交流が継続的にスムーズに進行しないのは、交流校間の先生同士の事前打合せがうまく進まないことに起因することが多い。掲示板を利用して一方が働きかけても回答が返って来ないことが多い。これは、相手が掲示板を見ていない可能性が高い。問題は、掲示板が見に行かなければ読めないメディアであるということにある。eメールも見に行かなければ読めないが、日常比較的汎用の目的に利用しているメディアである。これに対して、国際交流掲示板は、専用の掲示板である。見にいく習慣がなければ、見てもらうことは期待できない。メッセージ交換が頻繁に行われるようになれば、自然と見にいく習慣が形成されるが、はじめは意識的に見にいく必要がある。逆に、掲示板に載るメッセージが少なくなると、見にいく習慣も段々なくなってしまう。
交流当初は、先生同士の交流を掲示板を利用してはじめるきっかけがつかみにくいので、はじめはコーディネーターが、電話やeメールなどの別のメディアを利用してきっかけをつくる必要がある。
先生同士の打合せは、二人あるいはコーディネーターを含めた少人数の間で情報共有を行えばよい。そういう意味では、必ずしも掲示板を利用する必要はないかもしれない。翻訳掲示板と一般のeメールの違いは、
先生がメールアドレスを持っているという前提があれば、eメールに2. 3.の機能が加われば、eメールによるメッセージ交換でもかまわない。
少なくとも、掲示板にメッセージが到着したことをeメールでも知らせる仕組みがあれば改善できる。
児童、生徒間での交流については、
ということからeメールよりは、掲示板による交流が適しているが、新しいメッセージの到着を先生に知らせることは意味がある。実際、掲示板へのメッセージの到着をコーディネーターなどの第三者に知らされてはじめて気づくということもよくある。今後、翻訳掲示板と連携したメッセージ到着通知メールの機能は、国際交流授業支援システムに追加していくべきであろう。
日本の小中学校の場合、先生方が個人で利用できるPCは、まだほとんど整備されていない。
また、先生方が学校からメールアドレスを与えられているケースはまだ少ないようだ。
メールアドレスを持っている先生は、個人的に取得したメールアドレスを使用していることが多い。先生用のPCやメールアドレスの制度的な整備が望まれる。
国際交流がうまく運営できるかどうかは、支援システムだけで決まるわけではない。実施体制の整備や、進め方の手順について理解していることが大切である。以下、運営に必要な事項を整理する。