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資料−3 測定実践報告

       事務局に寄せられた、各参加協力校の自然放射線の測定実践状況を以下に報告する。

       

      <物理の時間での実践>

      北海道 札幌開成高等学校 物理担当 山田 大隆 先生

       使用クラスは2年3クラス(2の1、2組36人、2の5、6組36人、2の9、10組35人)計107人。3年2クラス(3の8、9組35人、3の10、15人)の計50人、総計157人です。2年生は現在波動(物理TB)の光波の当たりですので、実験日前日1時間とって、放射線の種類と諸単位を詳しく説明しました。3年生は原子核(物理TB、U)が既に学習が終わっていますので、実験日に10分ほど復習しました。

       送られてきたマニュアル書中のシーベルトについては、両学年とも初耳のようで、具体例(チェルノブイリや東海村事故)をとって、イメージがわくように確認しました。

       実験日は1日、11月6日です。天候の良い日を選び、クラスを3班(屋上、グランド、教室)に分け、教室外学習の形で各人全員が機材にふれるよう指示しました。実験日は最初に機材操作法を説明、習熟させました。(機材内容についても解説)実験(理論)のねらい、留意点は、生物被曝がチェルノブイリ、JOC事故で話題になっている折、マニュアル書の図で、許容量の意味とシーベルト単位の使い方(年間被曝量)を啓蒙することにあります。ただし、「はかるくん」のマニュアルも教科書もまず単位が判りにくいのと被曝量表示になっているので、使いにくさがあり、改良する余地があります。同送の北海道の先生が書いた判り易い(イメージ化しやすい)論文をごらん下さい。

       実験は大好評で、時間の最後に教室に再度集め、各班の測定結果を発表させ、データ比較と意味を考えさせ、まとめ解説をしました。(以上原文のまま)

       尚、事務局に同封されてきた論文は、「臨界事故から学ぶエネルギー利用のあり方」(高校物理における総合的な学習) 函館大学附属柏稜高等学校 片岡 久明 でしあり、今回の測定結果については、エネルギー環境教育情報センターの今年のセミナー(2月中旬 札幌市東急ホテルにて)で高校代表として発表の予定とのこと。

       

      <物理部での測定実践>

      宮城県 東北学院中学・高等学校 物理担当 馬場 兵悦 先生

      (1)実践状況

         学校内での測定は、本校の物理部の生徒(高校2年生)1〜2名を日替わりで担当させ、統一条件について10月26日〜12月13日まで、延べ20日間測定を実施しました。また、自由課題については、私と物理部の生徒で分担し測定を実施しました。

      (2)事前指導

         自然放射線が存在すること、及び何処から放射能が出ているか、その強さなどを貴財団の資料及び「はかるくん」のテキストをもとに説明しました。

      (3)生徒の反応

         定期的に測定を続けるうちに、測定条件(屋外、屋内)の違いにより放射線度が異なり、興味を持つようになった。

         自宅付近の放射線強度なども測定させた。トンネルの中などでは、測定値が大きかったので、驚いていました。

      (4)留意点

         i) 事前にご指定のあった測定方法をまもること。

         ii) 決められた曜日に必ず測定すること。

      (5)測定結果のとりまとめ

         「はかるくん」の使用の手引きを参考に解説し、測定結果の傾向を見た程度です。

         

      <理科クラブでの実践>

      秋田県 秋田和洋女子高等学校 理科担当 鈴木 清春 先生

      (1)実践状況

         理科クラブの活動として、2年生2名に担当させました。

      (2)事前指導

         チェルノブイリの話を交え、「はかるくん」のテキストを使って放射線の一般的な話しと操作説明をした程度です。

         昨年9月の文化祭で、本校の生徒会が「チェルノブイリ14周年救援ナターシャ・グジーコンサート」を主催しました。コンサートでは、チェルノブイリ原発事故についてナターシャ・グジーが日本語で話してくれたし、日本ベラルーシ友好協会の専務理事の方もチェルノブイリ原発事故の現状について話してくれました。従って生徒は放射線(バックグランドを含む)についてそれなりの知識を持っていたと思います。

      (3)生徒の反応

         授業ではまだ習っていませんが、放射線に興味を持ったようで、以外に値が高いことに驚いていました。

      (4)測定結果のとりまとめ

         計測結果を確認した程度で、特には行ないませんでした。

       

      <課題学習での実践>

      山形県 県立庄内農業高等学校 情報担当 笹原 俊明 先生

      (1)実践状況

         生徒個人の課題研究の取り組みにおいて、生活環境(自然が主)を課題として調査・研究を進めている生徒(3年生2名)が中心となって測定し、その場所や時間などについては生徒に一任しました。また、そのデータのまとめと活用についてもその生徒に一任しました。

         大学進学の環境系学部(学科)希望の生徒においての面接対策として、その取り組みの意義について考察させ、面接試験(推薦入学)に役立たせました。

       

      <クラブ活動での実施>

      茨城県 茗渓学園中学・高等学校 物理担当 藤井 健司 先生

      (1)実践状況

         クラブ活動の中で高校1年生の5名を対象に、11月2日〜30日まで測定実践させました。統一条件については、月、水、金の昼休み(13:00〜13:30)に測定し、11月27日まで継続的に測定させ自由課題として筑波山(女体山、男体山山頂)などで測定実践を実施しました。

      (2)事前指導

         測定の事前には東工大の公開講座を受講させ、放射線についての基礎知識の説明、簡易型霧箱の作成、「はかるくん」による測定を行った。また、放射線の長所・短所について考えさせることに留意しました。

      (3)生徒の反応

         放射線が普通の自然界にあることに大変興味をもっていました。

      (4)測定結果のとりまとめ

         今後、ホームページにアクセスし全国のデータを見て生徒達に考察するよう指導しました。

       

      <希望者による実践>

      埼玉県 県立上尾東高等学校 物理担当 西尾 信一 先生

      (1)実践状況

         自然放射線測定を希望した1年生3名の生徒による実施

      (2)事前指導

         事前には、授業(1年生全員必修の物理TA:2単位)で原子力・放射線の概論を取り上げています。そこでは、講義やビデオ視聴、放射線メータによる測定演示(バックグランド・カリウム肥料・ランタンマントル)やっています。

         測定者に対しては、特別な指導はしていません。「はかるくん」の使い方や測定方法について簡単に説明しただけです。測定者は、成績にも反映させるという条件を提示して授業で呼びかけました。放課後に、屋上でまず一緒に測定し、その後は生徒に任せました。自宅に持ち帰って実験した生徒もいます。

      (3)生徒の反応

         成果は、ふだんまったく授業に参加しない生徒(ノートをまったく取らず、話を聞かず、欠点をとっている)が、1名希望して実験してくれたことです。好奇心を喚起したのだと思います。

       

      <物理同好会での実践>

      千葉県 県立船橋高等学校 物理担当 船田 優 先生

      (1)実践状況

         物理同好会2年生2名で実施

      (2)事前指導

         事前指導として、自然界には、α線、β線、γ線の3種類他があることを解説し、「はかるくん」は、γ線と宇宙線の一部を測定することを説明。また、放射線の単位、千葉県の測定値の話など、放射能および放射線に関する一般的な話をしました。

         さらに前もって簡易型GMカウンターキットで、測定原理を教えるとともに、放射線源を用意して測定実験を行なわせました。

         また、先入観のない状態で、純粋に測定するよう心がけること。測定の際条件が変わらないよう留意させました。

      (3)生徒の反応

         自然放射線に対し興味を持ったようである。

      (4)測定結果のとりまとめ

         今回は特に行なっていません。

       

      <理科部の生徒による実践>

      東京都 東京家政大学附属女子中学校・高等学校 物理担当 宮澤 弘二先生

      (1)実践状況

         理科部の生徒4名に測定させました。

      (2)事前指導

         事前の指導としては、「はかるくん」のテキストを利用して、放射線の種類や性質を簡単に説明しました。バックグランドの放射線には

          i) 空からふりそそぐもの(宇宙線ともいう)

          ii) 地下(地殻からあがってくるもの)

          iii) 建物などにふくまれているもの

        などがあることを解説し、放射線のうちバックグランドを測定することを理解させました。

      (3)測定場所の指示

         送られてきた調査用紙に基づいて、測定場所の指示と測定方法を解説しました。

      (4)その他に、ガイガー計数管によって調べたり、霧箱の実験をして放射線を見せたりして放射線の存在を実感させました。

      (5)留意点について

        i) 「はかるくん」による測定で、異常に高い数値を検出した場合には、直ちに連絡するよう指示しました。

        ii) 機器を壊さぬよう丁寧に扱うことを指示しました。

        iii) 測定の高さは指定どおりの30cmを守るよう徹底しました。

      (6)測定結果のとりまとめ

         様々な場所で測定をしましたので、データの分析は今後の理科部の課題としました。

       

      <物理の授業での実践>

      神奈川県 立花学園高等学校 物理担当 久保田 信夫 先生

      (1)実践状況

         理科の授業で3年生100名、科学部の3年生10名で実施。

         本校では3年生の物理で教えています。3年生の3学期の授業を「放射線と原子力」のテーマで、約10時間の授業を行なっている。

          i) 原子・電子の発見から放射線

          ii) 放射線を目で見る(霧箱観察)

          iii) 「はかるくん」を使った自然計数や場所による違い

          iv) 実験キットを使って線源と距離、遮蔽実験

          v) 原子力について

         上記の授業を展開し、この中で自然放射線計測を3年前から継続して行なっている。

      (3)生徒の反応

          目に見えないものを計測する不思議さに興味を抱いている。

          放射能に対する怖さや、先入観が取れ、自然放射線の存在を正しく理解している。

      (4)測定結果のとりまとめ

         測結果については、Excelなどの表計算ソフトを使用してとりまとめ、平均値、標準偏差などの統計処理を行なっている。そして、得られた成果物は文化祭で発表を行なっており、生徒は測定からまとめまでの一連の処理を熟知している。

       

      <物理TAでの実践>

      富山県 富山第一高等学校 物理担当 戸田 一郎 先生

      (1)実践状況

         測定依頼を受けた時期が、物理TAを受講している生徒達に放射線の授業をはじめようとしている時期と重なりました。そのため、25台借りてありましたので、11月1日と7日の2回に分けて同じ生徒達が同じ場所で測定をしています。

        その後は、実験助手と私で何箇所か、日と時間を違えて測定しました。

      (2)生徒の反応

         授業で「はかるくん」を使っての測定や、霧箱実験を終えたあと、期末考査でその感想を書かせましので、参考にして下さい。

       

      <希望者による実践>

      福井県 県立武生東高等学校 化学担当 青木 孝文 先生

      (1)実践状況

         自然放射線の測定に興味ある生徒を募集し、2年生数名で実施しました。

      (2)事前指導

         あまり時間が取れませんでしたが、平成5年度「原子力セミナー夏(東海村7日)」に参加させていただいた際の資料を基に1時間程度の講義をしました。内容的には、「放射線は使い方を注意すれば、特殊なもの、怖いものではなく、自然界にありふれた存在であること。原子力エネルギーは、現在の日本のエネルギー事情を鑑みると必要不可欠なものである。」という点を強調しました。

      (3)生徒の反応

         予備知識が無い状態では放射線は、怖いもの危ないものという漠然とした恐怖心を持っていたようですが、実際に「はかるくん」で測ってみて身の回りにも存在していることに興味を覚えたようでした。

      (4)測定結果のとりまとめ

         特に深くはしませんでした。「はかるくん」のパンフレットを使って解説した程度です。

       

      <課題研究での実践>

      山梨県 県立谷村工業高等学校 情報担当 長谷川 準 先生

      (1)実践状況

         電子情報科3年生の「課題研究」で、1グループが取り組みました。

      (2)事前指導

         放射線については、測定器に同梱されてきた資料を利用して学習しました。

         校外へ出て溶岩(富士山からの溶岩が都留市でも見られます)や、送電線の下などに行く予定を立てていましたが、学校行事と重なって行けなかったのが残念でした。

       

      <科学部での実践>

      愛知県 名古屋市立富田高等学校 化学担当 村瀬 篤 先生

      (1)実践状況

         科学部の3年生3名の生徒により昼休み、放課後を使って測定を行ないました。

         測定を始めてみると、一定の値に決まるものではないことにに気付き、測定場所に「はかるくん」を設置して30秒後に値を読むことにしました。

      (2)事前指導

         私自身は、化学の担当で放射線について授業で話すことはまれですので、「はかるくん」のテキストを使って目に見えない放射線が自然界の存在することを簡単に説明した程度。

      (3)生徒の反応

         はかるくんは音が鳴るので、自然放射線の存在が分かりやすく感動していた。

         自然放射線の存在を知り放射線についての関心が高まったことは、今後の学習に対する動機付けになった。

      (4)測定結果のとりまとめ

         プールでも測定した結果、「はかるくん」の解説書の通り、プールでの計測値が小さいことなどを確認できた。

         本校は、ゴミの埋立地の上に立てられた学校であり、周辺地域より高い値だったかも知れません。本校の測定結果だけでなく、日本全国の結果がはやく知りたいと思います。

       

      <地学の授業での実践>

      滋賀県 県立水口高等学校 地学担当 泉谷 明 先生

      (1)実践状況

         地学の授業の中で3年生の2クラスを対象に実践した。

      (2)事前指導 

         事前指導として「エネルギー資源」の単元で化石燃料と併せて核エネルギーについて資源としてのウラン、放射能、放射線さらに核反応、核分裂、核融合の概念を学習させた。

      (3)生徒の反応

         テレビ等からの放射線物質についての情報や原子力発電所においてバケツに入れた濃縮ウランを人間の手で運んでいるなどの知識が既にあり、放射線について怖い、危険と感じている生徒が多数見られた。

      (4)測定結果のとりまとめ

         放射線についての正しい知識を習得させる為に自然放射線(バックグランド)の種類や性質の説明を行い、原子力の話と絡め21世紀のエネルギーとして重要であること(ただし使い方を間違ってはいけない。例えば原爆)の指導を行った。

       

      <希望した生徒による実践>

      京都府 国立京都教育大学教育学部附属高等学校 物理担当 川村 康文 先生

      (1)実践状況

         希望した生徒3年生の2名を対象に実践した。

      (2)事前指導

         測定の事前は「はかるくん」の使用手引をもとに指導した。

      (3)生徒の反応

         自然放射線について大変興味をもっていた。

      (4)測定結果のとりまとめ

         「はかるくん」の使用手引を参考に指導した。

      (5)その他

         i) もう少し早い時期に実施したかった。また、「はかるくん」の台数が少なかった。

         ii) 以前、授業の中で「はかるくん」10台を使用し10班に分け、実習した経緯がある。

       

      <物理TBの授業での実践>

      大阪 大阪市立高等学校 物理担当 山田 善春 先生

      (1)実践状況

         物理TBの電子と原子の「放射線とその性質」の授業の最初の1時間の授業で「身近な放射線」ということで、「自分たちの身の回りの放射線をはかる」ことを目的として、日常の線量当量を測定させました。

      (2)留意点

         「放射線が身近に溢れている。宇宙に溢れているもので、特別なものでないこと」

         「放射線が身近なものから出ていること、大地からも出ている、宇宙からも来ている」

        ことを伝えることを留意しました。

       

      <理科部での実践>

      鳥取県 鳥取女子高等学校 理科担当 広山 和恵 先生

      (1)実践状況

         理科部の3年生、8名で測定を実施しました。

      (2)事前指導

         「はかるくん」の手引きを使用して簡単な事前学習をしました。

      (3)生徒の反応

         放射線、放射能という言葉からは「危ない」という先入観があったようですが、実際に「はかるくん」を使用しての測定実践からは、身の回りにも放射線が存在しているということを実感したようでした。

         測定は、平成12年11月6日から9日まで実施し、指定された条件の他、校内のさまざまな場所で測定を行ないました。 

      (4)測定結果の取りまとめ

         データ数が多く、時間も限られていたので、「はかるくん」の手引きを参考に解説した程度で、あまり詳しくできませんでした。

       

      <選択講座での実践>

      岡山県 県立岡山芳泉高等学校 物理担当 井上 理樹 先生

      (1)実践状況

         土曜講座(土曜日に行なう選択制の講座で、70分単位)において、本校2年生2クラス(20名、30名程度)を対象に実施しました。

      (2)事前指導

         2年生は、放射線についての知識が有りませんので、α線、β線、γ線について一般的な性質、特徴を解説し、「はかるくん」は自然放射線のうち、主にγ線を計測することを説明しました。また、放射性物質からの放射線とバックグランドの測定をガイガー計数管と「はかるくん」を使用して行ないました。

         その後、希望者を募り、土曜、日曜の2日間で、事前に資料(付属のもの)に目を通して変化の大きいと予想される場所を考えさせ、自宅付近の測定をしてもらい観察ノートへ記入させました。

      (3)生徒の反応

         いろいろな場所で計測したようで、コンビニエンスなど人の多く集まるところでは、注目を集めたといって興奮しており、大変興味を持ったようです。

      (4)測定結果のとりまとめ

         今回は、「はかるくん」のテキストを使って自然放射線の種類と量、各地の違いなどについて簡単に触れた程度です。

       

      <天文気象部での実践>

      山口県 県立岩国高等学校 理科担当 山村 繁典 先生

      (1)実践状況

         天文気象部の2年の生徒7〜8名で実施

      (2)事前指導

         測定するにあたって、放射線の測定方法についての簡単なプリント(高等学校の物理の教科書と、その指導書から抜粋したもの)を配付して説明しました。

         実験は特にしていません。

      (3)生徒の反応

         非常に興味を持ったようです。校内での測定の他、自宅で測定したいという生徒もいて、家族の協力を得られるようにそのプリントとともに貴財団からのパンフレットをもたせました。その結果、いろいろなところで測定をしていました。また、修学旅行(中国・北海道)に「はかるくん」を持って行きたいという生徒もあり好評でした。

      (4)測定結果のとりまとめ

         「はかるくん」の手引きに「積雪の多い地方で、雪の上で放射線を測ると、地面から来る放射線は積雪にさえぎられて、弱められることが考えられます。」という記述があったので、実践してみました。また、川の橋上でも測定し、同様の結果を確認しました。

      (5)追記

         平成12年12月に、中国に行く機会があったので、「はかるくん」を持参し、北京市内、明の十三陵の定陵公園内、八達嶺長城の上、天安門広場のほぼ中央などで測定してみましたので、データをお送りします。

         中国に行った目的は修学旅行です。本校では行き先を希望に応じて2カ所に分けて実施しています。本校の周辺では、冬でも雪で地面一面がおおわれることはないので、北海道での雪の上の測定は印象深かったようです。

       

      <地学部での実践>

      香川県 県立丸亀高等学校 物理担当 村尾 美明 先生

      (1)実践状況

         地学部の生徒3名が昼休みと、放課後を使って測定を実践した。

      (2)事前指導

         事前指導については、「はかるくん」の手引きの内容を簡単に説明した程度である。

      (3)生徒の反応

         測定場所によって次にように値が異なるので、興味を抱いていた。

           i) 屋上は低い(風がないと少しだけ高い?)

           ii) 正門の下(石囲い)は少しだけ高い

           iii) 東館(床:リノリュウム)は低い

           iv) 西館(絨毯)は低い

           v) 木造家屋は低い

      (4)測定結果のとりまとめ

         特には行なっていない。

       

      <科学部での実践>

      高知県 県立岡豊高等学校 化学担当 藤村 幸紀 先生

      (1)実践状況

         測定にあたっては、使用説明書にある以外に特に留意した点はありません。

         測定は、科学部員と私がおこないました。

         化学の授業を担当しておりますので、放射線に関する授業は行なっておりません。

       

      <希望した生徒による実践>

      熊本県 熊本国府高等学校 数学担当 成田 廉司 先生

      (1)実践状況

         私と高校1年生6名で昼休みと休日を使って実施しました。

      (2)事前指導

         「はかるくん」のテキストの「暮らしの中の放射線」の部分を説明した程度です。

      (3)生徒の反応

         生徒の反応としては、同じ場所で3回測定していたが、その都度値が異なるので、驚きと疑問を感じていました。

      (4)測定結果のとりまとめ

         今回は特に行ないませんでした。

       

      <クラブ活動での実践>

      宮崎県 県立延岡商業高等学校 商業担当 小玉 和清 先生

      (1)実践状況

         部活動の中で2年生の30名を対象に実践した。

      (2)事前指導

         測定の事前に「はかるくん」の使用手引をもとに、自然放射線についてと測定方法について指導した。

      (3)生徒の反応

         はじめての試みであったが、非常に自然放射線について興味をもっていた。

      (4)測定結果のとりまとめ

         やはり、「はかるくん」の使用手引をもとに測定結果について安全レベルなどの説明を行った。

       

      <総合実習授業での実践>

      鹿児島県 県立鹿児島水産高等学校 情報通信担当 武 一正 先生

      (1)実施状況

         総合実習の授業の一環として、鹿児島県川内市に立地している「九州電力川内原子力発電所」で原子力発電の仕組みや、その安全対策、そして放射線等についも研修を行なってきました。日程的には、1日がかりの研修で、本校からその原子力発電所までバスで2時間半の道のりでしたので、研修時間は3時間程度でした。 参加した生徒の学年と人数は、専攻科・情報通信科の生徒達で1年生・2年生です。

         専攻科とは高校を卒業した学生で18,19,20歳の学生達です。

          1年生・・・15名・・・(男子・14名・・女子・1名)
          2年生・・・14名・・・(男子・12名・・女子・2名)

         教師側は情報通信科の先生方・3名の参加でした。

      (2)生徒の反応

         生徒全員、大変喜んで、測定していました。生徒達はパソコン室での実習の授業にも大変意欲的に参加していますが、この放射線測定で学校の周りに出かけることによって自然との触れ合いや野鳥観察、そして水産高校生として、学校に隣接している海岸線や太平洋を眺め、綺麗な空気にふれての測定授業は楽しそうでした。大海原を眺め新鮮な空気にも浸りながらの友達同士との測定結果の比較、微笑ましい青年らしい光景でした。各生徒達は平均して2回測定しました。

      (3)測定結果のとりまとめ

         生徒の反応と同じですが、本校の場合,研修や講演会へ参加した内容、そして学習した履歴の内容等も出来る限り電子化してサ−バ−コンピュ−タの中に記録を保存するような取り組みをしています。そこで今回も「九州電力 川内原子力発電所」を見学した時の感想文をホームページ上で情報発信できるように「HTML」化しました。 現在は校内のサーバーコンピュータの中に入っていますが担当教師の点検が済んでから、そのうちに公開と思っています。今まで生徒達の作成したホームページをカットしたことはありませんが校内の情報発信倫理規定との関係もありますので一応は目を通します。

         ただ心配は、本校の教師側で放射線について指導できる教師がいませんので評価、考察等は今後の課題です。今後は,県内にも大学で原子力を専攻した現職の高校の先生もいますので来年度は,講演会等も開催して原子力全般について学習をと思っています。

         今回は放射線等について少しでも学習が出来ればと思っていろいろなことに生徒・教師共々挑戦して見ました。科学に持続的に関心を持ち、そして挑戦する「心」も持ち続けられる学生を多数養成して社会に送り出したいとも思っています。



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