ネット社会の歩き方 実践研究報告書


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4.実践授業の具体例

      「3.開発ソフトウェア」で作成された教材と学習指導資料を用いた授業実践の具体例を示す。

4.1 学習ユニットでの授業例

       学習ユニット「チャットの危険性」を用いた授業実践の例を示す。
       1単位時間の中で、以下の段階を踏んで進める。

        a. チャットがどのようなことか共通認識を抱かせ、チャットの楽しさをあげていく。
        b. 学習モジュール「チャットの危険性−基本」をコンピュータで視聴する。
        c. 学習モジュールに描かれたチャットからどんな危険性が考えられるか話し合う。
        d. 学習モジュールに描かれたチャットの内容のどこに問題点があるか話し合う。
        e. 自分たちにも似たような体験があるか、ふりかえらせていく。
        f. チャットを行う上でどんなことに気を付けるか考えていく。
        g. 学習モジュール「チャットの危険性−応用」をコンピュータで視聴し、自分ならどうするか考えさせていく。

      (1)チャットがどのようなことか共通認識を抱かせ、チャットの楽しさをあげていく。

      (2)学習モジュール「チャットの危険性−基本」をコンピュータで視聴する。

      (3)学習モジュールに描かれたチャットからどんな危険性が考えられるか話し合う。

      (4)学習モジュールに描かれたチャットの内容のどこに問題点があるか話し合う。

      (5)自分たちにも似たような体験があるか、ふりかえらせていく。

      (6)チャットを行う上でどんなことに気を付けるか話し合う。

      (7)学習モジュール「チャットの危険性−応用」をコンピュータで視聴し、自分ならどうするか考えさせていく。

      (8)学習プリントに予想される危険性と問題となる場面を記入する。

      (9)教材に対する評価、要望、そして感想などを教師、生徒から収集する。

4.2 電脳商店街での授業例

       電脳商店街を用いた授業実践の方法を示す。
       1単位時間の中で、以下の段階を踏んで進める。

      (1)順番に商店を選び、その体験を通して問題点を学習する方法(一斉学習)

        <導入>

        • 先生のインターネットによる通販の経験を語る。

        • 実際にどれだけインターネット上で販売されているか検索し、閲覧させる。
           そのページの中で、いくつか知らない言葉を見つけたら発言させて、基本的用語については解説するか、生徒たちに調べさせる。

        <焦点化>

        • まずインターネットでの通販の模擬体験をしてもらうことを告げる。
          ねらいとして、信頼して大丈夫か、困ったときにどうするか、という知識がとても大切なことであるという意義を対話の中で導いておく。

        <一斉に天王星商店を開く。>

           商品を自由に選ばせる。
           買い物かごに入れる一連の操作を解説しながら、操作させる。
           商品の購入決定の入力するデータは、数値化した学籍番号などを準備してプリントを用意して渡す。できたら、注文確認場面に進ませるが、いくつかの記入漏れについて指導
           「注文側が間違っていると話にならない。」
           正しく入力させる。
           こうして、注文まで進むなかで、どのような順序で、何を確認しているページなのかを学習プリントに記入させていく。これによって、基本的な購入のスタイルを習得させる。
           品物がきちんと届いた画面まで進めて、今までの疑問をもったことなどを発言させて、次の問題のある商店の判断に関連する内容が出てくるよう関心を高めておく。

           次に、はじめから、「これからある商店は問題点がある商店らしいです。
           皆さんがページを進めていく中で、どんなところが問題なのか、わかった時点で手を上げて発表してください。」
           と明示として進めていく。
           わかりやすい水星電脳商店に進ませる。
           生徒にとってはほとんど変わらないと感じているものがほとんどであると思われるので、教師は示唆しながらも、最後まで進ませる。
           結果まったく商品が届かないことに気づき、なにかいけないのかページをもどったり、解説を見たりして原因を探す。結論として、正しく入力しても、信頼できない店もあることを知らせながら、その対処方法について説き、学習プリントにまとめさせていく。

          ---同様に各商店を巡っていく。

           最後に、各商店にあるねらいを一覧にまとめる作業をして、インターネット通販での心得を自分の意見としてまとめさせる。

        <学習効果>

           通販の問題点への対処を順に指導徹底できるので、状況に応じた知識が身に付く。

      (2)個別に購入する商店と商品を選ばせておき、一斉に購入手続きに入り、その結果を報告しあうなかで、通販の基礎的な知識と対処方法について学ぶ(個別一斉学習)。

        <導入>

          まずインターネットで買い物をする手続きなどについて学習することを伝える。

        <活動の提示>

           指定のショップをひらく。

           いくつかの商店を閲覧し、購入したい物品を決める。
           その商店が信頼できると思う規準となった表現を商品購入プリントに記入する。
           ここまでしたら、先生の指示を待つ。
           商品の買いものかごへの操作から、クレジット番号入力など一連の操作の説明をする。
           実際に注文操作をして、結果をプリントに記入する。
           どんな問題点があったか、そのときどうすればよいのかを解説を見たりして、記録する。
           時間が余ったら、違う商店でも同じ購入操作をして記録するようにさせる。
           最後にインタ−ネット通販での心得や感想などを書かせる。

        <学習効果>

           通販の基礎的な知識と対処方法について、知識が身に付く。

      (3)生徒のグループを軸として、生徒が分担調査して、各商店の問題点を比較分析する方法(グループ学習)

        <学習効果>

           比較していく中で、表示内容の欠落部分や、問題点などを絞り込むことができ、信頼できるショッピングサイトを選ぶための知識が身に付く。



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