4.1.2 本テーマ設定の理由

 こうして平成9年度ワーキンググループにおいて、これまでの100校プロジェクトの実践研究成果もふまえて検討を重ねた結果、知的な障害を併せもつ子供たちをはじめとした障害児にとっての情報教育の意義は、主としてコミュニケーションの可能性を広げ、時間的、空間的制約を超えたかかわりを経験させることにより、社会との関わり方を体験的に学ばせるところにあるのではないかという結論を得た。すなわち、「関わり合う楽しみ」「つながりあう喜び」を基盤にして社会性そのものを伸ばし、その単元的な学習の過程で「他者からの情報を正確に受容し」、「提供された情報を読みとり、理解し」、「他者に向けてわかりやすい形で発信する」という情報処理の基礎的な流れとリテラシーを体験的に身につけさせたいと考えたものである。
 そこで、平成9年度に検討した重複障害児にとって必要と考えられるインターネット環境の構想の中から、メーラを中心にしたコミュニケーションツールに焦点を当て、具体的な仕様のあり方とコミュニケーションを育てる教育実践について研究を行うこととした。

 

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