教育現場の実態を踏まえ、従来の「ペンで紙に書く」通常の授業スタイルを踏襲し、教師・生徒誰でも簡単に使え「ユビキタス」の世界を実感できるデジタルペンシステムと、W
ebコンテンツやプロジェクタ、パソコン内蔵の電子教卓と連携した動作環境を構築し、これからの普通教室における授業のあるべき姿を想定し本プロジェクトを推進した。
今回のプロジェクトは、音声、動画像等マルチメディア素材を扱うことが多いことや、文部科学省の「英語が使える日本人」の育成行動計画などを念頭に英語の教科に特化し実践授業を推進することとした。
実践授業推進にあたっては、通常の授業スタイルを変えることなく、誰でも比較的容易に ITを取り込み、その恩恵を享受できるよう考慮し、授業内容について先生方と協議しながら実施した。一方、これらのシステムやIT機器の特長を生かし、より効果のある授業を狙った意欲的な実験も一部の学校で実施した。また、こうした実践授業の教育効果を含め様々な観点からの検証を、教師だけでなく生徒からの意見も取り入れ今後の活動の足掛かりとする。
実践授業で行う主な授業概要を(1)に示す(詳細は4章参照)。また、これらの授業をサポートするため(2)に示すシステムツールの開発とコンテンツを制作し本プロジェクトに適用した。
(1)授業概要
- デジタルペンで記入した英文を表示させるライティング活動
- 聞き取った英語をデジタルペンでイメージ化(絵を描く)させるリスニング活動
- デジタルペンの筆跡機能を使った筆記体の書き順練習
- 小テスト
- 定期考査
- デジタル教材を使った英文法の説明
(2)システムツールの開発とコンテンツ制作
表示ツール :教師、生徒が記述した内容をパソコン上に表示させるツール
テストツール :テストの自動採点、結果をグラフ化させるツール
先生用評価ツール :生徒が記述した内容を授業後に(職員室で)結果表示、 コメントや評価を追記するツールル
Webコンテンツ :学習内容に沿ったインタラクティブなアニメーション制作
本プロジェクトの実施体制は下記の通りである(敬称略)。なお、 大乗淑徳学園淑徳小学校 は2003年12月に新たに協力実践校として参画いただいた。
1.体制図
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