望のもとに,教育委員会をも巻き込んだ形でのプロジェクト運営体制を研究することが,本年度の課題として挙げられている。そこで,まずは,幹事校の地域の教育委員会を訪問し,協力の可能性を調査することとした。3.6.1 に整理した現状及び課題を念頭に,「ハード・インフラ面での支援」「観測機器など予算面の支援」「プロジェクト運営面での支援」の可能性に関して現状を調査し,見解をまとめた。 (1)ハード・インフラ面での支援に関して
といった事情があり,プロジェクト既存の環境を継続することのメリットの方が大きいと判断した。当面は現環境を維持していく予定である。 (2)観測機器など予算面での支援に関して (3)プロジェクト運営面での支援に関して 以上から,プロジェクト全体を教育委員会に支援してもらうというのではなく,地域における自律的な取り組みにむけた関係を築くべきであるといえるだろう。教育委員会と本プロジェクトとの関係は間接的なものとなるが,長期的に見れば,各地域におけるプロジェクトを底上げしていくことが,プロジェクト全体の活性化にもつながると考えられる。こうした調査結果をもとに,本プロジェクトに積極的に取り組んでいる学校の,その地域における教育委員会との関係を調査し,積極的な取り組みの秘訣を探ることにした。 |
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表 3-2 地域における活動のヒアリングの概要
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事前の調査において,教育委員会から得られるであろうと推測した支援を,現場教員の要望をもとに,理科部会という組織を通して教育委員会から得,協調して活動しているモデルケースといえるだろう。当該校は,地域での活動をベースに本プロジェクトに様々な情報提供を行っており,活性化に貢献して頂いている。また,全国のデータを元に,地域の活動にもフィードバックを行っているという。特定の地域や教育委員会が本プロジェクトのように全国規模のプロジェクトを支援することは難しい。しかし,地域における活動基盤がないことには,学校における活動は継続せずにプロジェクト全体としても衰退していく。また,本プロジェクトの運営を考えた場合にも,参加校が事務局の支援なしに活動できることは大きい。 本プロジェクトでは,中・高校生向けのプロジェクトとしてスタートした。以降,その枠ははずし,どの学校からの参加も受け付けることにしたが,扱う内容上,依然として中・高等学校からの参加が多い。小学校では,pHということすら習っていないため,学内での位置づけが難しいということもある。 |
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表 3-3 小学校のための本プロジェクトに関して
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プロジェクトを継続するための体制を運営面,資金面で検討するため,教育委員会との共同体制を組んだり,環境関連の助成に応募できないかなど,各機関を訪問して,その可能性を探った。 教育委員会: 地域における活動のための場を提供してもらう。その地域で交流会・発表を行うような場合には,後援してもらうと,色々な学校が参加してもらいやすいということがある。 |
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