地域活動に関する実践研究の総括


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4.6 三重県: 教育ネットワークin伊賀・2000
          ネットで発信!子供が主役「いがうえの」文化
          〜新しい「うえのの教育」を考えるつどい〜

    • 日時:
    平成12年11月25日(土)12:15〜17:25
    • 会場:

    前田教育会館(蕉門ホール)
    (三重県上野市大谷670番地)
    • 主催:

    教育ネットワークin 伊賀・2000 実行委員会
    伊賀ケーブルネット普及推進研究会
    • 共催:

    上野市教育委員会
    財団法人コンピュータ教育開発センター
    • 協賛:






    伊賀上野ケーブルテレビ株式会社
    伊賀ケーブルネット普及推進研究会
    株式会社内田洋行
    教育産業株式会社
    キヤノン販売株式会社
    トーメンサイバービジネス株式会社
    セコムラインズ株式会社
    • 対象:
    伊賀地方の教職員、またその関係者

「教育ネットワークin 伊賀・2000」開催報告書

教育ネットワークin伊賀・2000実行委員会
伊賀ケーブルネット普及推進研究会

1.はじめに

       三重県上野地区における学校へのケーブルネットワーク接続と機器整備の機会に、地域に立脚した視点から、そのインフラメリットを生かしたインターネット利用の教育促進、それを基にした教育現場・地域・行政の三位一体となった教育ネットワーク(交流の輪)を作るきっかけとして、平成12年11月25日(土)三重県上野市前田教育会館(蕉門ホール)において「教育ネットワークin伊賀・2000」を開催した。

       本報告書では、開催にあたりその背景・経緯、組織やイベント開催運営の手順を追い、今回開催運営によって得られたノウハウや留意点などについて報告する。

2.組織について

       伊賀ケーブルネット普及推進研究会Laboratory for Iga Cable Telecommunication(LICAT)を母体として「伊賀ケーブルネット普及推進研究会教育ネットワークin伊賀・2000実行委員会」を組織し運営にあたった。

      2.1 伊賀ケーブルネット普及推進研究会の趣旨・目的

         高速インターネット接続サービスや低料金電話サービスなど次世代のネットワークとして、ケーブルテレビインターネット(ケーブルネット)は大いに期待され始め、ケーブルネットは、いわば広域のLANでもあるという特性があり、伊賀地域のコミュニケーション手段を一変させる可能性をもつ。

         といっても、ケーブル網そのものだけで地域が変わるわけではなく、この高性能情報基盤の活用手段の蓄積と普及が重要である。そのためにはネットワーク普及活動を通して人と人とのコミュニケーションの場を広げ、地域の人材を支援育成することが必須と考える。この考えに賛同する方を募り、人のネットワーク作りを実践する団体として設立した。

      2.2 伊賀ケーブルネット普及推進研究会 教育ネットワークin伊賀・2000実行委員会の趣旨・目的

         上記組織を母体として、会を開催するにあたり、伊賀ケーブルネット普及推進研究会教育ネットワークin伊賀・2000実行委員会を組織する。本会は、伊賀上野地区における学校のケーブルネット接続という恵まれたインフラのメリットを生かし、教育環境・市民・国内外交流の輪を広げ、明日の次世代を担う生徒児童やそれを支える教師、行政そして地元市民の深い理解を得るために実践発表と情報交換の場を提供することを目的とする会の開催を運営する。

      2.3 開催の組織と運営

         上記運営委員会は伊賀ケーブルネット普及推進研究会の会員のうち、教育関係者によって構成され、委員会には委員長、副委員長、会計監事、会計監査の各1名の役員を置き実務は委員会の決定事項に従い伊賀ケーブルネット普及推進研究会事務局に委任する。

      2.4 開催計画の立案

         上記立案については基本案を前掲事務局で立案し委員会役員の合議・追認によって推進した。

      2.5 企画・準備段階での留意点

         教育関係の会の開催ゆえにその主催者構成に教育関係者が構成に加わることが必須であったが、開催趣旨と従来よりの母体組織(LICAT)活動が本大会の主旨に賛同しやすい活動目的にあったために、実行委員会組織と役員の決定はスムーズに遂行できた。

         また、企画立案についても、LICAT設立当初より開催主旨・目的を含んだイベント実施の意向があり、今回の企画とタイミングが一致した。

         上記のように、地元での企画開催の強い意向があったことが、企画・準備における遂行に大きく起因しているといえる。

3.大会について

      3.1 プログラムの組み方

         上野市あるいは同周辺伊賀地区の学校では本格的なインフラが整備され、多くがこれから活用を始める環境である点を考慮して、インターネットの教育利用の可能性をアピールする内容とした。細かくは、下記のような構成とした。

        • 基調講演(国際交流を中心、海外とのTV会議による実演を含む)
        • 他地域先進事例(国際交流と地域教育イントラ、地域交流データベース)
        • 地元の伊賀上野地区先進事例(国内外交流とデータベース利用の地域内交流)
        • パネルディスカッション(これからの活用に当たって)

         今回は他地域等であまた開催されているこの種のイベントの構成と表面上は同じようなプログラムであるが、それぞれの発表の主旨を性格付けて全体を構成した。

         すなわち、上記のように、a)最先端の技術的環境でのリアルタイム海外交流という「夢の実現」のステージ、b)具体的な先進地域事例での「今後の方向性」のステージ、c)地元での実践例を紹介することによる「実践着手への障壁意識の低減」ステージ、d)パネルディスカッションによる先進他地域の「広汎なサポート協力」と小学校・中学校を代表した先生による今後の実践活動の「ビジョンと方向性の表明」ステージという機能付けと段階を考慮した。

         具体的なタイムスケジュールの決定において、約半日の設定としたので一見プログラムの内容を盛り込み過ぎの傾向があるようにもとらえられるが、今後地域の活動を起動して活性化していくと言う命題を最優先させて一連の実践ステージの進化モデルを提示し、また先進他地域の支援も得られることを明確化させる意義を重視した。

        【留意点】

4.情報交換会について

       今回の大会は同地域で開催されるこの種類の性格の大会としては初めての試みであり、その位置付けから本番終了後の情報交換会も活動全体からみれば非常に重要な催しものとなった。今回は、大会会場から場を移して市内ホテルで軽食を囲み、講師の先生方、事務局関係者、参加者の内の希望者、という構成で40名程度の参加であった。

       講師や大会関係者の情報交換と慰労を表向きとしたが、実際は講師の大会のコメントや参加者の感想・コメント等を進行に盛り込み、まだ大会の熱気が覚めやらぬうちに振り返りができたのは良かった。同時に今後の活動の決意や方向性の表明もでき次に繋がる、あるいは継続発展できる雰囲気を大会関係者に与えたことは有意義であった。

       また、会場では進行上深く出来なかった講師への質問や参加者の相互紹介など人とのリンク作り(人脈作り)の場として今後の活動に生かせる場の提供ができた。

      【留意点】

5.大会開催時、開催後における課題点とその解決策

       本大会の課題点については、当然このような地元大会開催は事務局にとってあるいは地元にとって未経験のことであり、スタッフの構成メンバーも本大会のようなイベントを運営するのはまったくの初体験であり経験則がまったくなかったということを前提として検証したい。

6.大会開催の効果と意義

       当初の予測はインターネットの教育利用について地元の各学校にこれから設備されるシステムを通じて幅広い実践活動のスタートを喚起するものであった。当然その効果もあるが、むしろ教育委員会が共催に加わりそのインフラ提供の役だけで終わることなく、実践の支援も視野にいれて今後の積極的な教育利用に、先進実践のキーマンの先生と共にイニシアチブをとるという方向に動いたことは特筆すべきであろう。

       生徒・児童を中心においてそれを支える学校、教育委員会(行政)、地域(研究会)が三位一体となってこの大会で動いたという事例はおそらくはこの上野が初めてであろうし、この三者を一体にむすびつける効果は大きい。

       また、図らずもまだ余裕のある予稿集を事後の教育委員会主催研修会の資料として利用するなど継続活動のベースになり得た。

       事後そのままに事務局MLを活用して教員IT講習会の連絡等、本大会開催において準備したシステムが有効に日常活動に反映できている。

7.まとめ

       「伊賀2000」から「伊賀2001」へという流れがはやくも情報交換会からちらほら聞かれた。実際に実施するかどうかは別にして本大会のように地元(地域)で人が集まり繋がっていくことが教育環境を向上させ実践活動を活性化させることに大きな意義がある。このように実感してもらったこと、燃えてもらったこと、それが「2001」と言う言葉に表れたと解釈した。また、本大会は開催自体の意義から、むしろそれがきっかけあるいは引き金となって、明日の時代をになう生徒・児童を中心にそれを支える教師、行政、地域の三者が一体となって新たに得た情報インフラを利用して教育的活用に基づいた地域活性へと集約させる役割を新たに付加し、今後の継続発展・活動への道を開いたと言えるだろう。



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