第4章●活用の手順

第1節 準備段階

 交流を始める前にいくつかの準備が必要です。スムーズなスタートを切るためにも,事前の調査,メーリングリストへの参加など,先生の側の準備が必要です。さらに基本的なインターネット利用の留意点も生徒に把握させたいものです。

1.  国際交流型プロジェクトの概要を知ろう

 (財)コンピュータ教育開発センター(CEC)はじめ,いろいろな団体,ボランティア組織が国際交流のプロジェクトを用意しています。(付録2.URLの紹介)

 CECなどの昨年までの国際交流の内容をチェックし,その流れをまずチェックしておくべきでしょう。そこには一年間の大まかな流れ,電子メールの使い方,アンケートの活用法など国際交流を始めていく上で押さえるべきポイントが提示されています。

 これらを把握し,独自で始められるのも結構ですが,これらのプロジェクトに応募して,交流の基本を体験することもできます。

 URL http://www.cec.or.jp

2. 教育用メーリングリストに参加

 メーリングリストとは登録者全員に,会員からのメールが配送されるシステムです。教育用とは主に学校教育に関心のある人たちの集まるメーリングリストのことです。

 大学,小,中,高の先生方ですが,このほかにも主婦,あるいはボランティアの立場から意見をいただくこともできます。

 メーリングリストは情報の収集ということだけでなく,電子メールの速さ,1メールあたりの適切な文字数,質問の仕方,返事の書き方(引用文の活用)の学習をまず先生が行い,その機能のすばらしさを先生自身が学習するためにも必要です。

 付録2.URLの紹介を参照して,その中から探して下さい。メーリングリストには個性がありますので,複数登録して,自分にあったものだけに参加すればいいでしょう。

3. 英語版のホームページを作成しよう

 ホームページは交流を進めていく上で重要な働きをします。その内容には

・交流相手を探すため学校,クラス,施設・設備を載せたページ

・交流開始後に相手だけに公開する生徒のホームページ

など大きく分けて2つの要素があります。ホームページ作成の留意点を簡単に書いてみます。

1)バイリンガルにするべし

 インターネットは世界に張り巡らされた情報網です。英語で表記することによって海外からのアクセスは飛躍的にのびます。日本への関心も高く,日本の学校も海外のホームページコンテストの審査員を頼まれたりもします。

2)不完全でいい

 完璧なものを求めるあまり,英語版がどうしても遅れがちになってしまいますが,海外の人は「とにかく英語でないと読めない」のですから,少しの英語と写真でいいからとにかく作っておくべきでしょう。

3)indexは親切に

 最初のページは引き込むため,工夫が必要なところです。見に来る人が必要だろうと思われるものをすぐに検索できるようにしましょう。

 校長の挨拶や,学校沿革史を知りたくてアクセスするわけではありません。授業の様子や,授業の資料,これらの情報が1ページ目からすぐに検索できるようにすべきでしょう。

4)画像ファイルを軽く

 絵があると見る方は楽です。図のような画像を一つ貼るだけで多くの情報を「国際的」にアピールできます。まず小さな画像を貼り,そこをクリックすると大きな画像がでてくる工夫も大切です。

5)だらだらと長いのは…

 だらだらとどこまでもつづく・・・これは問題です。

 最初の1画面に全体の分かる項目を設定します。次のページに進む人は「その気に」なった人ですから少々長くても読んでくれます。

6)施設・設備を紹介しよう

 どのような施設・設備があるのかを相手に知らせるのは重要です。共通のソフトを持っていれば交流も進みやすいものです。また十分な施設が無ければ相手側のサーバーにプロジェクトのホームページをおかせてもらうこともできます。

 参考http://cecgw.cec.or.jp/net/cd95/100p/html_g/select.htm

4. Webを登録しよう

 みなさんと同じで海外の人も交流相手,あるいは教材を捜すとき,検索エンジンを使います。たとえは「国際交流」「高校」この2つでヒットするようにします。

 特に海外版には「こんな交流がしたい」と簡単に書くだけでその効果絶大です。

 特にweb66はお勧めです。http://web66.coled.umn.edu/schools.html

5.  メーリングリストの設置

 日常的な交流を確実にするにはメーリングリストが一番です。 

・ 教師用:教師間の連絡,授業の打ち合わせなどに活用します。

・ 生徒用:生徒用も設置すると全体の動きを生徒自身が把握できると共に,友達の新しい側面をメーリングリストを通して知ることもでき,教室内の交流も進んでいきます。 

6.  生徒の準備

 トラブルなく交流のすばらしさを体験させるために生徒の指導も事前にしておきましょう。

1)ネチケットの指導

 インターネットは基本的に人々のボランティアによって成り立っています。このことをよく理解し,ネットワーク社会に参加する基本的な資質を身に付けさせたいものです。

・第3者を中傷するなどの行為はいっさい行わない。

・メールが来たら短くてもいいからすぐに返事を書く。

・個人情報はある程度の関係ができてから相手に知らせる。(先生に相談させる)

・住所や電話番号などは基本的に相手に知らせない。

・送ったメールは帰ってこないので,宛先,内容をよく読んでから送る。 

 URL http://www.cec.or.jp/es/mirrors/togane-ghs/netiquette///

2)技術的な指導

(1)フロッピーの扱い

 自分に来たメールをフロッピーに取り,保管させると言う方法を多くの学校でとっています。そのためにも初期化,ディレクトリの作成など基本的な技能は指導しておきたいものです。

(2)画像ファイルの処理

 慣れてくるとホームページやメールに画像を使いたくなってきます。GIFファイルにすれば50枚も入ります。これら画像ファイルの処理方法も早い時期に指導したい事項です。

(3)CCの活用

 どのメールソフトにも必ずカーボンコピー(cc)の機能が付いています。教師のアドレスや,自分宛にCCしてメールを保管することや活動内容を教師に知らせることも習慣化するよう指導したいものです。


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