この2年間に、国際化WGに一委員として参加することができたことを、大変うれしく思っている。これからわが国の学校教育が果たすべき最も大きな課題である「国際化」というテーマについて、自らの実践を通して積極的に考えて下さっている先生方から多くのことを学べたからである。
全体会議でも、あるいは、各プロジェクトの個別会議でも、たくさんの成功事例と、少なからぬ失敗事例を率直に出し合って、この2年間、インターネットを用いた国際交流のあり方を実証的に明らかにするために熱い議論を繰り広げてきた。そこにかける委員全員の誠意とエネルギーは、本物であったと言い切れる。
さて、まだ国際交流の実践研究は始まったばかりといっても過言ではない。交流を活発にしてさらに継続させていくために必要な実践上のノウハウを、より多くの事例から蓄積する必要があるだろう。
新たな展開の方法として重要と思われるのは、国際交流を支える子どもたちのリーダーを育てていくことである。現在では、リーダーとなりうる教師を育てることに主眼が置かれているが、実際に交流を行うのは将来を担う子どもたちである。
そこで、これからは、掲示板やメーリングリストを活用した子ども同士の意思決定の支援システム作りや、国際交流子どもサミットの開催を通した子ども間のリーダーのネットワーク作りを進めることが大切であろう。
また、参加校には、これまでのようにインターネットの設備が整っているという観点だけでなく、小学校英語教育の実践校や、中学校の総合的な学習の推進校、あるいは、高等学校の「情報科」推進校など、カリキュラムや授業の改善を積極的に行っている学校にも多く入ってもらいたい。
これまで、国際化の実践調査研究を支えてくださった通産省、文部省、IPA、そしてCECの関係者の方々に感謝して、委員としての役目を終えたいと思う。
2年間ありがとうございました。