(1)ねらい
第6学年をむかえた子どもたちには,日常の会話や手紙など,人とのコミュニケーションの場が増え,的確で豊かな表現力が必要になってくる。しかし,子どもたちの実態は,語彙数も少なく,仲間たちだけで感覚的に分かり合ってしまうような雰囲気があるように感じている。
そこで,まちの自然や生活の様子,学校生活の中で感じたことや観察したことなどを俳句にし,まわりの人やインターネットの電子掲示板を利用して読み合うことを通して,俳句で表現することの楽しさや人とコミュニケーションする楽しさを味わえる子どもたちを育てたいと考えた。
ここでは,単に教科学習で終わることなく,子どもたちが継続して活動できるように 3つの学びの場を用意した。
・教 室…同年令の仲間・教室という閉じられた空間・決められた時間」の中
・インターネットの学校間交流プロジェクト「メディアキッズ」上
…異年令の集団・バーチャルな空間・自由な時間
・オフ会…異年令の仲間・学校外の空間・自由な時間
(2)指導目標
・俳句作りを通して,日本語の表現の多様性を再認識するとともに,言語生活を豊かにする。
・作った俳句を発表することを通して,言語感覚を磨き,人とコミュニケーションすることを楽しむ。
(3)利用場面
この学習においては,次のような学習場面でインターネットやコンピュータを活用している。
<1> 俳句を蓄積する=一人一台のコンピュータやWeb学級日誌=
一人一台のコンピュータ
本校のパソコンクラブが,「アインシュタインプロジェクト」から20台のノート型パソコンの寄贈を受けた。本学級がパソコンクラブの活動場所であるので,いつも教室の中にそれが置かれている。そこで,そのノート型パソコンを俳句帳代わりに使わせてもらっている。思い付いた俳句をどんどんフロッピーに蓄積していくのである。そのまま,メディアキッズにも送信することができるので,自由に「俳句作り→発表する」ということが楽しめる。
Web学級日誌
バディ・コミュニケーション(株)というところから提供されているコンテンツである。私たちが子どもの頃に紙ベースの学級日誌があったが,それをWeb上に再現したものである。日直が書くというルールなので,誰でもほぼ2週間に一回はパソコンに触るようになる。それを利用して,一日の記録のところに「今日の一句」を書くようにした。いつのまにか,たくさんの俳句が蓄積されていくことになし,いつでも友だちが作った俳句を読むことができる。
<2> オフラインの会でプレゼンテーション
近隣にある盲学校の理療祭で,本学級の俳句を発表させていただいた。(株)ジャストシステムの「はっぴょう名人」ソフトに俳句を貼っていき,プロジェクタを使って視力の弱い方々にも見ていただけるように大写しにした。また,全く目の見えない方々には,読んで俳句を紹介した。いらした方々から,俳句のできだけでなく,コンピュータの操作についても聞かれたり,すごいねと誉めていただいたりして,よい経験となった。
<3> 作った俳句を発表したり感想を出し合ったりする電子掲示板
インターネットの電子掲示板を利用した学校間交流プロジェクト「メディアキッズ」は,優しいインターフェイス・自由な雰囲気が,子どもたちに人気である。本学級の子どもたちは,5年生のときからこの掲示板を活用しているので,今回も何の抵抗もなくメディアキッズ上で自分の作った俳句を発表していた。インターネットによる時間・空間・世代を越えた交流が様々な違いを感じさせることとなり,それが刺激となって発想を豊かにしていくのではと考える。
(4)利用環境
<1> 使用機種
Power Macintosh(5210 1台,7100 2台)
Power Book 500 Senies 20台
Dyna Book Satellite1800 1台
<2> 周辺機器
プリンタ CANON BJS600
デジタルカメラ SONY MAVICA
プロジェクタ EPSON
<3> 稼動環境
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