5.実践授業等の実施内容




5.7 つくば市立吾妻中学校

「モバイルで短歌マップをつくろう」

1.実践授業の内容

    1. 学 年 3年生 
    2. 教 科 選択 国語
    3. IT活用のねらい

 短歌を詠むことは、これまでも行っていました。しかし、生徒から、感じたことをその場で詠みたい、その場の風景も伝えたい、もっともっとリアルタイムに伝えたい、詠んだ場所が伝えられる短歌集がつくりたいなどの要望が出ていました。そこで、PDAを利用した短歌マップをつくりました。

2.実践の様子

「カメラ付きPHS付きPDA」を各自が持ち、近隣の公園や校内を散策しました。散策で感じたことを短歌に詠み、その場の雰囲気を伝える写真と共に、PDAから学校にメールしました。学校にもどった生徒は、そのメールを他の人に見やすくなるように加工しました。その後、スタディノート(シャープシステムプロダクトのグループウエア)のマップ機能を使って、短歌マップを作成しました。マップの背景は、生徒が時間を見つけて丹念に書いてくれました。

http://dns.tsukuba-ibk.ed.jp/~azuma-j/moba/moba.htm
から閲覧が可能です。
これからどんどん充実させていきます。



短歌マップ

作品

5.8 つくば市立要小学校

「小学校図画工作6年 つくば美術館」

【学校IT活用のねらい】

 図画工作科で製作した作品(絵画・工作)や書写の作品をスタディノートの電子掲示板に掲載してお互いの作品を見合い、感想を交換することで、共同学習に興味・関心を持てるとともに、小規模校では得がたい広い相互評価を得ることができる。

【学校IT活用の実践】

 今まで図工の作品等を互いに鑑賞し合う時には、廊下や教室に掲示してある作品を直接見る方法で行っていたが、本校は小規模校のため、どうしても相互評価の範囲が狭くなってしまっていた。
  そこで、より広い評価を実現するために、他校と掲示板を活用して児童の作品を鑑賞し合うことが有効と考えた。
  まず、他校と交流を図るために、すでに掲載されている他校の児童の作品を鑑賞し、その感想をメールで送信することにした。児童は、学年も異なる他校の児童の作品を興味深く鑑賞し、温かく分かりやすい感想を送ることができた。また、相手が思わず楽しく読めるような様々な工夫を自主的に施すこともできた( 図1 )。
  また、感想に対する返事( 図2 )を見て、児童は一斉に喜びの声をあげていた。コンピュータを活用する喜びを再確認するとともに、「今度は自分たちの作品を見てもらえる」という期待感を抱くことができた。

図2  他校の児童へのアドバイスメール
図1  他校の児童へのアドバイスメール

 次に、いよいよ自分たちの作品を掲示板に載せることにした。子どもたちは、協力して作品をPDAで撮影していたが、すぐに写り具合を確認したり、撮影アングルを指定したりと能率的に作業を進めることができた。子どもたちそれぞれが、アイディア豊かな自分の作品紹介を作ろうと努力していた( 図3 )。
  作品紹介が完成して掲示板に載せる段階では( 図4 )、「どんな返事が来るかな!」といった期待の声が多く聞かれた。しかし一方で、「もっと丁寧に色を塗れば良かった」「ほめてくれないかもしれない」などといった後悔や不安の声も聞かれた。これは、明らかに相互評価を意識している言葉である。今までにない評価対象が加わったことで刺激を得て、クラス内の狭い評価では味わえなかった緊張感を味わうことができたといえる。
  実際に他校から返事が届くと、自分では気づかなかった良い点や改善点が指摘されており、子どもたちは喜びや驚きを味わうことができた( 図5 )。
  学習を終えて子どもたちに共同学習の感想を聞くと、「これからも続けていきたい」「工夫点が参考になった」「自分の作品が見られることを意識して作品作りに取り組みたい」という声が多く聞かれた。これは、「見られて恥ずかしい」という思いから、「ほめられるような作品を作りたい」という作品製作に取り組む強い意欲への変化であると捉えることができる。
  これからも継続して共同学習を行うことでさらなる意欲を高め、自分の作品を丁寧に仕上げる粘り強さを育んでいきたい。

図3 自分の作品を紹介した画面
図4 掲示板を使って他校に情報発信

図5 作品に対する感想をもらった画面


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