4.3 参加校への支援

4.3.1 事務局の支援

 定点観測型5企画については、既に平成8年度から継続して実施している企画であり、各企画の実施に伴う技術的、運用的な支援の要請は特になかったが、次の企画については以下の支援を行った。

(1) 酸性雨調査プロジェクト
 本企画は、開始してから3年間活動が続いたいる。今年度は3年間の区切りとして「酸性雨調査プロジェクト実施報告書」を発行するため、原稿の執筆を進めており、事務局はこの報告書の発行(製本・印刷)を支援した。

・報告書名 :酸性雨調査プロジェクト実施報告書
・体  裁 :表紙カラー、120べ一ジ
・発行部数 :500部

(2) ライブ・カメラ
 ライブ・カメラを運用しようとしているサイトにそのノウハウやソフト・機材の一部を提供して、全国の多くのサイトからライブ・カメラが実現できるよう以下の機材を貸与した。
・貸与機材 :全天候型車載用カラーカメラ(TW-CC100B)松下電器産業(株)
 ACアダプター(VOLSET VSM1232)アイコー電子(株)
・貸与先 :東北学院中学高等学校
 宮崎大学教育学部附属小学校
 滋賀大学教育学部附属小学校
 山口大学教育学部附属光中学校
 笠間中学校

4.3.2 参加校への支援

 各企画の幹事校が企画参加校に行った支援内容は以下の通りである。

(1) お天気共同観測プロジェクト
 共同観測を児童に意識づけるために、参加校に気象に関する本を配布した。
また観測データの共有化を容易にするためにCECに依頼tenki@cec.or.jpというメーリングリストを立ち上げていただいた。写真を簡単に貼りこめる掲示板が高橋純氏(横浜国立大学大学院生)により`提供された。

(2) 酸性雨調査プロジェクト
・新規校のデータ送信体制
 ホームヘージヘの参加校の表示とパスワードの参加校への送付。
・このプロジェクトに対する、現状分析のためのアンケート実施
 10月1日付けで参加校ヘアンケートを送付。47校中33校からの返答を得る。この結果をもとに、今後の方針を検討の予定。
・酸性雨調査プロジェクトの成果報告書の作成
 3年間の実証実験について、これまでの経過や参加校の取り組みの現状分析をもとにした、報告書を作成する。プロジェクトで得られたデータ等を学校教育に利用した実践例も9校について紹介の予定。参加校においては、今後の活動の指針として、参考になるものと考えられる。
・データの管理体制の検討
データを蓄積するサーバーの管理についての検討と、データのバックアップ体制についての検討。

(3) 全国発芽マップ
・本年度栽培対象植物「ケナフ」の種の配布。
・生育の悪い地域(学校)へのケナフ苗の送付
・子供たちの情報交換用掲示板の作成・提供
・ケナフを使用した紙すき方法の指導

(4) ライブ・カメラ
(マック、ウインドウズユーザ共通)
・事務局より貸与をうけた全天候型ビデオカメラ(車載用)5台に対する設定方法をメール等で対応。
(マックユーザに対して)
・WWWサーバーとキャプチャーソフト(フリー)の手配。
(ウインドウズマシンユーザに対して)
・WWWサーバーソフト(フリー)のものを手配、または紹介。
・キャプチャーソフトは今のところフリーのものが見あたらず、市販のソフト (「actiview」)の紹介。
http://www.profire.co.jp/actiview/index.html

4.3.3 アンケートの実施

 本企画では前述5つの定点観測型企画を実施・推進してきたが、各企画の参加校の参加意識、定点観測型企画の結果データの学習への活用状況、企画を実施していく上での教育的効果や課題、並びに今後企画を推進していくための改善点・要望等を確認するため、企画参加校に対してアンケートを実施した。(アンケート内容は別紙参照)
 アンケートの内容は、5企画とも基本的な設問を統一し、企画固有の設問はそれぞれ(5企画)の幹事校が設問を追加して実施した。お天気共同観測プロジェクトのアンケートの調査結果を以下にまとめている。

 お天気共同観測プロジェクトのアンケートの調査結果

設問1. 本企画に参加した理由についてお教え下さい。
回答 昨年度の4校共同観測の実践で、小学5年生理科の「天気の変化」の学習に効果があるという手応えが十分に感じとることができ、本年度更に充実した取り組みをと考えて参加した。
設問2. 本企画、または他の定点観測企画の観測データを授業で活用しましたか。
回答
(活用した観測データ :「お天気共同観測プロジェクト」)
(活用した教科 :小学5年生理科の「天気の変化」)
(活用の方法 :毎日の情報交換により、自分たちの出した予報が当たっていたかどうかを確かめながら、天気の変化に関するきまりを自分なりに求めていった。)
設問3. 本企画に参加して良かったと感じたこと。
回答 1) 参加校の気象データの交換が子ども達自身の手で行えたこと。
2) 参加校のホームページに学習に生かせる工夫された資料が載せられており、タイミングよく活用できたこと。
3) 相手をしっかり意識して情報交換ができたこと。
4) 電子掲示板を活用できたこと。
5) 共同観測校の先生方に適切なアドバイスを戴けたこと。
6) テレビ会議による情報交換へ発展できたこと。
7) 継続観測や電子メール交換に対して子ども達が主体的に取り組むことができたこと。
設問4. 本企画を実践する上で困難だったこと。
回答 1) 自校のホームぺージヘ基礎データを載せる際、ぺ一ジ制作者とインターネットヘのアップロード担当者が別なため、時間的にずれてしまい協力校の皆さんに迷惑をかけたこと。
2) 10月の天候自体が変化に乏しく、「移り変わり」の実感が少なかったこと。
設問5. 本企画の教育的効果について。(自由記述で幾つでも)
回答 1) 目的的活動が可能となり、子ども連の動きに迷いがなく、活動自体を楽しむことができた。
2) 主体的な学習活動が成立した。
3) コンピュータリテラシー向上の一助となった。
設問6. 本企画の課題について。
回答 1) まだまだ機器自体に不慣れなため、時間がかかることが多い。 (昨年度よりはよくなったが。)
2) 他の協力校の先生方の貢献度に比べて、自分自身のそれが低く、いつも恩恵に預かるばかりだった。自分自身の機器に対する理解や技能を高める必要がある。
設問7. その他、本企画の実践に関しての改善点・要望等についてお気づきになられたことがあればお教え下さい。
回答 ・本企画を通していろいろな方と知り合うことができた。
これまでも、いろいろなことで質問にこたえて頂いたり、協力して頂いたりしている。
・天気の学習をきっかけに人的なネットワークができつつあることが何よりもうれしいことです。

 

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