2.2.2.2 酸性雨調査プロジェクト

 「新酸性雨プロジェクト」は、これまでの問題点をふまえ、次の二つの点に着目して実行することにした。

(1)これまでに蓄積したデータを、どのように授業やクラブ活動などに活用していけばよいか。教育活動の中での実践を、中心的な目的に設定する。

(2)課題であったデータの加工を事務局で行い、ホームページに掲載する。参加校を中心に教育活動に利用することによって、加工の仕方や利用形態を明らかにする。

(3)1998年度の経過 
1998年 7月  参加校の募集
1998年 9月  参加校(25校)の決定。参加校に観測機材の送付、
          ホームページの取り扱い等についてメールで連絡。
1998年10月  プロジェクトのサーバについて検討開始。
1998年11月  測定マニュアル、パスワードの設定方法を連絡。
          新しいホームページが立ち上がる。
          データの加工の仕方について、事務局と協議を行い、
          方向を決定する。
1998年12月  新・旧2つのホームページを合体させ、1つにまと
          める。
                   データを加工したグラフを順次ホームページに掲載。
1999年 1月    参加校から報告書提出。
1999年 2月    1999年度のまとめ。

(4)データのWeb化について
 データのWeb化については、Win98、 Win95、 Win3.1のいずれの環境にも対応できること、Internet Explore3.0、 4.0、 Netscape4.06 、いずれのプラウザでも表示できることを、条件に作業を進めていただいた。現行の、JDK1.0x対応版アプレットでは、サーバから日本語文字列をうまく取得することができないため、学校名はアルファベット表示にせざるをえなかった。データの処理は、次に示す7項目について行うが、㈰番目から順次作業を行い、でき次第ホームページに掲載し、参加校で利用していくことになった。
@ 降水日時毎の、平均のpHの値を棒グラフで表示する。
   横軸 年月日         縦軸 pH
 何年何月から何年何月まで表示、というように範囲を指定して表示させる。


                      図5

 


A 降水量と、平均のpHの関係を表示する。
 1回の観測データを一つの点としてプロットする。


                        図6

 


B 平均の導電率と平均のpHの関係を表示する。
    一回の観測データを一つの点としてプロットする。
C 地区毎のpHの平均値を北海道・東北・北陸・中部・関西・中国・四国・九州の9地区 程度にわけて、横軸に9地域をとり、pHの平均値を棒グラフで表示する。
D Cの縦軸に、「平均のpH」・「ステップ1のpH」・「平均の導電率」・「ステップ1の導 電率」のいずれかをメニューから選択して表示できるようにする。 
E 各地区の平均のpHや導電率の頻度分布を、期間を指定して棒グラフで表示する。
スケールとしては、pHは0.5間隔、導電率は20間隔とする。縦軸は頻度。
F 2校間のデータの比較
1999年1月になって(1)から(3)までがほぼ完成利用が始まった。 

(5)ホームページの上に「酸性雨に関する被害MAP」を作るための、調査依頼を参加校に電子メールで提案。「酸性雨に関するリンク集」と併せて、充実を図ることにした。

(6)1998年度の活動を終えて
 25校の参加によって、再スタートしたこのプロジェクトは、以前の参加校にも観測機器の老朽化に対応するため、観測機器の配布から始まった。これは広島大学総合科学部・中根教授のご好意によるものである。各参加校による活動報告は1月末をめどに提出されており、教育活動の中での利用が、着実に進みつつあることが報告されている。
 本プロェクトは、継続的な活動として維持することに意義があると考えられる。 

 

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