インターネット利用の意図
本校は国立療養所西多賀病院に隣接する病弱養護学校であり,高等部に在籍している生徒の大半は筋ジストロフィーである。在校生の中には大学や専門学校を目指したり,通所授産施設を目指すものもいるが,継続入院を余儀なくされている。
高等部での学習を終えた卒業生は,余暇活動として病棟のサークル活動をはじめ作詞・作曲や印刷物の作成,インターネット等でパソコンを積極的に活用している。これらの活動は高等部在学中の活動の延長であるが,修得した技能を就労に活かしたいと考える生徒も少なくない。また,近年病院側も在宅での療養を積極的に考えており,将来の在宅就労に向けた情報教育の在り方が高等部の課題となっている。
在宅就労を視野に入れた情報教育では,インターネットの活用も不可欠であると考える。
障害者にとって,インターネットは社会の情報を得たり交流したりするための重要な手段でもある。インターネットを就労に活用している障害者が増えており,東京をはじめ宮城県やその近県ではそれらを支援する団体等もある。インターネットを活用すれば地域の違いは大きな問題ではないが,本校では協力を依頼し直接話を伺うことも可能である。
本実践では,高等部3年生の選択科目「総合実践」でのWebコンテンツの作成とノンリニアビデオ編集を中心に,在宅就労を目指した情報教育について検討を行う。
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