本校は,平成6年12月に100校プロジェクトの指定を受け,平成7年度にインターネットが導入された。主な活動の柱としては,ホームページの作成を通して情報発信することとホームページの検索を通して情報収集すること,それにE-mailによって交流することであった。
2002年から学校が変わる。新学習指導要領案には,「創意工夫を生かし,特色ある教育活動を展開する中で,自ら学び自ら考える力の育成を図るとともに,基礎的・基本的な内容の定着を図り,個性を生かす教育の充実に 努めなければならない」とあり,その最大の狙いは,子どもたちが自分で課題を見つけ,自分で解決していく「生きる力」を身につけることにある。既存の教科の枠を超えた新タイプの授業「総合的な学習」が新設され,自然体験やボランティア活動など社会体験,観察,実験,見学や調査,発表や討論,ものづくりや生産活動など体験的な学習,問題解決的な学習を積極的に取り入れたものとなる。
本校は,平成7年度より酸性雨プロジェクトに属し,酸性雨調査にあたり入力・発信したり,他校のデータを呼び出し分析したりしてきた。この活動は,国際化,情報化という意味においても,地球規模での環境問題を取り扱う生きた教材という意味においても重要なものであり,「総合的な学習」の第一歩であり,今後,学習の核となり得るのではないかと考えている。
坂出市は,香川県のほぼ中央部の瀬戸内海に面したところに位置し,かつては塩田の町として栄えていたが,現在は工業の町へ,瀬戸大橋の町へと大きく変貌を遂げている。
本校は,坂出市の東に流れる綾川の下流域の田園地帯に位置しているが,瀬戸大橋に続く浜街道の交通量も増加し,時折西方にある番ノ州工業地帯からの異臭が漂ってくることもある。学級数21学級,生徒数755名の生徒が6小学校校区から通学している。
(1)3年生の授業(平成10年10月7日実施)
@ ディーゼル車,ガソリン車,バイク,草刈機等の酸性度を調査
職員の車のうちだれの車が酸性度が強いか興味があったが,ディーゼル車が高い値となった。NO,SOなどの測定も合わせて行ったが,同様な結果だった。なお,バイクや草刈機が意外にも低い値となった。(写真)
図1
図2
A 白峰中校区に降った雨の酸性度調べ
同じ日の同じ時刻に降った雨を自宅付近で採取し,測定結果を白地図に色別して まとめた。(図1,図2)
B 酸性雨プロジェクトへのデータ送信
レインゴーランドによる酸性雨の採取と酸性雨プロジェクトへのデータ送信は,校内放送で募集した「酸性雨調べ隊」が行っている。収集したデータは,pHごとに分類してまとめた。(図3,図4)
図3
図4
(2)1年生の授業では,
@ インターネットからの「酸性雨」に関する情報収集
A 環境データベースからの検索
本校は,平成6年度よりNIEの指定を受け,その取り組みの1つとして,3年生の情報基礎で記事の中の「環境」を取り上げ,コンピュータのデータベースとしての活用法の学習と併用して環境教育を行っている。データベースの記事の数としては,今までに17,000件以上のデータが蓄積されている。今回,1年生としてそのデータから「酸性雨」に関する記事を検索し,酸性雨について調べた。
B 酸性雨プロジェクトからのデータ収集