5.システム開発




5.1 ソフトウエア

1.仕様

 ソフトウェアとしての「でじたるキッズミュージアム」システムは、インターネット、またはLANで結ばれたネットワーク上において、テーマ別の博物館の構築を可能にするものである。また、この博物館は、以下のような仕様である。

(1)閉じられた参加型の博物館で、展示室とそれに付随する準備室が設けられる。また、展示室と準備室は、管理者が管理ツールにより自由に開設できる。

(2)展示室と準備室には、画像や文字データ、音声・動画ファイル、ハイパーリンクなどのマルチメディアデータを登録できる。また、複数のクライアントから同時に編集が可能であり、これらの編集された内容は、接続中のクライアントにリアルタイムに反映される。

(3)準備室において、学芸員と教師や子供達が、展示物についてペンタブレットを使った手書きによるコラボレーションを行い、質の高い学習をしながら展示物の質的向上を図ることができる。

(4)作成された展示室は、HTML文書として保存できる。最終的には、インターネット上の博物館Webに登録し広く公開する。

 上記の仕様を満たす 「 でじたるキッズミュージアム」システムは、リアルタイム同時編集によるマルチメディアコミュニケーションが可能な、クライアント・サーバーシステム「わいわいレコーダー」(開発元:(株)ジェイアール四国コミュニケーションウェア)をベースとして、その基本機能の上に更にカスタマイズにより以下の機能を付加した。

(1)ペンタブレットを使用した、手書きアドバイスによる支援機能

■準備室の展示データの上に、直接ペンタブレットで手書きアドバイスを書き込むことができる。また、書き込まれた手書きデータは、接続中の全クライアントにリアルタイムに反映される。
■手書きデータも含めたHTML保存と印刷が可能である。
■生徒システムでは、手書き機能の使用可否や、手書きで使用できる色の使用制限ができる。

(2)博物館用ボードの設定機能

■展示室・準備室用ボードの大きさを16種類設定し、テーマに沿って自由に選択できる。
■展示室に使用するボードでは、生徒システムからは参照しか行えないように制限することが可能である。
■展示室・準備室用ボードに背景画像を設定できる。


2.概要

 「 でじたるキッズミュージアム」システムは、ネットワーク上に形成される模造紙形式のアプリケーションである。各クライアントは、それぞれ離れた場所からネットワークを通じて、画像や文字データ、音声・動画ファイル、ハイパーリンクなどのマルチメディアデータを登録して編集することができる。また、これらの編集された内容は、接続中の全クライアントにリアルタイムに反映される。


(1)ボード管理ツール
  まず最初に、博物館の管理者が「ボード管理ツール」を使って、テーマ別の展示室・準備室用ボードを作成し、クライアントシステムからログインできるように開始状態にする。

1.「新しいボードを作る」ボタンを押すことにより、ボード新規作成ダイアログが表示される。ここで、ボードの名前、作成者名、ボードの大きさ等を設定してボードを作成する。ボードの作成後に、ボードの開始ダイアログにより終了時間を設定してボードを開始する。

(2)クライアントシステム
  クライアントシステムを起動して、既に開始されている展示室・準備室用ボードにログインすると、図のようなメイン画面が表示される。

a. 動作モード
  このシステムには、以下の4つの動作モードがあり、そのうちの1つを選択して操作を行う。

■見る・・・データ閲覧モード、書き込まれているデータを見る。
■書く・・・データ編集モード、ボードにデータを書き込む。
■発表・・・データ発表モード、書き込まれているデータを順番に表示する。
■再生・・・履歴データ再生モード、編集されたデータの履歴を順番に再生する。

b. 動作モードツールバーの付属機能

■ズームアウト・・・ディスプレイの大きさに合わせて表示を拡大・縮小する。
■アドバイスボタン・・・アドバイスを表示・非表示する。
■ボードツールボタン・・・ボード選択ダイアログを表示する。
■レイアウトプレビューボタン・・・レイアウトプレビューウインドウを表示する。
■ログインボードメンバーボタン・・ログインボードメンバーダイアログを表示する。ログインボードメンバーダイアログから相手先を選択して、簡易メッセージを送ることも可能である。

c. メニューの主な機能

■HTML形式で保存・・・現在のボードの内容をHTML形式で保存する。
■印刷・・・現在のボードの内容を、「分割」または「縮小」して印刷する。

(3)データの登録と編集
  「書く」モードに切り替えると、図のような編集ツールバーが表示される。これらの5つの編集ツールを使ってデータの登録と編集を行う。

a. データの選択・・・データの編集を行う為、目的のデータを選択する。
b. ペイントツール・・・絵を描いたり、写真を貼り付ける。
c. テキストツール・・・文字を入力する。
d. 添付ファイル貼り付け・・・音声や動画、文書などのデータファイルを貼り付ける。
e. アドバイスツール・・・ペンタブレットを使用して、アドバイスを書き込む。



5.2 ハードウエア

  1. 仕様

 (1) ペンタブレット

品名 WACOM FAVO SCHOOL PACK
WACOM FAVO DX SCHOOL PACK
読取方式 電磁誘導方式(電磁授受作用方式)
読取可能範囲 127.6×92.8mm
読取分解能 0.025mm
読取精度 ± 0.5mm
読取速度 最高 100 ポイント / 秒
読取可能高さ 3mm( ペン )
筆圧レベル 512 レベル
使用環境 温度 :5 〜 40℃  湿度 :20 〜 80% (結露なきこと)
電源電圧 / 消費電流 5V/ 最大 40mA
表面仕上げ 透明オーバーレイシート
外形寸法 (W x D x H) 216×218×9.3mm
重量 350g
インタフェース準拠規格 USB
対応システム ・ USB ポート標準装備の DOS/V 機 /NEC PC98-NX * 1
Windows XP/Me/98/2000
・ USB ポート標準装備の iBook/iMac/Power Macintosh * 1
Mac OS X 10.1.5 以降 /Mac OS 9.X/8.6

* 1 パソコンに標準装備された USB ポート以外での動作は保証していません。
日本語 Windows 98 発売以前に発売された DOS/V 機では USB ポートが正常に動作しない場合があります。
あらかじめパソコンメーカーにご確認ください。


 (2) 液晶ペンタブレット

 品名  Wacom Edio
 液晶パネル  駆動方式  アモルファスシリコン TFT 方式( a-Si TFT )
 表示サイズ  15 型( 304.1×228.1mm )
 最大表示解像度  1024×768 ドット
 画素ピッチ  0.297×0.297mm
 最大表示色  1619 万色
 応答速度  30ms
 最大輝度  230cd/m2
 コントラスト比  350:1
 視野角  水平 120°/ 垂直 100°
 入力信号 / 端子  アナログ RGB/DSub15 ピン ×1
 出力信号 / 端子  アナログ RGB/DSub15 ピン ×1
 同期周波数  水平 30 〜 56.5kHz 、垂直 50 〜 70Hz
 画像調整機能  明るさ、コントラスト、フェーズ、ピッチ、水平 / 垂直位置、
 色温度( 9300K/6500K/5000K/ ユーザ設定)、
 メニュー表示位置、自動画面調整、バックライト輝度、言語
 プラグ&プレイ  VESA DDC2B 対応
 パワーセーブ   国際エネルギースター
 タブレット  読取方式  電磁誘導方式(電磁授受作用方式)
 読取可能範囲  304.1×228.1mm
 読取分解能  0.05mm
 読取精度  ± 0.5mm
 読取速度  最高 93 ポイント / 秒
 読取可能高さ  5mm
 筆圧レベル  512 レベル
 インタフェース  USB ( B タイプ)
 その他  使用環境  温度 5 〜 35℃ 、湿度 20 〜 80% (結露なきこと)
 電源  AC100 〜 240V ・ 50/60Hz (専用 AC アダプタ)
 消費電力  最大 45W
 外形寸法( W×D×H )  400×340×109.5mm
 重量  3.8kg
 対応システム    ・アナログ RGB および USB ポート標準装備の DOS/V 機 /
 NEC PC98-NX 、  Windows XP/Me/98/2000
    ・ビデオ出力ポート( VGA コネクタ)および USB ポート
 標準装備の Power Macintosh
 Mac OS X 10.1.5 以降 /Mac OS 9.X
  1. 概要

 (1) ペンタブレット

ペンタブレットは、マウスが苦手とするフリーハンド作業「イラスト作成、写真加工、手書き文字」等を得意とするペン型の入力機器です。マウスと同様に右クリックや左ダブルクリック、ドラッグなども行えますので、通常のパソコン操作もペンだけで行うことができます。
パソコン教室の各コンピュータにペンタブレットを接続して使用します。これにより、パソコンを操作したことがないような全くの初心者でも気軽にパソコン操作に慣れ親しむことができ、中学校や高等学校での本格的な CG作成にも威力を発揮します。
タブレット操作エリアは PCモニター画面と1:1で対応しているのでどんなサイズのモニターでも画面全体をタブレットで操作することができます。

 (2) 液晶ペンタブレット

主に普通教室での使用を想定し、パソコンで使用するデジタルコンテンツにワコム ≪エディオ≫のペンを使って注釈を入れたり、マーキングを行い、それをプロジェクターで投影するものです。液晶ペンタブレットワコム≪エディオ≫とパソコン、プロジェクター、デジタル機材を組み合わせて使用します。この組み合わせにより、授業をよりわかりやすく効果的に行うことが可能です。




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