産業界との協力授業
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実践事例
電池のリサイクルから学ぶ、身近にできる環境活動
実施した教育機関・生徒数・実施日
■岡山県新見市立高尾小学校
学年 クラス 生徒数 実施日 合計授業時間
5学年 1クラス 13名 平成14年12月2日、3日 2時間15分
6学年 1クラス 8名 平成14年12月2日、3日 2時間15分

■岡山県新見市立上市小学校
学年 クラス 生徒数 実施日 合計授業時間
5学年 1クラス 17名 平成14年12月2日、3日 2時間15分
6学年 1クラス 10名 平成14年12月2日、3日 2時間15分

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実施した教科・単元
■岡山県新見市立上市小学校
学年 教科名 単元
第5学年 総合的な学習の時間 環境教育

■岡山県新見市立上市小学校
学年 教科名 単元
第6学年 総合的な学習の時間 環境教育

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主催した教育機関
岡山県新見市教育委員会
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授業概要
 基本骨子は、「電池の構造 製造過程 電池の正しい使い方・捨て方→正しい捨て方から電池が再生され資源になるリサイクル」過程、および子供達が自主的にリサイクルに参画する意識付けを持つような授業構成とする。
授業は、映像送受信システムを活用し、高尾小をメイン講師として両校の児童に話しかけながら進める。
事前に理解を深める為に予め、「環境に対する産業界の取組み」教材をみてもらい、ワークシートに質問疑問事項を書き出してもらう。
授業の中では、電池のしくみや物づくりへの理解、関心を深める為の手作り乾電池教室の実施やクイズ対抗戦等もおこなう。
最後に電池の回収箱への投函を自分たちのできる環境活動の第1歩としておこなうことを子供たちと約束して授業を終了する。
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授業のねらい
「電池の正しい使い方、捨て方」(充電池の回収箱への投函)、「環境やリサイクル」「産業界が環境に配慮しながら活動していること」を電池という身近なものをとおして学ぶ中で環境活動への理解と興味を深めるとともに「電池の分別回収他環境問題や住み良いまちづくりについて積極的に参加する意欲を持つ」ことを目標とする。
また電池についての仕組み、構造、種類や製造等さまざまなことを学び知る中で、産業界のもの作りについての理解と関心をもってもらうことも狙っている。
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授業内容
実施単位 テーマ
事前学習 企業の環境への取組み

実施場所 岡山県新見市立高尾小学校
図書館
岡山県新見市立上市小学校
普通教室
実施時間 45分
講師 岡山県新見市立高尾小学校
坂田教師、奥田教師
岡山県新見市立上市小学校
富永教師、長谷川教師
使用教材 Microsoft(R)PowerPoint(R) ドキュメント 予習用映像教材(企業の環境への取組み)、質問抽出用ワークシート

授業の進行・内容 授業の様子
■進行
 事前に企業の環境への取組み教材を各学校の教師にお送りし、児童にみてもらう。質問、疑問を
質問用ワークシートに記述してもらい、関心、興味を事前に引き出す。集まった質問用ワークシートは教師側で1つにまとめ、企業講師にお送りいただく。

■内容
・各学校で教師がお送りした企業の環境への取組み映像教材を児童にみせていただく。
・教材はいかに環境に対し意識をもち、仕事の中にとりいれているかを説明している。
・屋久島で活躍している電気自動車の電池や水銀Oの電池づくりや鉛はんだを使わない製品づくり等環境に優しいものづくりに取組んでいることまた工場の中でも水や空気を汚さないように化学物質に厳しい基準をもうけて取組んでいること他、会社の中の日常活動でも消エネルギー、ゴミの分別等リサイクル活動をおこなっていることなどを紹介している。
・児童自身の関心、興味を事前に引き出す為、質問用ワークシートに疑問、質問、意見を書いてもらう。
・先生の方でまとめ、企業講師にお送りいただく。
・企業講師側で整理、回答準備し授業の中で疑問、質問に答えていく。


実施単位 テーマ
1時限目 電池のしくみ、手作り乾電池教室

実施場所 岡山県新見市立高尾小学校
図書館
岡山県新見市立上市小学校 
普通教室
実施時間 45分
講師 松下電器工業株式会社
藤井幹夫、末次広代
使用教材 Microsoft(R)PowerPoint(R) ドキュメント 
産業紹介用パワーポイント資料(電池のリサイクルから学ぶ、身近にできる環境活動)
電池の制作キット

授業の進行・内容 授業の様子
■進行
 電池の仕組みや構造を説明した後、実際に手作り乾電池教室をおこなった。

■内容
・一般的な化学電池は3つの材料が入っていてそれが化学反応を起こすこと
その3つとは+極の材料、−極の材料、電解液であることを説明する。
・3つの条件がそろっているとこんなものでも電気が起きるという例を見せる。
(びんちょう炭で電気がおこり、風車がまわるシーンを映像で紹介する。)
・手作り電池の制作キットを使い、子供が自分の力で実際に電池を組立て、構造や構成物を実感する。(外側に自分が書いた絵をシールとしてはり、自分だけの乾電池を完成させる。)
・先生が中継役として、進行状況を確認し制作する。生徒とのコミュニケーションをとりながら、制作をおこなう。

高尾小授業風景 手作り電池教室
高尾小授業風景 手作り電池教室

上市小授業風景 手作り電池教室
上市小授業風景 手作り電池教室


実施単位 テーマ
2時限目 バーチャル工場見学と電池の種類、使い方

実施場所 岡山県新見市立高尾小学校
図書館
岡山県新見市立上市小学校 
普通教室
実施時間 45分
講師 松下電池工業株式会社
藤井幹夫、末次広代
使用教材 Microsoft(R)PowerPoint(R) ドキュメント 
産業紹介用パワーポイント資料(電池のリサイクルから学ぶ、身近にできる環境活動)

授業の進行・内容 授業の様子
■進行
電池の生産ラインを動画等で紹介した後、電池の種類について学習する。引き続き電池の使い方については、クイズ対抗戦の中で確認しあう。

■内容
・1時限目と2時限目の休み時間は、ネットワーク時代の映像交流を両校生徒に自由に遊ばせる中で体験させた。
・ 先ほど自分で制作した電池の製造工程とつき合わせ、各工程が自動化され大量に高速で出荷されていることを動画教材で実感させる。
・手作りでやった工程が工場では、数秒でできることをみせる。検査なども○○秒の一秒で判断することも説明する。
・電池にはたくさん種類があることを紹介する。どのくらい種類があると思いますか?と投げかけ、上市小、高尾小の児童に意見を問い、交流しながら授業を進行する。
・一次電池:使いきってしまうと使えない電池(マンガン乾電池、アルカリ乾電池、リチウム、ボタン)
二次電池:充電ができて繰り返し使える電池 
(ニカド、リチウムイオン、ニッケル水素、鉛蓄電池)
燃料電池:水素と酸素を使って電気エネルギーを作る
太陽電池:太陽の光をエネルギーに換えられる 説明の中で、電池の中の環境面に目を向けさせる。
・電池の正しい取り扱い方をクイズ形式の学校対抗戦で学習させる。

高尾小学校 電池の種類の授業風景
高尾小学校 電池の種類の授業風景

上市小で見る藤井講師の授業
上市小で見る藤井講師の授業


実施単位 テーマ
3時限目 電池の正しい捨て方とリサイクル、企業の環境への取組み

実施場所 岡山県新見市立高尾小学校
図書館
岡山県新見市立上市小学校 
普通教室
実施時間 45分
講師 松下電池工業株式会社
藤井幹夫、末次広代
使用教材 Microsoft(R)PowerPoint(R) ドキュメント 
産業紹介用パワーポイント資料(電池のリサイクルから学ぶ、身近にできる環境活動)
予習用映像教材(企業の環境への取組み

授業の進行・内容 授業の様子
■進行
電池の捨て方とリサイクルについて学ぶ。
再びクイズでの対抗戦をおこなう。その後、企業の環境への取組みの映像をみて、事前にいただいていた質問に答える。
充電池をリサイクルの為、回収箱にいれることを児童と約束して授業を終わる。

■内容
・電池は種類毎に正しい捨て方があり、4つの捨て方や充電式回収箱について説明する。
・リサイクルできる電池(二次電池)、しない電池(一次電池)があり、理由も説明する。
・二次電池(充電式)のリサイクルについて、電池の再生工場(リサイクル)の様子を動画教材を用いて紹介する。再び、電池の材料になるものやステンレスとして、スプーンやフォークに生まれ変わるものがあることを説明する。
・正しく分別されているから資源再生が可能なことを意識付ける。
・ここまでの復習をかねて、電池の捨て方、リサイクルについてのクイズ対抗戦をおこなう。
・企業の環境への取組み映像を上映する。
単にものづくりを行うだけでなく、社会への環境活動まで環境に配慮した企業の取組みを紹介する。
・事前にいただいていた両校からの質問を取り上げ、回答する。授業の中で回答できなかったものは、各先生に後で回答一覧をお渡ししているので聞いてもらうことをつげる。
・最後に充電池をリサイクルの為、回収箱にいれることを児童と約束し、自分のできる環境への第1歩を踏み出してもらうことで環境活動への意識づけをおこなう。

高尾小学校 電池のリサイクルの授業風景
高尾小学校 電池のリサイクルの授業風景

上市小学校 電池のリサイクルの授業風景
上市小学校 電池のリサイクルの授業風景


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授業の成果
 自らの手で手作りの乾電池をつくった体験から得られた達成感や両校のクイズ対抗戦は児童の1番印象に残ったことであり、好評であった。
手作り乾電池を通して、またその後のバーチャル工場見学をとおして、電池の仕組みを理解し、産業界の物作りに興味をはせることが出来たものと考える。
産業界の講師は自分の会社のことを説明し、「電池の正しい使い方、捨て方」「環境やリサイクル」「産業界が環境に配慮しながら活動していること」等電池という身近なものをとおして環境についての社会や企業が真剣に取組んでいることへの理解と興味を深めるという当初の目的を達成させたと考える。
事前学習としての企業の環境への取組み映像については、内容が難しかったという難点はあったが、各学校とも多方面からのかなりの数の質問をもらい、生徒の疑問に対する限りない、探索心にはびっくりしたが、その分授業の中で回答していく方向をとり、より理解と関心が深められた。
また、充電池の回収箱への投函という行為をとおして、「電池の分別回収他環境問題や住み良いまちづくりについて積極的に参加する意欲を持つ」ことの自分にできる第1歩を踏み出すことになる。
反省点としては、カリキュラムの時間上できなかった交流授業ならではの利点である児童同士の意見交換、討論や先生からの呼びかけや質問を受ける等のコミュニケーションの時間を多くとりいれることや手作り電池教室以外にも電池実験等の体験学習を数多くいれるべきであったという点があげられる。
また企業の環境への取組みにおいては、企業講師が会社でおこなった体験や苦労話等会社生活の実情等についてなまなましい話をしたり、生徒からの質問に答えるといった内容にして児童の関心、興味を促すべきであったと考える。
自分だけの手作り電池 完成
自分だけの手作り電池 完成

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実施環境
実施場所 岡山県新見市立高尾小学校 図書館
岡山県新見市立上市小学校 普通教室
使用した機器 ノートPC、プロジェクター、プラズマディスプレイ
DV映像送受信システム、デジタルビデオカメラ、マイク、スピーカー

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使用教材
教材タイトル 予習用映像教材(企業の環境への取組み)
教材仕様 Microsoft(R)PowerPoint(R) ドキュメント
教材概要 松下電池工業がいかに環境に対し、意識をもち仕事の中にとりいれているかを説明している。環境を意識したものづくり、工場への配慮の他にもさまざま社会へ環境活動をおこなっていることをわかりやすく映像をもちいて解説している。

教材タイトル 産業紹介用パワーポイント資料(電池のリサイクルから学ぶ、身近にできる環境活動)
教材仕様 Microsoft(R)PowerPoint(R) ドキュメント
教材概要 電池のしくみ、種類、電池ができるまでの工程、電池の正しい使い方、捨て方、電池のリサイクルの内容で構成されている。
学習を確認するQ&Aクイズ教材や動画をまじえて、電池のできるまでの工程やリサイクルの工程をリアルに表現している。

教材タイトル 電池の制作キット
教材仕様 手作りで自分だけのマンガン電池をつくる体験型教材キット
教材概要 プラス極、マイナス極、電解液の3つの要素で組立てキットは構成されている。
マンガンの粉をつめ、炭素棒を木槌で埋め込む等の工程をへて、子供たちが自ら、自分の力で自分だけの電池を制作する。
最後にはいっている豆電球で点灯して確認する。
マンガン乾電池の構造を理解するとともに、電池への関心をいだかせ、ものづくりについての興味に発展させる役割が期待できる教材である。

教材タイトル 質問用抽出用ワークシート
教材仕様 Microsoft(R)PowerPoint(R) ドキュメント
教材概要 事前予習に「企業の環境への取組み」映像を生徒に見せた際に沸き起こる疑問、質問、感想を生徒自身が自分で整理するためのワークシート用紙である。

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授業協力メンバー
所 属 氏 名 授業での説明
松下電池工業株式会社 藤井幹夫
高尾小学校での産業界講師
松下電池工業株式会社 末次広代
上市小学校での産業界講師
松下電池工業株式会社 佐藤吉秀
今回の授業構成、内容、教材の総合監修
松下電池工業株式会社 山本浩喜
営業窓口、新見市教育委員会、高尾小学校、上市小学校との調整窓口
松下電池工業株式会社 坂本裕嗣 遠隔授業全体コーディネイト、遠隔授業準備、教材作成

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授業の感想
■主催した教育機関

・講師の教態とそこから出てくる魅力に驚かされた。教態としても大いに参考になる指導者の授業内容であった。
・1つの問題について自分の考えを述べ合い、両校討論の時間も1時間のうちに1箇所は必要である。

■授業実施者
(産業界講師)

・上市小とのコンタクトをもう少しとれればよかった。
・初日の最初の部分は上市からの声が届かない部分があったため、上市小とのタイミングをとりづらいなどの事情はあった。
・今回の授業で終わらせず、今後のフォローというのが重要だと思う。今回の課題を今後の授業に反映させたい。

■担任の先生

・特に電池づくりの場面は子供たちが楽しく取り組んでいた。
・メインが高尾小だったので、上市はどちらかというとお客様的な気持ちになっていたかもしれない。高尾−上市の意見交換などがもっと欲しかった。

■児 童

・手作り乾電池、クイズ対抗戦は楽しかった。
・電池の捨て方、リサイクルについてついてよく理解できた。
・電池の種類がたくさんあることがわかった。
・電池の中身は、知らなかったが手作り乾電池でよくわかった。

■教育関係の立場から

・藤井氏のキャラクターで3時間 余裕をもって楽しく授業できた。また新しいことも学習できたし、当初の目標は達成できたと思う。
・ただ小学校では体験をし、課題を見つけることがメインなので、やはり体験を多く取り入れたほうが良い。知的理解はしたが体験的に「学び取った」という場面が欲しかった。遠隔学習については上市小の子供と意見交換などをもっとしたかった。
・今回の授業は2学年複式、教室での席は右側○年左側○年と言う風に配置しているので、呼びかけ等もそれを意識するともっと良くなる。

■授業情報提供者

・知的理解という観点とリサイクル、環境への関心を引き出すという第1歩の目標は達成できたと考える。
・事前リハーサルで交流授業は当初予想以上に時間がかかることが判明した。
短い時間の中でのカリキュラム設定である為、もう1時間あれば、交流授業といった観点はもう少し充実できたように思う。
・システムとしては、DV映像送受信以外はどこでもある安価な機材で実現できた点は普及という観点では1つの成果であったとも考える。
・なお先生方からいただいた貴重なご意見を参考にさせていただき、今後改良点を加え、充実した取組みにつなげていきたい。


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教材紹介

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