愛媛県立新居浜工業高等学校 Page2/3

「新100校プロジェクト 平成10年度実施状況」


◆インターネット教育利用の現状と展望・・宇佐美 東男

 「生徒研究活動」ではインターネットの仕組みや新しい利用方法の開発、インターネッ
トを通した地域交流等を積極的に行っている。
 近隣の高等学校や中学校、地域社会との交流学習として、テレビ会議システムを利用し
た環境問題の学習などにも取り組んでいる。本校のWWWサーバの一部を開放し各校の
ホームページを開設したり、生徒や教師にアカウントを発行し教育利用をして頂いている。
 また、地域文化の発信として地域の歴史や文化施設(博物館等)のホームページ開設
なども行っている。
 「部活動」では、インターネット上でのブロードキャストの研究に取り組んでいる。
平成10年12月には、インターネットによるブロードキャストの研究活動がNHKローカル
(愛媛県地方)放送に紹介された。
 また、イントラネットで校内向け放送活動にも取り組んでいる。コンテンツは、対外試合
や学内の出来事、地域社会の行事、ニュースなども掲載し、校内各所からアクセスできる
システムとなっている。近い将来には、ビデオサーバ等を導入し、本格的なブロードキャスト
に取り組みたいと考えている。
 「教職員の研究活動」では、教材収集や電子メールによる国内外との情報交換など、新
しい視聴覚教育への利用について研究に取り組んでいる。
 イントラネットによる進路ガイダンスシステム、メディアセンターとしての図書館教育、学校
事務情報化システム、校内業務連絡システムなど全般的な教育の情報化を進めている。
  更に、地域社会との交流を目的に、様々な研修会・研究会等を開催し、地域社会と共に
歩む学校教育の実現に向かって努力している。

3 平成10年度の成果と課題
 今年度のインターネット教育利用は、教科指導、特別活動、教職員の研究活動、地域社
会との交流、光ファイバー網による校内情報インフラの構築、インターネット回線の高速化
等の分野において飛躍し、成果の多い年であった。
 ネットワーク環境の改善もあり、授業における生徒たちの興味・関心を喚起し、自発的な
学習活動への強いモティベーションを与えることに成功したといえる。
 また、教職員の情報リテラシーの著しい向上が認められた。
 現在、校内どこからでもインターネットが利用できる環境である。今後は、更に、どの
ような教育利用が可能か、実践を通して中身の濃い研究にチャレンジして行きたいと考え
ている。インターネットは、21世紀の教育のあり方を模索するための研究システムとしても、
その力を大いに発揮するものと思われる。
 今後の課題としては、有害情報排除、プライバシー保護システム、新しい教育スタイル
を積極的に推進できる指導者養成、情報モラル育成カリキュラムの開発および実施など、
現職教育の分野でクリアしなければならないことは多い。

4 プロジェクトに参加して
 新100校プロジェクトに参加したことは、現在、着々と作業が進んでいる教育改革を
進める上で、大きな刺激となった。
 21世紀の初頭は、本格的な情報通信社会の幕開けである。20世紀の最後に、情報通
信の核ともいえる、インターネットを教育現場に導入したことは、非常にタイムリーであった。
 今年度は特に校内情報インフラの整備とインターネット回線の高速化を実現することが
できたため、テレビ会議システムを利用した教育の方法について研究することができた。
  このことは従来から取り組んできた研究分野をより現実化するための大きな力となった。
 以下は、一昨年から継続して取り組んでいる研究分野である。

(1)新しい教育システムの研究
 新しい教育システムの構築に関する研究に取り組んでいる。
 概要は大きく分けて、ネットワーク・スタディシステムとオンライン教育ソフトライブラリー・
システムの二つから成る。前者のシステムは、インターネツト上に分散して存在する教材
を、学習理論に基づいた論理的関連付け(例えば教科書に準拠した教材リンク集のよう
なもの)や必要な教材開発などを行い、インターネット上に学習空間を構築するものである。
この教育システムの特徴は、多くの人が利用することによってシステムの品質が、時間と共
に向上して行くところにある。更に、このシステムには、無機質な教材だけが存在するので
はなく、生身の人間指導者がネットワーク(テレビ会議システム利用等)を通して、学習者
に直接レクチャーすることも可能である。後者はスタンドアロンで利用するCAIシステムや
学習資料としてのデータを分散的に管理し、データベース化した、教育ソフトライブラリ・
システムである。
 この教育システムは、現在の学校教育や家庭教育、社会教育を補完するものと位置付
けられる。現在は机上の研究が中心であるが、今後、更に研究を進め実現化したい。・・・2/3Page

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