産業界との協力授業
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実践事例
「焼き物の伝統工芸と未来技術」
実施した教育機関・生徒数・実施日
■佐賀県西松浦郡有田町立有田中部小学校
学年 クラス 生徒数 実施日 合計授業時間
第4学年 3クラス 82名 平成15年9月16日、10月6日
14日、11月27日
7時間50分

■佐賀県東松浦郡北波多村立北波多小学校
学年 クラス 生徒数 実施日 合計授業時間
第4学年 1クラス 34名 平成15年9月25日、10月3日
6日、11月27日、12月2日
8時間00分

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実施した教科・単元
■佐賀県西松浦郡有田町立有田中部小学校
学年 教科名 単元
第4学年 総合的な学習の時間 「郷土の伝統産業」

■佐賀県東松浦郡北波多村立北波多小学校
学年 教科名 単元
第4学年 総合的な学習の時間 「郷土の伝統産業」

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主催した教育機関
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授業概要
 歴史ある「焼き物(有田焼・唐津焼)」をさらに発展させたセラッミクス技術を知ることで焼き物の奥深さを知る。
先人の築いた、陶磁器製造の技術がさらに極められ、セラミックスの技術として新たな、そして様々な分野へと発展していることを知り、焼き物や、それを育んだ郷土を再認識する。皿や茶碗だけでない焼き物の可能性を知り、佐賀県窯業技術センターの研究員の話を聞き、様々に研究、発掘していることを知る。
ファインセラミックスやスペースシャトルにまで焼き物が実用され、社会生活での環境問題に対応した商品等を見ることにより、焼き物の未来を知ることで、その考え方や過去の努力に興味を持ち、さらに調べていこうとする関心を持つ。
総合学習の時間を利用して、磁器発祥の地「有田」の有田焼について有田の小学校が学習し、唐津焼発祥の地「北波多村」の北波多小学校が「唐津焼」の学習し、お互いの疑問点について交流できる場としてインターネットを利用した合同発表会を行う。
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授業のねらい
郷土の伝統産業である焼き物を知ることで、地域の歴史と文化に触れ、自分達の住む地域を再発見することでふるさとに誇りと愛着を持たせる。焼き物にたずさわる人々の生きざまや知恵を実感として捉えることにより、
もの作りの楽しさを味わい、興味関心をもつ。 また、先人の努力や、その技術がさらに極められた新しい焼き物「ファインセラミックス」などの様々な分野へと発展していることなど新産業についても認識させる内容とする。

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授業内容
■(有田焼のできるまで)
実施単位 テーマ
1時限目 窯元見学「有田焼のできるまで」を見る

実施場所 有限会社しん窯 工場内
実施時間 2時間10分
講師 有限会社しん窯
梶原茂弘、長友薫徳
角康則、栗山雅彦
使用教材 --

 
授業の進行・内容 授業の様子
■進行
 工場見学にあたっての注意点を説明し、3グループに分かれ、各説明員を振り分け、工場内の各工程説明を行い。最後に質疑応答を行った。

■内容
 有田焼のできるまでの工程を見学しながら説明を受ける。

  • デザイン(形状や絵柄について)
  • 成形工程(手ろくろ、機械ろくろ、鋳込み、ローラーマシン等)
  • 絵付工程(線描き、ダミ)
  • 施釉工程
  • 施釉工程(電気窯、ガス窯、のぼり窯)
  • 製品(検品・流通)
分業化され、一つの製品が出来るまで複数の工程があり、複数の職人が関る有田焼の製造工程を理解し、もの作りの大変さや楽しさを見ながら郷土の伝統産業を学習した。

有田焼の工場見学(有限会社しん窯)ろくろ風景
有田焼の工場見学(有限会社しん窯)ろくろ風景

有田焼の工場見学(有限会社しん窯)絵付風景
有田焼の工場見学(有限会社しん窯)絵付風景


実施単位 テーマ
2時限目 有田焼の用と美

実施場所 有田中部小学校 教室 実施時間 1時間30分
講師 有限会社しん窯 
梶原社長
使用教材 ビデオ「有田焼のできるまで」 
Microsoft(R)PowerPoint(R) ドキュメント 「有田焼の用と美」有田焼サンプル

授業の進行・内容 授業の様子
■進行
 有限会社しん窯の梶原社長に窯元から見た有田焼についてのお話、もの作りの楽しさなどについて説明。

■内容
 教材ビデオ「有田焼のできるまで」を利用して、有田焼の原料である陶石の採掘から土を作り、ろくろなどにより成形を行い、絵付け、焼成、流通などの工程を説明。
 「有田焼の用と美」と題して、焼き物づくりと生活文化(花やお茶:しつけ、身だしなみ)の密接なかかわりについて理解する。
 食器以外のインテリア、エクステリア等にも有田焼製品があり、最近では、環境問題に対応した商品、ユニバーサルデザインの商品など現代社会に対応した商品づくりがされていることを写真、映像等によりプロジェクター等を活用して説明をし、実際の商品サンプルを手に触って理解する。
 有田焼の歴史と文化を説明し、物づくりの楽しさを理解してもらう。

有田中部小学校 教室風景
有田中部小学校 教室風景

有田中部小学校 教室風景
有田中部小学校 教室風景


実施単位 テーマ
3時限目 陶土工場見学&やきものの未来技術

実施場所 陶土工場(田島商店)
佐賀県窯業技術センター
実施時間 2時間10分
講師 株式会社田島商店
田島徳文
佐賀県窯業技術センター
勝木宏昭
使用教材 Microsoft(R)PowerPoint(R) ドキュメント 
「焼き物の未来技術」
サンプル

授業の進行・内容 授業の様子
■進行
 陶土研究グループは陶土工場の田島商店へ見学に、未来技術研究グループは佐賀県窯業技術センターで講話と研究施設の見学へ別れて授業を実施。

■内容
 ・陶土工場見学
有田焼の原料である陶石から陶土になる工程を見学。採掘場より持ち込まれた陶石を大型の機械で砕いていき、水を利用してより良い陶土づくりを可能とする工程を学習する。出来上がった土を各自分けてもらい、資料として持ち帰った。
 ・佐賀県窯業技術センター
「セラミックスてなんだろう?」をテーマに私たちの生活を便利に、豊かに、楽しく、安全にしてくれるセラミックスを、身近な携帯電話、自動車、ゲームから力を電気に変えたり、空の電波を捕まえたり、熱を電気に変えたりする、優れたものまで写真と実物を見せながら説明。

陶土工場 見学風景
陶土工場 見学風景

佐賀県窯業技術センター 授業風景
佐賀県窯業技術センター 授業風景



授業内容
■(唐津焼のできるまで)
実施単位 テーマ
1時限目 唐津焼のできるまで

実施場所 北波多小学校 教室
実施時間 1時間50分
講師 岸岳窯三帰庵
富永祐司
使用教材 ビデオ「唐津焼のできるまで」
Microsoft(R)PowerPoint(R) ドキュメント 「唐津焼のできるまで」
唐津焼サンプル

 
授業の進行・内容 授業の様子
■進行
 「唐津焼のできるまで」をビデオで紹介後、その詳しい内容をパワーポイント教材と唐津焼のサンプルを利用して説明。

■内容
 ビデオ教材では、土づくりから製品になるまでの唐津焼の製造工程を紹介。
 やきものの種類として唐津焼以外にも数多くあり、その性質・特徴を、実物を見せながら紹介。パワーポイント教材では、唐津焼の製造工程を細かく映像と写真で紹介するとともに、映像で紹介した。

北波多小学校 教室風景
北波多小学校 教室風景

北波多小学校 教室風景
北波多小学校 教室風景


実施単位 テーマ
2時限目 窯元見学「唐津焼のできるまで」を見る

実施場所 三帰庵 工場内 実施時間 1時間40分
講師 岸岳窯三帰庵 
富永祐司
使用教材 -

授業の進行・内容 授業の様子
■進行
 学校より歩いて20分のところにある唐津焼窯元を訪ね、窯場の作業風景、窯道具などを見学。

■内容
 窯場での作業工程順に、乾いた土を細かくするスタンパーや釉薬の配合、成形、焼成の順に紹介。実際の窯道具などに触れて、伝統工芸の作業の楽しさ、難しさなど体感する。

唐津焼の工場見学風景
唐津焼の工場見学風景

唐津焼の工場見学風景
唐津焼の工場見学風景


実施単位 テーマ
3時限目 窯元見学「唐津焼のできるまで」を見る

実施場所 しん窯 工場内
実施時間 1時間
講師 有限会社しん窯
橋口博之
使用教材 -

授業の進行・内容 授業の様子
■進行
 工場内の各工程説明を行い。最後に質疑応答を行った。

■内容
 有田焼のできるまでの工程を見学しながら説明を受ける。

  • デザイン(形状や絵柄について)
  • 成形工程(手ろくろ、機械ろくろ、鋳込み、ローラーマシン等)
  • 絵付工程(線描き、ダミ)
  • 施釉工程
  • 施釉工程(電気窯、ガス窯、のぼり窯)
  • 製品(検品・流通)
少人数で製作する唐津焼と異なり、分業化され、一つの製品が出来るまで複数の工程があり、複数の職人が関る有田焼の製造工程を見ることにより、学習している唐津焼との比較をする。

有田焼の工場見学風景
有田焼の工場見学風景

有田焼の工場見学風景
有田焼の工場見学風景


実施単位 テーマ
4時限目 やきものの未来技術

実施場所 佐賀県窯業技術センター 実施時間 2時間10分
講師 佐賀県窯業技術センター 
勝木宏昭
使用教材 Microsoft(R)PowerPoint(R) ドキュメント 「焼き物の未来技術」
サンプル

授業の進行・内容 授業の様子
■進行
 パワーポイント教材とセラミックスのサンプルを利用して授業を実施。

■内容
 「セラミックスてなんだろう?」をテーマに私たちの生活を便利に、豊かに、楽しく、安全にしてくれるセラミックスを、身近な携帯電話、自動車、ゲームから力を電気に変えたり、空の電波を捕まえたり、熱を電気に変えたりする、優れたものまで写真と実物を見せながら説明。

北波多小学校 授業風景
北波多小学校 授業風景

北波多小学校 授業風景
北波多小学校 授業風景



■(交流発表会)
実施単位 テーマ
発表会 調べた内容の交流発表会

実施場所 有田中部小学校 教室
北波多小学校 教室
実施時間 2時間
講師 -
使用教材 テレビ会議システム

授業の進行・内容 授業の様子
■進行
 児童が主体となり発表会を進行し、各学校3テーマを交互に発表し合い、最後に講師の先生による総評を行った。

■内容
 有田中部小学校と北波多小学校をインターネット回線とテレビ会議システムを利用して発表会を行った。発表会の資料は、有田中部小学校は「有田焼について」、北波多小学校は「唐津焼について」それぞれ数グループにテーマを分けて調べた内容をパワーポイントで作成して3グループづつパソコンを使って発表を行った。各テーマ発表後に児童たちによる質疑応答を行い、お互いの発表内容について比較した。

有田中部小学校 教室風景
有田中部小学校 教室風景

北波多小学校 教室風景
北波多小学校 教室風景


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授業の成果
 1.有田中部小学校
有田焼は完全分業制が確立しており、自分の家が窯業関係の仕事であっても有田焼ができるまでの全工程を知っている児童はそう多くはない。今回の見学や調べ学習を通して有田焼ができるまでを知ることができたということは児童にとっても、郷土有田を知る意味も含めとても有意義なことであったと思われる。
@しん窯の見学により有田焼の工程を知り、A講師の講話で疑問点を解決したりこれからの調べ学習のテーマを明確にしたりすることができ、Bテーマグループごとに田島商店や窯業技術センターや九州陶磁文化館など目的を持って見学できた。それは結果的に、子どもたちの思考や研究の発展・展開に沿って見学や講師の講話が設定できたということであると思われる。
また、講師が本校の卒業生であったことで有田中部小学校の昔の話が導入に使われ、子どもたちもさらに興味深く聴講できたと思われる。
当初は、有田焼ができるまでの工程を知り、そこから発展して新しい有田焼ともいえるファインセラミクスを知るところまでの学習と設定していたが、李参平に始まり長い間鍋島藩の藩窯として発展した有田焼であるため、培われた様々な技法や文様、様式などに興味を持つグループが形成され、結果設定した以上の専門的な内容の調べ学習をすることができた。
発表する相手を北波多小学校という同じ佐賀県の小学校でも有田焼を全く知らない学校に設定したため、「有田焼の良さを伝える。」「分かり易く伝える。」という目的意識のもてた発表になった。また、相手校の唐津焼についての発表も逆の立場で興味深く熱心に聞くことができた。

2.北波多小学校
産業界の方に授業に参加していただくということは、学校の通常の授業と違い大変新鮮で臨場感あふれるものになると言うことを実感した。教師だけでは到底準備できなかったり気づけなかったりする部分まで配慮いただいて教材の準備、見学の手伝いなどをいただき子ども達の興味を引き出し、考える活動へつなげるには、大変効果的だった。
講話は、ビデオやパワーポイント、実物の多用によって、具体的で大変分かりやすい説明となった。子ども達は,視覚や聴覚、触覚などのいろいろな感覚で教材を受容し自分の得意な感覚を使って学習に取り組むことができた。
パワーポイントによる教材は、その後も自由に児童が閲覧できるようになっていて調べ学習でも活躍していた。
今回の学習で、一番のポイントは、子ども達が自分と向き合い自分がどんなテーマに向かって調べ学習をしていくか決定していく場面であったと思う。その後の活動を大きく左右する部分である。そのために、産業界の方による講話、見学などの手順をふみ、子ども達の興味関心を増し、期待感を持たせることにした。
また,調べ学習では、村内の窯元さんたちによく協力していただき子ども達の調べ学習に色々な示唆をいただいたことは,感謝申し上げたい。
まとめ学習では、ほとんど使えなかったデジカメの使い方やパワーポイントの利用法など基本の学習から取り組んだ。自分達が作った画面が大きく映し出されることに喜びもっとよい画面にすることに興味をもって取り組んだ。
最終目標として、他校とのテレビ会議があったことも分かりやすくてよかったと思う。
この学習を通して、子ども達は、唐津焼の歴史や窯元、作り方など様々なことについてしり、それに携わる方々の思いに触れ改めて郷土に伝わる伝統に誇りを感じたようだ。自分達が暮らす北波多という土地で昔から守られ伝えられてきた唐津焼きを通して、北波多のよさに気づいてくれたことが何よりも嬉しかった。

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実施環境
実施場所 北波多小学校 4年生教室およびパソコン教室
有田中部小学校 音楽教室及びパソコン教室
佐賀県窯業技術センター
有限会社しん窯(有田焼窯元)
株式会社田島商店(陶土工場)
岸岳窯三帰庵(唐津焼窯元)
使用した機器 ノートPC、プロジェクター、ビデオデッキ、スクリーン、デジタルカメラ、
テレビ会議システム、ネットワーク関連機器
その他 インターネット回線

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使用教材
教材タイトル 「有田焼のできるまで」
教材仕様 VHSビデオテープ(8分50秒)
教材概要 有田焼のできるまでを製作工程別に説明するビデオ

教材タイトル 「唐津焼のできるまで」
教材仕様 VHSビデオテープ(7分30秒)
教材概要 唐津焼のできるまでを製作工程別に説明するビデオ

教材タイトル 「有田焼のできるまで」
教材仕様 Microsoft(R) PowerPoint(R) ファイルドキュメント
教材概要 有田焼のできるまでの製作工程を動画・静止画で紹介

教材タイトル 「唐津焼のできるまで」
教材仕様 Microsoft(R) PowerPoint(R) ファイルドキュメント
教材概要 唐津焼のできるまでの製作工程を動画・静止画で紹介

教材タイトル 「セラミックスてなんだろう?」
教材仕様 Microsoft(R) PowerPoint(R) ファイルドキュメント
教材概要 食器や美術用の焼き物と違い、情報を伝える、熱を伝える、宇宙で使えるセラミックスなど用途別に分かりやすく解説した、最先端技術を紹介する。

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授業協力メンバー
所 属 氏 名 授業での説明
有限会社しん窯 梶原茂弘
講師
岸岳窯三帰庵 富永祐司
講師
佐賀県窯業技術センター 勝木宏昭
講師
株式会社田島商店 田島徳文
講師(工場見学)
有限会社しん窯 橋口博之
講師(工場見学)
有限会社しん窯 長友薫徳
講師(工場見学)
有限会社しん窯 角康則
講師(工場見学)
有限会社しん窯 栗山雅彦
講師(工場見学)
佐賀県立有田工業高等学校 中村隆敏
テレビ会議システム等アドバイザー
佐賀大学地域貢献推進室
テレビ会議システムの提供
唐津ケーブルテレビ
インターネット回線の提供
日本ファインセラミックス協会 ファインセラミックスサンプルの提供

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授業の感想
有田中部小学校 第1時限(有田焼工場見学)
■担任の先生
  • 成形から出荷、ディスプレイまで全工程が順を追って見学できることがよかった。有田焼は分業制のシステムが確立している店が多いので、この見学で子どもたちが焼き物のできるまでの工程を把握することができた。
  • 成形や染め付けの技法も数多く見せてもらうことができ(鋳込みや転写ローラーマシンなど)、日常見かける有田焼にも様々な手法でできたもののあることを知ることができた。
  • 見学時の説明が分かり易く、質問にも子どもが理解しやすい言葉に置き換えて解説してもらい、子どもたちの意欲関心が深まった。
  • 4年生全員(80名ほど)を工場に移送する手段が1台のバスのみであったため、グループごとに時間をずらしての見学であったので、工場側は煩雑だったのではないかと思われる。
■生 徒
  • ろくろで手作りしているものもあれば、いろんな機械を使って作るものもあることが分かった。
  • 角さんの説明が分かり易かった。
  • 一つの焼き物ができるまでにたくさんの人が働いていること(関わっていること)が分かった。

有田中部小学校 第2時限(教室での講話)
■担任の先生
  • 講師の先生は有田中部小学校卒業生で先輩ということもあり、母校の思い出や思いも語ってもらい、子どもたちも興味深く聞くことができた。
  • 前回の見学を、今回の講話で再認識でき、これからの調べ学習の指針を持つことができた子どもも多かった。
  • 有田焼の様式(古伊万里様式・柿右衛門様式・鍋島藩窯様式)や技法、海外での評価など、新たな疑問や課題を見出すことのできた子どもも多かった。
  • 実際にものを見せたりビデオやスライドなどを使って話をしてもらったので、具体的で分かり易かった。
  • 現在新校舎建築中ということで教室の制約があり、4年生全員がゆったりと講演を聴く場所がなかったことが残念だった。
■生 徒
  • 見学の時、余りよく分からなかったことが、ビデオを見て分かった。
  • いろんな様式があって、それは(それぞれ)どう違うのか調べてみたいと思った。
  • 有田焼の特徴(磁器であること・正確であること)が分かってよかった。

有田中部小学校 第3時限(陶土工場見学&未来技術講話)
■担任の先生 田島商店
  • 陶石にもいろいろな種類があり、それぞれで微妙に作品に変化のあることを知り、興味を持って後日手紙で質問をするグループもあった。
  • 石が粘土になる工程を知ることができ、3年の時に調べた水車の力で石を砕く唐臼が、現在機械の力で砕いていることと結びつけることができた。
窯業技術センター
  • ファインセラミクスに関しては全く何も予備知識がなかったので、子どもたちは驚くことばかりだった。
  • 専門的な難しいことは省いて、実際の製品を見せながら紹介してもらったので、広く浅く興味深く知ることができた。今回の説明をきっかけに、来年再来年と興味を持って深く調べようとする子どもがいれば何よりだと思う。
  • 磁器を使ったインテリアやエクステリアの方が身近で分かり易く、興味を持つ子が多かった。後日有田駅前の「二ノ宮閑山ギャラリー」(有田焼のアクセサリーの店)へ見学に行き、さらに深く調べるグループもあった。
■生 徒
  • 陶石は天草から来ていることが分かった。
  • スタンパーで石を砕いているところが大きな音ですごかった。
  • ろくろで手作りしているものもあれば、いろんな機械を使って作るものもあることが分かった。
  • 携帯電話やスペースシャトルにもファインセラミクスが使ってあってびっくりした。
  • 有田でもファインセラミクスを作っている工場があることが分かり、驚いた。

北波多小学校 第1時限(教室での講話)
■担任の先生
  • 唐津焼の発祥の地と言われながら、ほとんど意識せずにこれまで生活してきたこともあり、子ども達は,唐津焼についての知識をほとんどもっていなかった。
  • 実際に、専門家による説明を聞くことで,唐津焼に対する大まかな知識や興味をもたせることができた。
  • 授業の中で、ビデオやパワーポイント、実物などを計画的に使用されたことで、子ども達の興味関心を深めるとともに視覚的にも子ども達の理解を進めることができた。
  • この授業によって、子ども達の唐津焼に対する興味を呼びお越し、不思議や疑問を持たせるという目的は、かなり達成できた。しかし、幾分詳しすぎて児童の持った疑問点が高度になり過ぎていると言う懸念が残った。
■生 徒
  • 富永さんの話は、わかりやすくて、とても面白かった。
  • 唐津焼の作り方がよく分かった。
  • 北波多に唐津焼の古い窯が残っていることにびくっりした。
  • 焼き物がとてもきれいだった。

北波多小学校 第2時限(唐津焼工場見学)
■担任の先生
  • 富永さんの仕事場を見学することで、仕事の流れや実際にどのような場所で、どのように作られていくのか容易に理解できたようだ。
  • 登り窯やろくろ、陶土や釉薬作りなど実際に見ることで色々なことを学び心に感じることが多かった。
  • また、道具一つ一つを大切に扱う富永さんの様子から,焼きもの作りに対する富永さんの思いや苦労を感じる子も多かった。
  • 前回の講話では、得られなかったもの作りの実感をその場に行くことで得ることができたことは、大変よかったと思う。
■生 徒
  • 陶土は、さらさらしていて小麦粉みたいでとても気持ちよかった。自分達でも作ることができるかな。
  • ろくろでいろんな皿を作っているところを見た。土がまるで生きものみたいだった。
  • 登り窯で焼くところを見たい。

北波多小学校 第3時限(有田焼工場見学)
■担任の先生
  • 唐津焼を学習するにあたって、有田焼について見聞きできたことは、大変有意義だったと思う。
  • 唐津焼の製造工程や窯元さんの仕事のようすを学んだあとだけに、有田焼の製造工程や工場内の様子、働く人たちの様子の違いと類似点を実感をもってとらえることができた。一日に出来上がる製品の数の違いや携わる事の違いなど陶器と磁器の性質や使用目的の違いをおぼろげながらつかむ事ができたようである。
  • 有田焼と唐津焼の違いに気づくことによって、改めて唐津焼について考え直し、調べ学習の課題作りに生かすことができた。また、どちらの場合もものを作り上げる際に関わる人たちの真摯な態度や苦労について考えることができた。
■生 徒
  • 唐津焼は、一人で何でもするけど、有田焼は、たくさんの人が働いていました。
  • 焼き物を作る人、色を塗る人達がいました。すごかったです。
  • 薬の種類を聞いたら100種類以上だそうです。びっくりしました。
  • 一番すごかったのは、1mmのキズだけで、皿が不良品になることです。
  • 富永さんは、手作りだけど、有田は、機械が一杯だった。富永さんは、一人で作っていて、有田では,チームワークがある。

北波多小学校 第4時限(未来技術講話)
■担任の先生
  • 焼き物の中でも、児童が気づきにくいセラミックスについて、具体例を示しながら話していただいたことで、セラミックスが大変身近に感じた子が多かった。自然界に存在するセラミックスを加工して使っていた時代から人間が目的に合わせて開発していく時代に入ってきたことに驚きと興味をもって話を聞いていた。
  • 日々研究をされいてる方から話を聞き、説明を受けることで難しい話にも関心を持って聞くことができたと思う。
  • 実際に日頃使っているものの中に組み込まれているセラミックスやロケット、アイボなどやスライドの利用なども教育効果を高めた大きな要因となっていると思う。
  • 話の内容は、少々難しかったが、一生懸命聞いている姿が大変印象的だった。
■生 徒
  • 携帯電話やパソコンにも使われているなんて知りませんでした。
  • 算数の得意なセラミックスや音を記録するセラミックスなど本当にたくさんのセラミックスがあるんですね。
  • セラミックスを始めて作った人はすごいと思っていたけど、黒曜石もセラミックスの仲間って聞いてびっくりしました。
  • 宿題をしてくれるセラミックスがあるといいな。
  • はじめてみるものがたくさん見れてとても面白かった。

有田中部小学校&北波多小学校 交流発表会
■担任の先生 有田中部小学校
  • 調べたことをまとめることはもとより、パワーポイントによる資料の準備も子どもたちが積極的に取り組み、完成させることができた。
  • 有田焼を知らない子どもたちに有田焼について伝えるということが、子どもたちの意欲につながったようだ。
  • 同じ佐賀県の焼き物であるにもかかわらず、磁器と陶器、工場による分業と窯元による手仕事など、全く違う環境で作られる焼き物であるため、お互いの発表を興味深く聞き、互いに疑問点を熱心に質疑できた。
  • 実際に北波多小学校の子どもたちを目の前にして発表すれば緊張して硬くなったと思われるが、ネットミーティングで相手がスクリーン上の映像であったため、幾分リラックスして発表できたように思われる。
北波多小学校
  • テレビ会議システムの利用や相手校との調整など学校だけでは、無理な部分も、産業界の方のマネージメントでスムーズに進めることができた。
  • 発表は、パソコンの画面を使って他校の子ども達との交流と言うことで大変緊張していたが,反面楽しく意欲を持って活動することができたように思う。遠隔地の学校でがんばっている子ども達の発表に興味津々で聞き入る様子や、自分達の発表に自信を持って堂々とがんばる姿は、大変すばらしかった。このような機会がもっともっと多くもてるとよいと思う。
  • 今回の発表会は、時間が長く後半少し疲れ気味の子もいたので、時間配分には、配慮が必要だったと思う。しかし、発表内容は、4年生としては、大変よく調べられておりどちらの学校の発表も大変充実したものとなった。
■生 徒
  • 北波多小学校の4年生は、唐津焼についてよく調べているなあと思った。
  • (事前に調べていたことだったので)北波多小の質問に答えられてよかった。
  • うまく(発表)できるか(と思い、不安で)とても緊張した。
  • 唐津焼と有田焼の違いが(発表を比較することで)よく分かった。
  • どきどきしたけど、楽しかったし、勉強になった。今までやったことがなかったので良かった。
    ( )内は担任が補

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