ネット社会の歩き方 実践研究報告書 |
「3.開発ソフトウェア」で作成された教材と学習指導資料を用いた授業実践の具体例を示す。
学習ユニット「チャットの危険性」を用いた授業実践の例を示す。
1単位時間の中で、以下の段階を踏んで進める。
a. | チャットがどのようなことか共通認識を抱かせ、チャットの楽しさをあげていく。 |
b. | 学習モジュール「チャットの危険性−基本」をコンピュータで視聴する。 |
c. | 学習モジュールに描かれたチャットからどんな危険性が考えられるか話し合う。 |
d. | 学習モジュールに描かれたチャットの内容のどこに問題点があるか話し合う。 |
e. | 自分たちにも似たような体験があるか、ふりかえらせていく。 |
f. | チャットを行う上でどんなことに気を付けるか考えていく。 |
g. | 学習モジュール「チャットの危険性−応用」をコンピュータで視聴し、自分ならどうするか考えさせていく。 |
チャットについて知っていること経験したことを発表する。
チャットの楽しさや良さをできるだけ多く発表させる。
チャット経験者が少ない場合は、イメージとしてのチャットの画面を表示してもよい。子どもたちの意見を板書していく。
学習モジュール「チャットの危険性−基本」を操作し、どのような展開が起きていくのか一つ一つの場面をしっかり視聴させていく。
学習モジュールを想起する中で、チャット中で2人の少女がとった言動に潜まれていた問題点に気づかせていく。
顔を合わせていない相手だということに着目させ、大学生であるか疑わしいことに気づかせていく。
電話番号から住所がわかるとどのように困るのか、想像させる。
カオルさんとクミコさんがかわしていたチャットで、安易に電話番号を教えていることを問題点としてもよい。
チャットの楽しさに潜まれている怖さに気づかせるよう、チャットの中で行われていることを振り返らせていく。
チャット以外の体験も出てくると予想されるが、その部分は他の学習ユニットで取り扱うことを伝え、できるだけチャットに限定していく。
もし、具体的な体験が発言されない場合は、学習指導資料を利用して危険性が多くの場面に潜んでいることに気づかせていく。
チャットの危険性だけを論ずるのではなく、チャットの有用性や利便性も確認する中で、チャットの行い方を考え、危険性を回避する知恵をまとめていく。
不特定多数との会話と1対1の会話の違いに気づかせていく。
チャットを行う際、気をつけることや友だちの話から感じたことをまとめさせる。
いくつかの学習モジュールを使った学習が終わった段階で、復習をかねて「チャットの危険性−応用」を使った評価を行う。
この学習モジュールを見て、どんな危険性が潜んでいるか考える。
どのような展開が起きていくのか一つ一つの場面を視聴しながら、危険性を想起させ、その原因場面をつかませていく。
ケンタ君になったつもりで何が不安なのか明らかにする。
チャットのどの場面に問題があったか、考える。自分ならタケシ君と行っていたチャットでどうすべきか、意見をまとめる。
自分の言葉で、想定した危険性を書かせる。また、チャットのどの場面がその危険性につながったのか、心の内側を表現させる。
できれば、授業に先立って評価基準を準備し、学習プリントを評価基準にそって採点し、危険性への認識を評価し、必要に応じて事後指導を行う。
電脳商店街を用いた授業実践の方法を示す。
1単位時間の中で、以下の段階を踏んで進める。
先生のインターネットによる通販の経験を語る。
実際にどれだけインターネット上で販売されているか検索し、閲覧させる。
そのページの中で、いくつか知らない言葉を見つけたら発言させて、基本的用語については解説するか、生徒たちに調べさせる。
<焦点化>
まずインターネットでの通販の模擬体験をしてもらうことを告げる。
ねらいとして、信頼して大丈夫か、困ったときにどうするか、という知識がとても大切なことであるという意義を対話の中で導いておく。
<一斉に天王星商店を開く。>
商品を自由に選ばせる。
買い物かごに入れる一連の操作を解説しながら、操作させる。
商品の購入決定の入力するデータは、数値化した学籍番号などを準備してプリントを用意して渡す。できたら、注文確認場面に進ませるが、いくつかの記入漏れについて指導
「注文側が間違っていると話にならない。」
正しく入力させる。
こうして、注文まで進むなかで、どのような順序で、何を確認しているページなのかを学習プリントに記入させていく。これによって、基本的な購入のスタイルを習得させる。
品物がきちんと届いた画面まで進めて、今までの疑問をもったことなどを発言させて、次の問題のある商店の判断に関連する内容が出てくるよう関心を高めておく。
次に、はじめから、「これからある商店は問題点がある商店らしいです。
皆さんがページを進めていく中で、どんなところが問題なのか、わかった時点で手を上げて発表してください。」
と明示として進めていく。
わかりやすい水星電脳商店に進ませる。
生徒にとってはほとんど変わらないと感じているものがほとんどであると思われるので、教師は示唆しながらも、最後まで進ませる。
結果まったく商品が届かないことに気づき、なにかいけないのかページをもどったり、解説を見たりして原因を探す。結論として、正しく入力しても、信頼できない店もあることを知らせながら、その対処方法について説き、学習プリントにまとめさせていく。
---同様に各商店を巡っていく。
最後に、各商店にあるねらいを一覧にまとめる作業をして、インターネット通販での心得を自分の意見としてまとめさせる。
<学習効果>
通販の問題点への対処を順に指導徹底できるので、状況に応じた知識が身に付く。
<導入>
まずインターネットで買い物をする手続きなどについて学習することを伝える。
<活動の提示>
いくつかの商店を閲覧し、購入したい物品を決める。
その商店が信頼できると思う規準となった表現を商品購入プリントに記入する。
ここまでしたら、先生の指示を待つ。
商品の買いものかごへの操作から、クレジット番号入力など一連の操作の説明をする。
実際に注文操作をして、結果をプリントに記入する。
どんな問題点があったか、そのときどうすればよいのかを解説を見たりして、記録する。
時間が余ったら、違う商店でも同じ購入操作をして記録するようにさせる。
最後にインタ−ネット通販での心得や感想などを書かせる。
<学習効果>
通販の基礎的な知識と対処方法について、知識が身に付く。
<学習効果>
比較していく中で、表示内容の欠落部分や、問題点などを絞り込むことができ、信頼できるショッピングサイトを選ぶための知識が身に付く。