E-Square ProjectEスクエア・プロジェクトホームページへ 平成13年度 成果報告書
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インターネット教育利用の情報教育的効果に関する調査研究

8. 調査のまとめ
平成10年11月実施の100校プロジェクト総括評価アンケートとの比較,および今回の調査結果から現状におけるインターネット環境を利用した学校教育現場での効果や課題を整理する。
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8.1 平成10年度調査との比較
(1)項目全体の比較
平成10年11月実施の100校プロジェクト総括評価アンケートと比較する。
興味・関心について
平成10年11月 集計
今回の集計
情報活用能力について
平成10年11月 集計
今回の集計

(2)各項目の比較
情報活用能力について,同じ項目で調査を行っていないため,参考資料として,平成10年の調査項目に該当する項目を抜き出して,その比較を行った。

a.情報収集能力

平成10年11月 実施
今回の集計
 
「多くの情報源から収集した」を集計
b.情報活用能力
平成10年11月 実施
今回の集計
 
「集めた情報から必要とする情報,
捨てる情報を判定することができた。」を集計
c.情報表現能力
平成10年11月 実施
今回の集計
 
「グラフ,写真,絵などを使ってデータを整理した。」を集計
d.情報発信能力
平成10年11月 実施
今回の集計
 
「グラフ,写真,絵などを使ってデータを整理した。」を集計
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8.2 考察
  現状におけるインターネット環境を利用した学校教育現場での効果や課題を整理する。

(1)インターネット環境利用の効果
a.興味・関心の向上
 校種を問わず「向上した」「少し向上した」をあわせると100%となった。このことから学習テーマへの興味・関心の向上には教師にとって有効なツールであると考えられる。
 小学校現場では,学習成果を学校の外に向けて発信し,そのフィードバックがあることで学習意欲が非常に高まることが見られた。それは,インターネットを介してその向こう側に人がいること,そしてその人はどのように感じたかを交流をとおして理解し,ではどのように発信すれば,より理解が深まるかなど工夫につながっている。
 盲学校の場合,インターネット環境を利用することで広い地域の同じ障害をもつ同じ年齢層の同じ発達段階の生徒との交流が可能となり,授業が活発になったということで従来の狭い空間から外の世界との交流が広まり,そのことが積極性を生むことにつながると考えられる。
b.情報活用能力の向上
 小学校では「向上した」「少し向上した」をあわせると93%,その他の校種では100%となった。
 従来の情報(図書資料や新聞など)にインターネットから情報を収集して加えること,それらを自分達の考えでまとめ,それを学校の外にも伝えようと積極的な活動がみられること,受けての立場にたって効果的な表現方法を考えることなど,プラス面が多く見られた。また,時事的なニュースや話題に関心を示すようになった。

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8.3 課題
 今回の調査データから課題をまとめる。
a.インターネットの利便性から発生する課題
 インターネットで情報収集手段としての便利さに目がいき,自分で観察や実験,調査などに至らずすぐに「インターネットで調べよう」と考える子供もいた。情報の背景に人の工夫や努力があることを理解させることが重要である。インターネットを情報の発信側で活用する場合と受信側で活用する場合があり,両方の立場を理解した活用の仕方が重要である。
b.情報過多から発生する課題
 安易にたくさんの情報が収集できること,収集した情報は玉石混合であること,その中から求める情報を選択する能力がなければ,目的は達成できないこと。そのことから,事前に「調べたい」「知りたい」と思えるような状況を教師が設定することが大切である。
 また,情報収集に時間がかかり,計画した授業時間で終わらないことがある。
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