インターネットの教育利用の一つに定点観測型と言われる活用方法がある。
定点観測型の活用とは、一つの事象を複数の学校同士が連携して、あるルールにもとづいて継続的に測定(観察)し、観測した結果を持ち寄り編集・比較することで地域の環境・条件や事象の変化等の特性を学習に活用しようとするものである。
すでに新100校プロジェクト対象校では、各校においてそれぞれ定点観測型の企画を実施しているが、児童・生徒が苦心して測定(観察)した観測結果データが必ずしも授業・学習に有効に活用されていないのが現状である。その理由として観測結果データの処理・編集が企画の幹事校に集中し、負担になっていることと、校種・学年により、活用する観測結果データの処理・編集の内容が異なることである。
本企画では、既に各校で企画し実施されている定点観測型の企画から5つの企画を取り上げ、テストベッドとして実施することを通して、定点観測型企画の観測結果データを学習に活用するための方法について調査する。
平成9年度に実施する自主企画の支援対象を目的とした企画募集に対して応募された企画の内、定点観測型の企画でかつ既に3校以上の参加校により、実施されることが決定している企画で、幹事校が独自で推進することが可能な企画を選定の条件に5企画を選らび定点観測型企画の観測結果データを学習に活用するための方法について調査することとした。
調査の対象とした企画は以下の5企画である。
企画名 |
企画幹事校 |
全国発芽マップ | 宮崎大学教育学部附属小学校 |
酸性雨調査プロジェクト | 広島大学附属福山中・高等学校 |
一本の樹 | 東京都港区神応小学校 |
お天気共同観測プロジェクト | 神奈川県大和市村問小学校 |
ライブカメラ | 滋賀県大津市平野小学校 |
本調査の対象とした5つの企画は、企画の実施にあたり以下の募集条件により企画
(1) お天気共同観測プロジェクトの参加校募集条件・方法
メーリングリストを利用して、参加呼びかけのメールを流した。その中で天気予報をする時に気圧の移動速度がほほ一定であることを押さえ、西の学校から情報をもらいその情報も参考に、こどもたちに天気予報をさせたいと呼びかけ、気温・風向き・雲の量などの同一項目を一カ月間にわたり共同で観測することを条件に可能な学校を募った。
(2) 酸性雨調査プロジェクトの参加校募集方法
既に平成8年度から本企画に参加している参加校の他に、新規参加校として新100校プロジェクト参加校以外の学校も対象として、理科教育メーリングリスト等に新規参加校の募集案内を行った。
なお、新規参加校に対しては観測の内容、観測機器の仕様等を電子メールにより指示をした。
(3) ライブ・カメラ
本企画を実施するためには、特定の機材を必要とする一ため、以下の要件をすべて満たすことが可能な学校を条件に新100校プロジェクトのメーリングリストを利用して参加校を募集した。参加校の条件は以下である。
@専用線で接続され、wwwサーバーが運用可能なこと。
Aライブカメラ用のwwwサーバーを1台提供できること。
Bビデオカメラ、キャプチャーボード、ケーブル等機材の提供が可能なこと。
C ビデオカメラを適当な場所に設置することが可能なこと。
※なお、既にライブカメラを運営しているサイトには、リンクを張らせてもらえるようお願いした。
本企画の対象とした5企画について、幹事校が前述の募集条件により各企画の参加校はそれぞれ以下のとおり決定した。
企画名 | 参加校 | 参加数 | ||||
1.全国発芽マップ |
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51校 | ||||
2.酸性雨調査 プロジェクト |
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46校 | ||||
3.一本の樹 |
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3校 | ||||
4.お天気共同観測 プロジェクト |
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4校 | ||||
5.ライフカメラ |
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6校 |