まず、「安価ロボット対応」については、従来、高価で設定が複雑なロボットにしか対応しておらず、現場として導入が困難であった問題を、安価で手軽に導入できるロボット(
LEGO Spybotics )に対応することで解消できたと考える。生徒が個人で購入することも十分可能な価格帯のロボットであり、設定も簡単に行うことができる。導入を検討している学校にとっては、これでほぼ現実的なものになっている。学習効果も、
AIBO を利用した場合と比較して遜色ないことが実践授業を通じて実証され、逆に Spyboticsならではの学習効果、たとえば、ロボットの組み立て段階から実習を行い、自分の作ったプログラムをそれで動かす、といった体験と感動も得ることができる。
導入や設定が容易になったことにより、それぞれの学校における独自のカリキュラム作成も柔軟に行うことができると考える。
次に、「教材の提供環境整備」は、ロボット教材に関するさまざまな情報を体系的にドキュメント化し、それを教材アプリケーションと一緒にホームページで公開することにより、学校現場が単独でロボット教材を導入できる環境が整ったと考える。
AIBOを利用する際の、多岐にわたる複雑な設定(ロボット本体、無線LAN)を解説した手順書を作成し、導入をよりスムーズに行うことができるようになった。また、SpyboticsやWonderborgを利用する際にも、それぞれの説明書を用意しており、ホームページからダウンロードして参照することにより、問題なく導入することが可能である。さらに、実施していただいた実践授業の事例も、わかりやすい形でドキュメントとしてホームページで公開している。これにより、授業にロボット教材を導入する際の参考として、役立てていただきたい。
プロジェクト進行中の成果の普及については、各地でのセミナーや展示会において、ロボット教材のデモを実際にご覧いただき、レスポンスを得る活動を実施した。
その活動実績は、ホームページでも紹介した。
今後は、改善モデル実践でご協力いただいたスコーレ・アソカと連携し、教育関連施設への紹介活動を軸に、ホームページでの情報発信をはじめ、イベントやセミナーなどにも積極的にアプローチしていく予定である。
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