7.授業実践記録


(1)岡山大学教育学部附属小学校 第4学年理科「たねたんけん隊」

学習目標

主な学習活動と児童の反応

 ”草花のたね たんけん隊”コンテンツの中で,「おしえてぇなあ。」という内山さんの呼びかけが印象に残った様子。児童たちは野外の授業に大喜びで飛び出していった。事前に用意していた手作り図鑑を手がかりに,図鑑にあるもの,ないもの,次々に種を見つけていった。

  ”草花のたね たんけん隊”コンテンツの紹介。”岡山の自然を学ぶ会”の活動やメッセージを動画コンテンツにしたものや自然写真家である内山さんからの「たねを見つけたらおしえてぇなあ。」というメッセージを視聴した。※コンテンツを操作するインストラクショナル・デザイナー
  ”たんけん隊”となって,校庭に出て種を探す児童たち。採集した種はビニール袋に入れて持ち帰る。
  ”植物の種図鑑”(インストラクショナル・デザイナー作成)と照らし合わせながら,次々と種を採集していく。図鑑には,鮮やかな写真と名称,簡単な説明書きがあり,児童にも分かりやすい道標として役立っていた。
  一番人気は”ひっつきむし”。
”実にとげがいっぱいです。オオオナモミというのが正しい名前です。”【植物の種図鑑より】

(2)岡山大学教育学部附属小学校 第4学年理科「たねの観察」

学習目標

主な学習活動と児童の反応

 今まで見たことのなかった,拡大された種の形や色を熱心に観察し,一生懸命スケッチしていた。双眼実体顕微鏡で,種を置く位置を変えたり種をほぐしたり,工夫も見られた。

  採集した種を図鑑と照らし合わせて名称等を確認し,双眼実体顕微鏡で一人ずつ観察する。
  「すご〜い,未知の世界」「赤というか微妙な色」「セイタカアワダチソウ,ボクんちに100個以上あるよ」それぞれの発見や感想を口にしながら,熱心に観察していた。
  ワークシートに,双眼実体顕微鏡で観察した種の図をスケッチする。(実物の20倍)
  スケッチした図に色を付けたり,わかったことを記入してワークシートを完成させる。

(3)岡山大学教育学部附属小学校 第4学年理科「”かめぞうくん”でビデオ撮影」

学習目標

主な学習活動と児童の反応

 初めての”かめぞうくん”だが,インストラクショナル・デザイナーが操作説明する段階で興味深い様子を示していた。ペン操作に少しコツが要るものの,簡単なインターフェースを実現しているため,操作にはすぐに慣れた。
 内山さんへのメッセージを考えてリハーサルを行って撮影したビデオを、すぐに再生して確認,改善点を話し合って、再度撮影を繰り返していた。簡単に撮影・再生ができるところは,児童にとって大変便利な様子だった。

  インストラクショナル・デザイナーによる”かめぞうくん”の操作説明。見慣れない”かめぞうくん”に,興味をかきたてられている様子の児童たち。
  マウスでもなくタッチパネルでもなく,ペンで操作。初めて対面する”かめぞうくん”の画面に,顔を付き合わせて操作してみる。
  内山さんへのメッセージ原稿(種を観察して分かったこと等)を書いて,まずはリハーサル。
  入れ替わり立ち替わり,一人ずつメッセージを伝える児童たち。植物を持ったり,記入したワークシートを持ったり,それぞれ伝え方を工夫していた。
  撮影したらすぐに再生してチェック。撮影開始・撮影終了・再生・削除,いずれもワンタッチで操作可能。簡単に操作に慣れ,相談しては撮影・再生を繰り返していた。

(4)岡山大学教育学部附属小学校 第4学年総合「”むーびぃぼーど(掲示板)”に入力」

学習目標

主な学習活動と児童の反応

 まだローマ字を習っていないことや,ID,パスワードといった概念を含むログインは少し難しそうだった。文字入力に時間がかかる児童も見受けられた。ファイル(ビデオ・写真)転送は,文字入力よりやや特殊な操作になるため,つまずき気味の児童も多数いたが,インストラクショナル・デザイナーがその都度指導した。
 送信できた時はどの児童も嬉しそうな反応だった。自分たちの送ったファイル(ビデオ等)を”むーびぃぼーど”上で再生したり,他の班のビデオや写真,文章を自由に視聴したりしていた。そこから新たな発見をしたり,コンピュータの画面で見る友だちの様子を楽しがったりしていた。

  インストラクショナル・デザイナーによる”むーびぃぼーど”の操作説明。起動・ログインの仕方(ID・パスワードの説明),文字入力,ファイル(ビデオ・写真)の送信方法等。「入力した言葉は消せないものと思って内容を確認してから送りましょう。」
  ログインは少し難しい様子。まだローマ字を習っていないこともあり苦心しながらも,ログインの方法等を記載したワークシートを見ながら入力していた。
  入力する内容をまずワークシートに下書き。”むーびぃぼーど”の画面と同じ内容になっており,題や内容,どのファイル(ビデオや写真)を送るか等,あらかじめ書き込んでおけば,後はコンピュータ入力に集中できる。
  文字入力,ファイル(ビデオ・写真)送信等,盛りだくさんで,最初はつまづき気味。その都度,インストラクショナル・デザイナーが指導。
  送信できたら文字及びファイル(ビデオ・写真)を確認。うまくできた後は喜びもひとしお。※ビデオは,種を観察して”かめぞうくん”でメッセージを撮影したもの,写真は,種を観察したワークシート。

(5)総社市立総社東小学校 第4学年理科「たねたんけん隊」

学習目標

主な学習活動と児童の反応

  ”草花のたね たんけん隊”コンテンツの中で,「おしえてえなあ。」という内山さんの呼びかけが印象に残った様子。児童たちは野外の授業に大喜びで飛び出していった。事前に用意していた手作り図鑑を手がかりに,図鑑にあるもの,ないもの,次々に種を見つけていった。

  ”草花のたね たんけん隊”コンテンツをみんなで視聴。自然写真家である内山さんの「種のたんけん隊員をぼしゅうしとるでえ」「おじさんにおしえてぇなあ。」という呼びかけに,「もう1回見たい!」「内山さんは来とん?」と,コンテンツの中の世界にどんどん引き込まれていった。
  すっかり気分は”たんけん隊員”の児童たち。あらかじめ学校周辺で撮影した草花と種の図鑑(インストラクショナル・デザイナー作成)と,種を採集するためのビニール袋を配布。
  学校からほど近い土手で種たんけん。先生も図鑑片手に児童と一緒になって種を探したり観察したり。
  「メマツヨイグサ・・・これ食べたら酔うんかな。」「種,ちっちゃいね。」日頃は気にとめていなかったことも,あらためて観察してみるといろいろな発見があった様子。
  カタバミの実。「うわっ,はじけた!」触ると,ぴょんぴょんはじけて飛んでいくことを体験。”実は上を向いてとんがっています。ホウセンカのように実がはじけて種がとんでいきます。”【図鑑より】

(6)総社市立総社東小学校 第4学年理科「たねの観察」

学習目標

主な学習活動と児童の反応

 今まで見たことのなかった,拡大された種の形や色を熱心に観察し,一生懸命スケッチしていた。双眼実体顕微鏡を使用する授業は珍しく,レンズの中の不思議な世界に引き込まれているようだった。

  採集した草花の種から一つを選んで詳しく観察していく。
  小さな種をよく見える位置に調節して,双眼実体顕微鏡で観察し,スケッチする。
  双眼実体顕微鏡は各班に1台。どの児童も早く見たくて待ちきれない様子。
  双眼実体顕微鏡で見る種は,実物の20倍の大きさ。ふだんは見ることのない拡大された種のイラストを一生懸命描く児童。同時に気が付いたこともワークシートに書き込む。

(7)総社市立総社東小学校 第4学年理科「”かめぞうくん”でビデオ撮影」

学習目標

主な学習活動と児童の反応

 初めての”かめぞうくん”だが,インストラクショナル・デザイナーが操作説明する段階で興味深い様子を示していた。ペン操作に少しコツが要るものの,簡単なインターフェースを実現しているため,操作にはすぐに慣れた。
 内山さんへのメッセージを考えてリハーサルを行い撮影したビデオを,すぐに再生して確認し改善点を話し合って,再度撮影を繰り返していた。簡単に撮影・再生ができるところは,児童にとって大変便利な様子だった。
 各班の撮影したビデオをみんなで視聴して,感想を発表。児童の視点で率直に意見が出された。”かめぞうくん”で撮影することでプレゼンテーション能力が養われ,それを皆で鑑賞して感想を言い合うことで,さらに効果が高まった。

  ”かめぞうくん”の操作説明をするインストラクショナル・デザイナーと先生。メッセージを読みながら”かめぞうくん”で撮影する様子を同時にスクリーンに映して説明。直後に再生もおこない,撮ることも再生することも簡単なことを示した。
  撮影の前に,内山さんに伝えること(種を観察してわかったこと等)を班ごとに相談。
  最初は操作に戸惑うも,インストラクショナル・デザイナーの指導のもと,マイクを持って画面をのぞいてみる。ワークシートを持ってカメラに向かい,撮影。
  ビデオを撮ったり終了する操作はワンタッチでできるため,慣れるのも早い。撮ったビデオはすぐに再生し,表情や話し方等,改善点を話し合って何度でも撮影にトライ。(削除も自由)
  撮影したビデオを,1班ずつみんなで視聴。それぞれのビデオの内容に対し,気が付いたことを発表した。「目線が違っている。」「マイクは喋る人の方に向けて。」「笑顔で話した方がいい。」「声が小さい。」「前を向いて。」「早口だった。」等,率直な意見が出された。

(8)総社市立総社東小学校 第4学年総合「”むーびぃぼーど(掲示板)”に入力」

学習目標

主な学習活動と児童の反応

 まだローマ字を習っていないことや,ID,パスワードといった概念を含むログインは少し難しそうだった。文字入力に時間がかかる児童も見受けられた。ファイル(ビデオ・写真)転送は,文字入力よりやや特殊な操作になるため,つまずき気味の児童も多数いたが,インストラクショナル・デザイナーがその都度指導した。
 送信できた時はどの児童も嬉しそうな反応だった。自分たちの送ったファイル(ビデオ等)を再生したり,他の班のビデオや写真,文章を自由に視聴したりしていた。そこから新たな発見をしたり,コンピュータの画面で見る友だちの様子を楽しがったりしていた。
最後に,スクリーンに”むーびぃぼーど”を映して,みんなで視聴。文字やビデオによって相互にメッセージを伝え合えることを実感していた。

  まず電子掲示板についての説明。伝え合うことで2倍にも3倍にも広がる掲示板。メリットがたくさんある反面,気を付けるべきこともたくさんあることを解説。人の迷惑になることは書かない,大切な個人情報を書いてはいけない等,知っておくべきルールが挙げられた。
  ”むーびぃぼーど”の操作説明をするインストラクショナル・デザイナー。要所で短時間に効果的に説明する。
  ログイン操作は少し難しい。IDその他,入力方法が記載されたワークシートを見ながらゆっくり操作。インストラクショナル・デザイナー手作りのローマ字対応表も,ローマ字をまだ習っていない児童たちに役立っていた。
  ワークシートに入力する内容(内山さんと岡山大学教育学部附属小学校へのメッセージ)を下書きし,相談しながら,入力していく。
  ファイル(ビデオ・写真)を送信する操作は,1度目はかなり難しい様子。先生に確認してもらいながら実行。各班のおたよりが次々に”むーびぃぼーど”上にアップされていった。
  ”むーびぃぼーど”をみんなで視聴。各班ともそれぞれに考えてメッセージを入力し,ファイルを送信していた。”風がふくとダンスをしているようでたのしかったです。”という一文が良い表現として紹介された。文章やビデオで楽しくメッセージを伝えることができることを実感。

■”むーびぃぼーど”に入力した内容の例。(名前その他一部データは削除)
鳥のイラスト画像をクリックすると”かめぞうくん”で撮影したビデオを再生,写真画像をクリックすると,種を観察して作成したワークシートが拡大表示される。

(9)岡山大学教育学部附属小学校 第4学年理科「”むーびぃぼーど”でお返事」

学習目標

主な学習活動と児童の反応

 2度目の”むーびぃぼーど”の授業。加速するネット社会を鑑み,あらためて電子掲示板についての説明があった。
 前回は自分からメッセージを送信したのに対し,今回は自分に届いた返事をまず視聴し,内山さんと総社東小学校それぞれに返事を送る。自分宛のメッセージは大変嬉しい様子で,内山さんからの返事や総社東小のビデオを楽しそうに視聴していた。ビデオによるメッセージは顔も声もダイレクトに伝わり,インパクトが強い。作成した返事も,1度目の時より相手に対する親近感や内容の具体性が増していた。

  自宅でインターネットを活用している児童も随分おり,あらためて電子掲示板とは何か,守るべきルール(書く内容に気をつけよう!等)について説明。「パスワードはカギ。大事なものだから他の人に言ってはいけません。」
  ”むーびぃぼーど”に書き込まれた,内山さんや総社東小学校からの返事を見る児童。自分宛に届いた返事は大変嬉しい様子で,文字やビデオでメッセージを受け取っていた。
  ”むーびぃぼーど”によって,他の学校の友だちともつながっていることを実感。動画によって顔も見え声も聞けて,分かりやすい。文字だけよりもインパクトが強い。
  内山さんと総社東小学校へ返事を送信。”かめぞうくん”で撮影したビデオや種を観察したワークシートの写真を添付して,メッセージを送った。種を観察して分かったことを伝える,分からなかったことを尋ねてみる,相互の交流が実現した。
  授業の最後に内山さんのコンテンツを視聴。返事をくれた内山さんに,当初より親近感が深まった様子。

■”むーびぃぼーど”に入力した内容の例。(名前その他一部データは削除)

(10)総社市立総社東小学校 第4学年総合「デジカメで先生を撮影」

学習目標

主な学習活動と児童の反応

 先生の写真をまず自由に撮影。デジカメについては,家庭等で使用している児童も多数いるようで,特に問題なく使用できていた。その後,撮影した写真について各班で相談。その先生についてのテーマと,どんな先生であるかを話し合い,スピーチをおこなった。視聴していた他の児童は審査員となって,感想を述べた。

  ”○○○な先生”と題して,班ごとに先生の写真を撮影する。事前に,どの先生の写真を撮るか,みんなで相談。
  休み時間を利用して,先生のもとへ。デジカメは家庭で使っている児童も多いらしく,1人ずつ交替して次々と撮影した。
  撮影した複数枚の写真を確認し,中から1枚だけ選んで印刷。
  撮影した先生についてのスピーチをおこなう前に,相談して原稿を書いたり,リハーサルをする児童たち。
  各班の代表によるスピーチ。(スクリーンには撮影した写真)みんなが審査員になって,気付いたことを発表した。

(11)総社市立総社東小学校 第4学年総合「写し方が変われば伝わり方も変わる」

学習目標

主な学習活動と児童の反応

 「伝えたいことがはっきりあるのは一番大切なことです。」と,表情やポーズや場面の異なる3枚の写真を例に,違う角度から写すことを”アングルを変える”,写真枠の切り取り方を変えて写すことを”フレームを変える”ということ等,撮影の基礎知識を学んだ。この後,より伝わる写真になるよう,もう一度同じ先生を撮影した。
 再度スピーチをおこないながら写真を披露。どの班も,1度目よりテーマをはっきりさせ,撮影した写真に変化が表れていた。
「TVを見ながら,どういう目的で撮っているか,考えてみましょう。」と,担任の先生からのアドバイス。

  「伝えたいことがはっきりあるのは一番大切なことです。」事前に用意した3枚の写真を例に,”アングルを変える”,”フレームを変える”等,撮影の基礎知識を学んだ。この後,テーマをよりはっきり決めて同じ先生を再度撮影することに。
  新たに撮影した写真を背景に再度スピーチ。各班とも1度目より具体的な動作や表情が写真から見て取れ,工夫が見られた。
  「みんなすごいね,感心しました。伝えたいことと写真が随分近づきました。」”写し方が変われば,○○○も変わる”の○○○の部分には,けしき,伝え方,伝わり方,表情,気持ち等たくさんの答えが入った。
  最近印象に残っているものとして,「点字ブロックのコマーシャルを見ていて障害を持った人の気持ちがよくわかりました。」というお話があった。「みんなもTVを見ながら,どういう目的で撮っているか,考えてみましょう。」

 


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