5.システムを活用した授業実践 |
5.2 第1分科会(地域との交流を育む、老人に優しい町バリアフリーマップ)
1.企画のねらい
第1分科会のねらいは以下の4点に集約される。
(1)自分たちの地域が高齢者にとって暮らしやすい町かどうか、課題を持った追求。
(2)高齢者との交流を通して、共に生きていくことの大切さへの気づき。
(3)身近な社会へ主体的に働きかけ,自分にできることを実践しようとする態度育成。
(4)情報機器を効果的に活用し、必要な資料を作成するとともに資料を読み取考察力。
2.実践の概要
高齢化社会という言葉をよく耳にする。全国の高齢化率は17.3%(平成12年調査)で平成22年には22.5%(平成12年調査)になると予想されている。特に兵庫県では16.4%(平成12年調査)と全国平均を下回っているが、中山間地域の高齢化率は30%を超える地域が存在するなど高齢化問題が深刻化している。このような状況の中、バリアフリーやユニバーサルデザインなど高齢者にやさしい環境づくりが様々な地域で進められている。
一方、小学校での“高齢化社会”というキーワードに関連する授業としては、総合学習の時間に高齢者を学校に招いて経験談をお話いただいたり、老人ホームを訪問し意見交換をしたりするなど、様々な交流プログラムが実施されている。高齢者と交流することによって、子どもたちは高齢者との間におけるものの見方の共通点や相違点を体験し、広い視野を獲得していくとともに、共に生きることの大切さに気づく。高齢者との交流授業は、子どもたちの社交性の成長に大きく貢献するといえるだろう。
以上のような背景に基づき、第1分科会のテーマを「地域、家庭、学校の連携による地域学習−お年寄りにやさしいまちづくりを考える−」とし、さらに、子ども達とお年寄りの視点の差異を読み取るのに必要な資料を作成すべく、GPS携帯カメラとGISマップを活用した。そして、各地区でお年寄りにやさしいまちづくりの実態や課題を把握するともに、自分たちが出来ることを考察し、実践できる態度を養うことを目的とした。
授業カリキュラムと実施イメージ写真(進修小学校)
時 | 日時 | 活動内容 |
1 | 1/13 | 高齢者問題について考える。 ・クラスの実態(同居・別居)を調べる。 ・高齢化社会の現実を知る。 |
2 | 1/14 | 「お年寄りにやさしい街」について話し合う。 ・私たちのまちは「お年寄りに優しいまち」かどうか話し合う。 ・お年寄りに優しいまちはどんなまちか話し合う。 |
3 | 1/14 | イメージマップ作成する |
4〜5 | 1/17 | 校区に出かけて調査活動をする。 ・GPS携帯電話使用上の注意をする。 ・優しい・優しくない場所を調査する。 |
6 | 1/18 | web上に情報を書き込む ・撮ってきた写真データをweb上で確認し、必要な情報を書き込む。 |
7 | 1/18 | インタビューについて ・内容を考える。 ・インタビューで気をつけないといけないことを考える。 |
8〜9 | 1/19 | 校区に出かけインタビューをする。 ・インタビューの練習をする。 ・調査活動をする。 |
10〜11 | 1/20 | GPS携帯電話で撮影しweb上に情報を書き込む ・お年寄りから聞いたポイントを撮影に行く ・撮ってきた写真データをweb上で確認し、 必要な情報を書き込む。 |
12〜13 | 1/21 | 調査したことをまとめ、発表会をする。 ・発見したことなど、自分の考えをまとめる。 ・自分の考えと比べながら聞く。 |
14〜15 | 1/25 | 自分たちにできることを考える。 ・まとめ |
「お年寄りにやさしい街」についての話し合い。 | |
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「地域のお年寄りに“やさしい場所とやさしくない場所”をインタビュー」 | |
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「お年寄りに聞いた場所を携帯電話で撮影」 | |
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「調査結果発表」 | |
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