4章 大阪市立学校教育用コンピュータの使用に伴う安全衛生指針

1.目的

この指針は、学校におけるコンピュータ組織を使用する教員の健康と安全の確保を図るために、作業管理、作業環境管理、健康管理等が適切に行われることを目的とする。

2.定義及び対象者

1)コンピュータ組織とは、情報の入力、蓄積、編集、加工、修正、更新、検索、消去、出力、プログラミングなどを行う際、使用する視覚的表示を行う機器、これを操作する機能を有する機器、その作業結果を出力する機器で構成された一連の機器をいう。(以下「コンピュータ」という。)

2)この指針の対象者は、学校においてコンピュータを使用する教員(養護職員、栄養職員、助教諭、講師、実習助手を含む)(以下「教則という)とする。

3.作業管理

コンピュータの使用にあたっては、次の項目に留意する。

(1)作業原則

ア.コンピュータの使用は、本来心身の拘束性の強い作業であり、使用者の各個人のペースによることを原則とする。
イ.コンピュータの使用に伴う作業は専任者をおかない、いわゆる「オープン・オペレータ方式」とする。

(2)作業時間

ア.1日のコンピュータの直接操作に伴う総作業時間は、3時間以内とする。なお、作業時間は、できる限り短くなるように配慮することが望ましい。
イ.授業など断続使用以外は、1連続作業時間を45分以内とし、作業後、15分程度の作業をしない時間を必ず設ける。
ウ.授業以外でのコンピュータの使用に伴う作業が、特定の教員に集中することがないように配慮する。
エ.コンピュータの使用に伴う作業は、勤務時間以外には行わないことを原則とする。

(3)コンピュータ組織

コンピュータ本体などは操作しやすいもので、作業中の姿勢や動作を正しく保てるものでなければならない。機器選択の基準については、使用者の意見を反映するように配慮し、次の事項に留意して選択する必要がある。

ア.ディスプレイ機器
@フリッカーは知覚されないもの。
A表示される文字及び図形と背景との輝度対比が使用者によって容易に調整できるものが望ましい。
B表示される文字及び図形は、読み取りやすいもの。
・読み取りやすい大きさと形のもの。
・むら、ぎらつき等のない鮮明なもの。
・文字間隔及び行間隔が十分なもの。
Cグレアが少ないもの。

イ.キーボード等入力機器

@操作性のよいもので、ディスプレイと分離でき、その位置が使用者によって調整できるもの。
Aキートップ等に印された文字や記号は、できるだけ明瞭で判別しやすいもの。
Bキーボード以外の入力機器を使用する場合においても、操作性のよいもの。
ウ.印字機器

@操作性のよいもの。
A騒音、粉塵の少ないもの。
エ.椅子

@安定性のあるもので、容易に移動が行えるもの。
A座面の高さが少なくとも3949cm範囲で容易に調節可能なもの。
B適当な背もたれのあるもの。
オ.机 @平面の大きさは、コンピュータ設置スペースのほかに作業スペースが確保できる広さのもの。
A脚まわりの空間が十分あり、使用中に脚が窮屈でないものとし、必要に応じて足のせ台を使用することが望ましい。また、十分な視距離(4070cm)をとることのできる広さが確保されていること。
B机は、高さの調節が可能なものを使用することが望ましいが、高さの調節ができないものを使用する場合には、床からの高さはおおむね70cm前後のものが望ましい。

 

4.作業環境管理

 コンピュータ設置場所の作業環境については、次の項目に配慮して維持管理を行う必要がある。
1)コンピュータの使用に伴う作業環境・空間の設定にあたっては、心身の拘束性を和らげる措置を十分に講じる。
2)照明や採光、遮光、色彩、反射光により使用者に、日の疲労をもたらさなよう配慮する。
3)照明については、室内の明暗の差をなくすために補助照明を用いるなどして、良好な作業環境を保つよう配慮する。
  [照明の目安]・書類、キーボード面の照度:5001000ルクス
4)室温、騒音、換気、粉塵等について、良好な作業環境を保つよう配慮する。
5)使用者の視野内には高輝度の照明器具、窓及び壁面又は点滅する光源のないことが望ましいが、ある場合にはディスプレイ画面にはこれらが映り込まないように配慮することとし、映り込むときには必要に応じて次の措置を講じる。
・ディスプレイ画面の前後の傾斜等の調節
・反射防止型ディスプレイの使用等
・低輝度照明(間接照明・ルーバ等)の利用

6)作業姿勢・作業動作が、必要以上の心身の拘束をもたらさないように、機器・什器の調節が容易にできるような措置を講じる。

7)コンピュータ及び作業環境の点検・測定

ア.コンピュータは、使用者の安全衛生確保のために必要に応じ保守点検・整備を実施する。
イ.作業環境の測定は、定期的に行う。

5.健康管理

コンピュータの使用に伴う健康障害を未然に防止するために、作業管理、作業環境管理とあわせて、次の項目に配慮して健康管理を行う必要がある。

1)コンピュータを使用する教員の健康管理が十分に行えるように努め、必要に応じて健康維持のための措置を講じる。
2)健康管理のうえで特別の配慮をする必要があると認められる者及び妊娠している女性については、本人の申し出などによって、コンピュータの使用を制限あるいは、禁止するなど、必要な措置を講じる。
3)校長及びコンピュータを使用する教員に対して、コンピュータの使用に伴う作業に関する安全衛生教育を行う。
ア.校長に対しては、コンピュータを使用する教員の健康の維持管理についての研修を行う。
イ.コンピュータを使用する教員に対しては、健康の維持管理についての研修を行う。



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