1.2.2 Web教材利用の課題とその改善の必要性
現状,Web教材と言われているものには,明確に教育目的に則して制作されたものと個人や機関・団体,企業等が作成したものがある。後者のWebであってもその教育利用の価値において優れているものもあり,その数も圧倒的に多い。しかし,その多くが断片的情報であったり,完結型のパッケージ化教材の状況にある。また,それらのWeb教材を一つのテーマに絞って探し出すには,主に次の様な方法によっている。
(1) 検索サイトで検索する方法。
(2) 教育情報サイトで検索する方法。
(3) 各サイトの記事およびメールマガジン記事等を利用する方法。
(4) 書籍記事を利用する方法。
(5) その他
これらの方法によると,
(1) 検索サイトでは,欲した内容と関係する情報が数多く表示されるが,関係ない情報も同時に数多く表示され,そのふるい分けは学習者が行うため効率性に問題がある。
(2) 教育情報サイトでは,取り扱うジャンルが多いため,ジャンル別のインデックスサーチ型(リンクリスト)に若干の説明を付加してURLが収集される傾向にある。
(3) 書籍記事などでは,紙面の都合上,取り扱うWebや内容の紹介に制限があり,URLをわざわざ手入力する必要がある。
いずれの場合においても,学習者が学習内容に応じたWeb教材を利用するまでには,多くの時間と労力を必要としている状態にある。 端的に表現すれば,検索技術がWeb教材の発見を左右するような状態である。
このような状況は,やはりWeb教材が完結型であるために他のWeb教材を必要としていること,あるいは,単純にWeb教材の内容に満足が得られないということである。
今後は,テーマに基づいて新たに制作されるWeb教材とともに,既に公開されているテーマに関連するWeb教材を効率的かつ効果的に関連付けて総合化をはかる意図を持つ特定テーマについてのポータルサイトについて研究する必要がある。
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