3.6今後の課題

 学校・地域のネットワークが今後進展していくなかで,ネットワークの運用・管理は大きな問題となるであろう。
 学校のネットワーク化で,一部の教職員の負担だけが大きくなったという話も聞こえてくる。地域ボランティアの協力を得て,拡大している地域もある。行政ネットワークの一部として考えて,ネットワーク化を推進している行政もある。
 最終的には,行政がこのような問題をどう考え,解決していくかが問題である。学校へのインターネット接続は,急速に進みつつあるのが,現実である。
 その意味からも,学校のネットワーク化に向けて,国・都道府県・市町村と各々の行政レベルにおいて,役割分担を明確にすることも必要である。
 輪之内町でも,後継者の育成という問題が発生しつつある。ネットワークを理解し,教職員を牽引していく,核となる人材である。
 各学校においても情報教育主任の引継など毎年のように行われているが,情報教育専任指導主事からの指導・支援,さらには,担当者の研修において,そのレベルを維持するように努めている。
 輪之内町の実状から,教職員のレベルは,4段階に分けることができる。

    ネットワーク管理・運用等が理解できる情報教育専任指導主事

    クライアントの管理,Windows NT Serverへのユーザー登録・ファイル等の共有の設定ができる情報教育主任

    アプリケーション等ある程度活用できる教職員

    初心者の教職員

 この状況を維持していくことができれば,ある程度ネットワークを教育で利用していくことは可能であるが,人事異動等の広域化により町内の学校に5年以上とどまる教職員は,ごくわずかになっている。そのため,教職員全体のリテラシー向上が望まれる。
 輪之内町の行政は,情報教育推進に理解があり,財政的な支援も充実している。そのような町は,全国でも珍しいと考える。将来的に情報教育推進のための1校あたり維持費用を概算試算するとある程度のインフラ整備が整った状態で,800万円から1,000万円の経費が必要なる。

 

・ 通信回線費用(専用線128kbps)

\500,000

・ ネットワークのメンテナンス

\500,000

・ レンタルコンピュータ(周辺機器を含む)50台から60台

\6,000,000

・ 消耗品

\500,000

・ ソフトウェア(バージョンアップ等も含め)

\5,000,000

 

 この数字は,現状では夢の金額であるが,情報教育は財政的な支援がなされ,充実した内容になると考える。

 

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