E-Square ProjectEスクエア・プロジェクトホームページへ 平成13年度 成果報告書
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全国発芽マップ企画実施マニュアル

3.全国発芽マップを活用した実践事例 計画案及び指導案
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3.1 学校行事での実践(計画案)

3.1.1 行事名 ケナフとともに1

(1) 目 的
○ 全国発芽マップの一斉播種日に全校一斉に取り組むことにより,参加意識を高めるとともに,その後の学習や活動の広がりを促す。
○ 活動を電子メールやホームページ等で情報交換したり,データをまとめたり,交流を図ったりする活動を通して,各教科のねらいを実現すると同時に,総合的な学習に発展することを期待する。

(2) 日 時
○ 平成12年5月20日(土)1・2校時

(3) 場 所
○ 宮崎大学教育文化学部附属小学校「わかたけ農園」

(4) 対象学年   1〜6学年(約650名)

(5) 種子の総数   約1300粒

(6) その他
※ ケナフをどうして播種するのか,ケナフとはどのような植物なのかを簡単に学級でお話ししていただけると子どもたちの意識も変わってくると思います。(別紙資料参照)
※ 播種後は,各学年,学級,教科研究でも活用の可能性が大いにありますので継続したご活用をお願いします。
※ 学級園でも栽培したい学級は,種子を準備します。

3.1.2 行事名 ケナフとともに2
(1) 目 的
 ○ ケナフに関する学習や活動を通して,ケナフに対する関心や自然環境に対する意識を高める。
 ○ 活動を電子メールやホームページ等で情報交換したり,データをまとめたり,交流を図ったりする活動を通して,各教科のねらいを実現すると同時に,総合的な学習に発展することを期待する。

(2) 日 時
 ○ 平成12年11月○日(○)○校時

(3) 実施方法
 ○ 子どもたちの実態(ケナフに対する意識等も含めて)やケナフの生長の様子等を考慮しながら各学年・学級で内容や実施の有無を検討し実施する。

(4) 予想される学習・活動内容
 ○ 発芽マップ参加校のホームページ(ケナフ関連)を閲覧する。
 ○ 紙すき活動(ボランティアの方を招いて)
 ○ 紙すきをしたはがきを使っての他校との交流
  (発芽マップ参加校一覧については本校ホームページ参照)
 ○ ケナフを素材にした料理
 ○ ケナフを素材にした工作
 ○ 学級のホームページの作成(構想や内容の話合い,作成)
 ○ 電子メール等による他校との情報交換及び同時授業
  (発芽マップ参加校一覧については本校ホームページ参照)
 ○ ケナフの世話
 ○ ケナフについて調べる。(生長,開花,結実の様子)

 ※ その他,様々な学習や活動が考えられる。

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3.2 学級活動での実践(指導案)

(1) 題材名  ケナフで広げようぼくらの夢を

(2) 指導するにあたって
○ 題材について
 本題材は,ケナフという素材を通して,他の教科等で学習したことを生かしながら,ケナフのよさや特性を学校内外に広げていく手段や方法を学級のみんなで考え,実践していく題材である。
 この活動は,子どもたちの今の思いを実践として表すことができ,子どもたちの期待を十分にふくらませることができる活動である。また,話合いや実践を通して,お互いに協力して活動したり,自主的に活動したりする姿が期待できる。さらに,子どもたちが,この活動をきっかけにして,他の教科等での学習でも地域の方々との交流を継続していこうとしたり,環境を意識した活動をしたりする姿も期待できる。
○ 子どもについて
 子どもたちは,これまでに理科の学習を中心にした教科等の学習の中で,ケナフの特性やよさについて学んできている。また,PTCA活動で,「ケナフの収穫祭」に取り組んでおり,その活動に向けて,子どもたちは,収穫祭の内容や運営方法,紙すきや料理等の準備を進める等,自発的,自治的な活動を行ってきている。そして,これらの学習や活動を生かして,あまり知られていないケナフの特性やよさを,学級のみんなで地域に広げていきたいという思いを抱いている。
 話合い活動では,日頃からよく発表する子どもを中心に活発に意見交換する姿が見られる。また,教師の支援のもと,男女を問わず協力する姿がある。
○指導の力点
・他教科等の学習のふりかえりや常時活動の中で,「今何をしたいか,何ができるか,何をすべきか。」という意識を高めながら,議題を設定し,学習に対する期待がもてるようにする。
・話合い活動では「ケナフを地域に広げるには,どんなことができるか。」ということを意識しながら話合いが進むようにする。
・実践では,子どもたちの思いに沿った活動ができるように,活動の場の広がりにも留意しながらT・Tでの学習を行うようにする。また,子どもと共に活動しながら励ましや賞賛等の言葉かけをし,活動への支援を行うようにする。
・自分たちの取組について,お互いに認め,励まし合う場を設け,活動への意欲が継続できるようにするとともに,学級の一員としての所属感を味わえるようにする。    
・これまでの取組のふりかえりから,活動のよさ,自分たちの学級や一人一人のよさに気付くことができるようにし,学級の一員としての所属感を高めるようにする。また,活動を通して学んだことを他の教科等に生かすことができるようにする。

(3) ねらい
 これまでの他教科等の学習を生かし,ケナフの特性やよさを広げていく活動を通して,活動のよさや成就感を味わいながら,学級の一員としての所属感や地域社会の一員としての自覚を高める。

(4) 評価について
 これまで他の教科等で学習したケナフの特性やよさを広げたいという子どもたちの思いや意欲,話合い活動での意見の述べ方や内容,実践での取組等を中心に,観察,発言やカード等によってそれらを紹介したり,賞賛したりして生かしていく。また,自己評価や相互評価も取り入れ,自分や友だちのよさに気付くようにする。

(5) 本題材における研究の視点の具体化
○ 各教科との関連
 理科「植物の成長」,家庭科「野菜を使った料理」,図画工作科「ケナフを使って」等の学習内容と関連を図りながら実践に生かしていく。
○ 協力的な指導(T・T) 
 活動の内容や場の広がりに応じて,複数の指導者が,子どもたちとともに一緒に活動を行う。地域の方からの手紙や励ましの言葉等を紹介し,実践への意欲付けを図る。
○ 教育の場の広がりに留意した学習活動
 PTCA活動「ケナフ収穫祭」での紙すきや料理等の体験活動,運営,準備等の自発的,自治的な活動を生かしながら実践に発展させていく。
○ ケナフの特性
 ケナフとは,アオイ科の植物で,1年性植物。
 二酸化炭素を多く吸収し酸素を多く排出する特性をもち,温暖化防止や土壌改良や水質浄化等の環境浄化に役立つ植物である。環境意識の改革やものを創造する等,教育への効用が期待できる。
○期待される学習効果
1各教科等の学習を生かしながら,ケナフを広げたいという思いを実現することができる。
2活動に対する励ましや賞賛の言葉かけにより,ケナフを広げていこうという思いがふくらみ,活動の成就感を味わうことができる。
3学級や友だちのよさを確かめ合うことができる。
4今後の教科等への発展が期待できる。
○よさを発揮している子どもの姿
1今までの学習を生かしながら,ケナフの特性やよさを広げる活動への思いをふくらませ,活動への意欲をもつ。
2自分の思いや願いを,話合いや実践の中で表現しようとする。
3お互いの活動や学級のよさに気付き,これからの自分たちの学習や活動に生かす。 

(6)計画

(7) 本時のねらい
 今まで取り組んできたケナフを広げる活動の報告会を開き,活動や自分たちのよさ,今後の取組についての話合いを通して,これからの取組への意欲と学級の一員としての所属感を高める。

(8) 本時の活動

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3.3 総合的な学習の時間での実践(指導案)

(1) 活動名    はばたき調査隊!〜私たちの生活,環境を見つめて〜
(2) 活動について
 小学校最高学年の総合わかたけ活動のスタートにあたり,1学期にアンケートを実施した。子どもたちからは,5年生までの学習や体験をもとに『人との交流活動』『環境に関する活動』『創造的な活動』等の活動内容が出された。そこで,その結果をもとに,総合わかたけ活動の取組について各学級で話し合った。各々の学級での話合いでは,活動内容を話し合う前に,「学年全体で活動を進めた方が,活動が広がるのではないか。」という意見が出て,学年全体で話し合うことになった。
 学年全体での話合いでは,「ケナフに関しての活動がしてみたい。」「外国の料理や健康によい料理をつくってみたい。」「今,問題になっているいじめについての映画づくりをしてみたい。」「環境にやさしい素材を使ってものをつくってみたい。」等の具体的な活動内容が出てきた。しかし,グループによっては,活動が単発的であったり,活動自体が滞ってしまったりする等の問題が生じ,途中で活動内容を変更する子どもも出てきた。
 子どもたちが1学期から続けたいと思っていることや新たにやろうとしていることは,身の回りの生活や環境と関係の深いものであった。そこで,2学期の初めに環境というキーワードでイメージマップをとり,環境から連想される事柄のイメージが広がっていった。子どもたちが連想していったものから,活動の可能性を話し合った。そしてその結果,身の回りの生活や環境について興味のあることに取り組んでいこうということになった。現在,次のような活動に意欲的に取り組んでいる。
「廃材を使っての本棚作り」「ケナフに関する活動」「グリーンマークを活用した活動」「環境に関するマンガ作り」「サラダプロジェクト」「リサイクルに関する活動」「環境に関するホームページ,ラジオ番組作り」「シンガポールと日本の環境の比較」
 このようにして本活動は生まれてきたのではあるが,環境というテーマのもとで単に環境問題の現象を扱うのではなく,一人一人の生活に結び付く学習になるようにしていきたい。このことから,本活動は,自分の生活を見つめながら,活動を進めていけるようにしていくことが大切になる。また,自然や社会とかかわる直接的な体験は,子どもが自分なりに生活や環境を見つめ直す場やきっかけになっていく。
 本活動は子どもが身の回りの生活や環境を見つめ直すことを通して,自分にとっての環境の意味を問い直していく活動である。そして,子どもや教師がともに,学びの共同体として認め合い,励まし合いながら新たな自分をつくりだしていく活動であると考える。

(3) 期待する子どもの姿
○ 自分の生活や環境に関することについて自分の活動に見通しをもち,自分なりの考えをもって取り組もうとしている。
○ 自分の生活や環境に関することについて関心をもち,進んで環境に関することについて自分なりの方法で情報収集をして調べたり,表現したりしようとするなど,これまでの学びを生かして学習を進めようとしている。
○ 一連の活動を通して,気付いたことや感じたことをふりかえりカードにまとめたり,教師や友だちと話し合ったりして,自分の考えを深めようとしている。また,自分や友だちのよさを認め,活動の中に生かそうとしている

(4) 子どもへのかかわり
○ 学年間の協力的な指導を行いながら,調べ活動や表現活動等にかかわっていく子どもの学びを多面的にとらえていくようにする。さらに,常に子どもと一緒に考え,ともに学習していくという立場で支援にあたる。
○ 子どもの活動に寄り添い,活動の様子やよさをとらえ,賞賛したり,全体の場で紹介したりして活動への意欲をもたせるとともに,活動が深まるようにしていく。

(5) 活動の見通し

(6) 本時で期待する子どもの姿
◯ 自分たちの計画にしたがって,調べ活動や活動方法を工夫したり,友だちと話し合って活動を進めたりしている。

(7) 予想される子どもの活動

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