附録3●インターネットの接続
回線設置と維持費を中心に

1.  最低限の設置

 インターネットの環境を実現したい・・でもかなりのお金がかかるのではと,心配される方も多いと思います。しかし,機器の性能もかなりよくなってきており,価格も下がってきています。そこで数台インターネットに接続し,回線スピードもある程度確保できる条件で最低限の設計をしてみました。

1)条件

・パソコン20台をインターネットに接続

・ISDN回線を使用

  (http://www.info.hqs.cae.ntt.co.jp)

2)費用

・1ヶ月の維持費

 ISDN(設備負担金なし)月3,470円週2時間授業で使用 

 1時間分料金200円×2時間×4週=1,600円

 プロバイダー利用料 月2,000円

 合計 7,070円

・初期投資

 必要機器 NATルーター(5万円前後)

 接続1台に付き1つのイーサカード,ケーブル(ルーターに接続)1万円程度

 合計 25万円

3)方法

NATルーターは一つのアカウントで複数台接続できる機能を持つ機器です。

これを介してインターネットの世界に20台から出ていくことができます。また,接続も専用線のごとくスムーズでパスワード,アカウントの入力など必要ありません。

図 1 インターネット基本構成図

2. 電子メールアカウントを発行する方法

 一人一人アカウントを持つということは受け取り場所(受信箱)をどこかのコンピュータに設置するということです。生徒に送られたメールはまずインターネットを通ってその受信箱(メールボックス)に入ります。

 生徒は学校の端末から接続してそのメールを引き出し,読むのです。この受信箱を置く場所をメールサーバーといいます。各社のメールサーバーのサービス状況は下記の通りです。(平成10年3月現在)

1)OCNエコノミー

 http://www.ocn.ne.jp(専用線128k月額38,000円)

 学校でドメイン(インターネット上の住所)を取得し,メールサーバーを設置した場合,どれだけ発行しても無料。OCN側に管理を依頼する場合 1アカウントに付き工事費1,000円(1回)以後毎月250円の経費がかかります。

2)OCNスクールパック

 これから始めようとする学校を支援しようとするサーバー付きのサービスです。

 128kの専用線,Webサーバー,メールサーバーなどすべてを提供し,さらに維持管理の支援も行うというものです。1988年春よりサービス開始予定です。月額6万円前後といわれています。

3)地域プロバイダーの動き

 光ケーブルを持つ電力系プロバイダー

 例えば東海地域には中部テレコミュニケーションサービスという会社があります。http://www.ctc.ne.jp/index.html

 128kb/s,384kb/s,768Kb/s,1.5Mb/sなどを扱っておりNTTでは取り扱っていない中間領域を提供しています。料金も幾分NTTより安くなっています。

 このような電力系のプロバイダーはどの地域にもあり,学校予算に応じた環境が整えそうです。

4)IIJダイヤルアップ

 http://www.iij.ad.jp(64k 128kも可能 ISDN利用 月額基本料5,000円+使用料分25〜15円)メールサーバーはすべてIIJ側に置くことが条件です。

 ドメイン(自分の住所)を取得した場合 100アカウントまで無料,これを使っている営業所に経費をたずねたところ月15,000円程度とのことでした。

 IIJにドメインを設置してもらった場合1アカウント500円です。

5)その他のサービス

・ホームページの設置

 残念ながらNTT,IIJに関しては,ホームページ設置のレンタルスペースサービスは行っていません。IIJの場合は関連会社(03―5259―6210)との契約が必要となりOCNは現在検討中(0120―047―816)とのこと でした。とりあえずは自分の契約したプロバイダーにホームページを置くことになりそうです。

3. その他の構成例

1)専用線接続(学校ドメイン型)

 ダイヤルアップの次ははやり専用線でしょう。専用線にすると次の様なメリットがあります。24時間接続できているため,自宅からもアクセスできます。それこそ海外からでもファイルを転送したり,ホームページを書き変えることができます。

 経費は,専用線であるため一定料金が月々かかります。128kでだいたい37,000円程度です。

図 2 専用線接続構成図

2)生徒用と外部用に分ける構成(学内イントラネット)

 右図のファイヤーウオールの下には外部から入ってこられません。したがって生徒の基本情報(成績,本籍,指導要録など)が外部から読まれたり,書き変えられたりすることはありません。

 学校全体をネットワーク化するには適したシステムです。

図 3 学内WWWサ−バ−導入構成図

3)教育センター型

 学校関係の情報を保護し,センターが生徒のメールアカウント,ホームページなどすべてを管理する方法です。学校からはダイヤル発進などの方法でセンターにアクセスすることになります。

図 4 教育センター型導入構成図

 


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