USB学習帳のキャップにキャラクターシールや名前シールを貼り、子ども達が親しみやすくした。(
Fig.5-1
)
この USB学習帳は、子ども達一人一人に配布した。(
Fig.5-2
)
USB学習帳にはオートブート機能を搭載し、USB学習帳をPCのUSBスロットに挿入すると同時にeラーニングソフトが自動起動し、
Fig.5-3
のような学習開始画面がPCに表示されるようにした。
画面の指示に従って、子ども達は教材の閲覧、演習問題の解答入力を行っていく(
Fig.5-4
)。 演習問題についてはeラーニングソフトが自動採点を行い、採点結果や学習履歴データはUSBメモリ内に保存される。
USB学習帳を教室のPCに挿入すると、教師用PCに挿入したUSB教務手帳に学習履歴情報が送信され、教師は子ども達の学習状況を把握分析できる。
USB教務手帳には、
が格納されている。
USB教務手帳にもオートブート機能が搭載されており、PCのUSBスロットに挿入すると授業支援ソフトが自動起動し、
Fig.5-5 のような学習状況確認画面が表示される。
USB学習帳・USB教務手帳の仕様を下表にまとめる。
1.USB学習帳・USB教務手帳 | |
1-1.USBメモリ容量 | 32M バイト |
1-2.対応OS | Windows 2000、Windows XP |
1-3.構成 | (1)オートブート部 ・自動起動用プログラム ・ WWWサーバ |
(2)eラーニングソフト(WWWブラウザで動作) ・ 学習実行制御用プログラム ・ 学習履歴管理用プログラム ・ (保護者用)学習内容確認用プログラム ・ (教師用)学習状況確認用プログラム |
|
(3)教材コンテンツ・データ部 ・ HTML及びFlash形式の問題/解答表示用プログラム ・ 問題/解答データ(CSV形式) ・ 解説用データ(WWWブラウザで表示可能な形式) |
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(4)学習履歴データ部 ・学習結果データ(CSV形式データ) ・ 学習過程データ(WEBサーバ・ログ) |
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1-4.コンテンツ (今回の調査研究用に制作したコンテンツ) |
(1)小学校実践授業用教材1【小学3年】 ・単元「表とグラフ」 ・ 内容確認用HTML形式コンテンツ(7種類の演習問題) (2) 小学校実践授業用教材2【小学3年】 ・ 計算練習用Flash形式コンテンツ(8種類全120問) ・ 算数えきでん大会用コンテンツ(1種類) ・ 保護者向け計算練習指導用HTML形式コンテンツ(8種類) |
(3)中学校実践授業用教材1【中学2年】 ・単元「平行線と角」、「三角形の内角と外角」 ・問題演習用HTML形式コンテンツ(2種類全33問) (4)中学校実践授業用教材2【中学2年】 ・単元「三角形の合同条件」 ・内容確認用HTML形式コンテンツ(1種類/問題演習) ・内容整理用HTML形式コンテンツ(1種類/シミュレーション) |
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(5)高等学校実践授業用教材1【高校1年】 ・単元「二次関数の最大、最小」 ・ 問題演習用Flash形式コンテンツ(2種類全8問) (6)高等学校実践授業用教材2【高校1年】 ・単元「二次不等式」 ・ 問題演習用Flash形式コンテンツ(4種類全160問) ・問題演習解説用HTML形式コンテンツ(3種類) |
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(7)高等学校実践授業用教材1【高校3年】 ・単元「順列・組合せ、確率」 ・ 問題演習用Flash形式コンテンツ(3種類全45問) |
子ども用 PCと教師用PCが無線LANで接続され、USB学習帳内の学習履歴を従来のようなサーバと呼ばれる特別なPCを介することなくUSB学習帳とUSB教務手帳間で直接やりとりする機能を実現している。今回の調査研究では、実践授業時に確実に授業を進行させるという点から、学習履歴データのUSB教務手帳へのアップロード機能のみに限定した形で授業実践を行った。(
Fig.5-7
)
Fig.5-7
では、教室内で子ども達を班分けし、各班用に可搬式の無線LAN構築キット(ポール先端部にアンテナをとりつけたもの)を設置した例を示している。
今回、無線 LAN構築キットとして、教育現場への普及しやすさを考慮して、下記要件を満たすものを設計した。
実際の無線 LAN構築キットの写真を Fig.5-8 に示す。今回の調査研究では、授業実践校の教室内全ての場所で通信が可能であり、なおかつ隣接する教室には干渉しないように、アクセスポイントの送信電力を調整した。また、アクセスポイントには、各端末PCに自動的にIPアドレスを割り振るDHCPサーバ機能を内蔵したものを採用し、軽量可搬型で、設定も容易な無線LAN構築キットを提供した。
これにより、コンピュータ専用の教室でなくても、例えば普通教室に、子ども用 PCと教師用PCを持ち込み、可搬式無線LAN構築キットを介してPC間の通信が可能な環境を構築できる。その上で、次項に述べるUSB教務手帳により、子ども達が、教室でPCに自分専用のUSB学習帳を差し込み学習を進めると、自動的に、学習履歴が教師のUSB教務手帳に送信され、受信データの集計処理を行い、子ども達の学習状況を画面で確認できる。
仕様を下表にまとめる。
無線 LAN構築キット | |
2.1アクセスポイント部 | 下記の 3つの仕様を満たす無線LANアクセスポイント ・ IEEE802.11b準拠 ・外部アンテナ端子付き ・ DHCPサーバ機能 |
2.2無線アンテナ部 | 下記の 3つの仕様を満たす無線LAN用アンテナ ・放射パターン特性 ± 45° ・ 2.4GHz帯対応 ・放射電力調整機能付き |
既に述べたように、 USB学習帳には、WEBサーバソフトウェア(apache)が内蔵されており、PCに装着された段階で、WEBサーバが自動起動される。WEBサーバ起動後、WWWブラウザで動作するeラーニングソフトが起動し、学習が可能となる。
教材コンテンツは、 HTML及びFlash形式の「教材表示用テンプレート」と問題や学習履歴など、画面表示に必要な動的情報(「パラメータ」)から構成される。パラメータはCSV形式のテキストファイルで格納されており、eラーニングソフトにより、「教材表示用テンプレート」にパラメータを読み込ませることにより、学習画面を生成、表示する。また、演習問題への解答などのユーザ入力データは、eラーニングソフトにより、CSV形式の学習履歴データとして保存される。USB学習帳の動作フローを
Fig.5-9
に示す。USB学習帳を用いた教育情報データ交換の処理フローを
Fig.5-10
に示す。なお、
Fig.5-11 には、家庭学習の場合の処理フローを示す。