「酸性雨/窒素酸化物(NOx)調査プロジェクト」
実践マニュアル


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1. はじめに

     酸性雨調査プロジェクトは、1995年8月、100校プロジェクトにおいて、インターネットを利用した共同学習の、先進的で実験的な試みの1つとしてスタートした企画である。事務局は広島大学附属福山中・高等学校が担当し、広島大学総合科学部の中根周歩教授を中心とした指導体制のもとに活動を進めてきた。

     1999年度、Eスクエアプロジェクトの協働企画として位置付けられた段階で、窒素酸化物の測定も活動内容の中に加え、学校における教育活動の拡がりに対応した企画として、内容のレベルアップを行った。

     このプロジェクトの目的は、インターネットを利用した、協働学習の場を作ることにある。参加校が、学校における様々な教育活動の中で得られたデータを登録し、全国規模のデータベースを作ること、作られたデータベースを利用して、学校教育の中でどのような活動が出来るかを実証すること、このプロジェクトのプラットフォームを利用して交流を進める事などが第1の目標である。第2の目標はこのようなプロジェクトを、継続的に維持していくための、システムの構築方法の解明である。

     2000年度の活動内容は、従来の学校を中心にした実践研究に加えて、プロジェクトのシステム構築について、次のような視点からの試みを行った。

     参加校の活動を活性化するためには、プロジェクト事務局として、どのような働きかけをするとよいか。
    このプロジェクトに参加した場合、参加校の負担は短期的に見ると、さほど大きくないが、長期的に見ると継続するための負担はかなり大きくなる。加えて、活動内容についての疑問に対する、フォローも必要になる。本年度は、オフラインミーティングやチャットの導入を通して活性化のための試みに積極的に取り組んだ。

     このプロジェクトの参加校を広げ、参加校の校種・参加校の数について、全国的な拡がりを持ったものにするためには、どのような活動を事務局としてすべきか。
    参加校の数については、1995年のプロジェクト発足以来、増え続けたわけではない。新しく参加する学校もあれば、辞めていく学校もある。参加校を確保するための試みとして、本年度は募集案内の内容や方法の改善、環境学習フェアでの展示、小学校を対象にした体験参加、地域的な活動を支えるための、サブ幹事校の設置など、広範囲にわたる試みを行った。

     このプロジェクトのように、参加校や活動内容が多様で、かつ広域的な内容の活動を学校・大学・企業の三者が、連携を取りながら支えていくための方法とシステムを開発すること。

     この実践マニュアルは、ネットワークを利用した広域的な協働学習を成功させるために、プロジェクトを推進する幹事校、参加している学校、及びプロジェクトを支える企業等が、共通の認識をもって活動するためのガイドブックである。



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