(1) 単元設定の趣旨と指導について
日頃の暮らしの中や通学路などで,子どもたちは五感を通して様々な秋の事象を子どもなりにとらえている。それらをより確かなものにするために,春から夏にかけて探検した町へ出かけていく。春から夏にかけて見てきた様子との違いから,秋らしさをとらえるとともに,いろいろな探検場所での人々とのふれあいを大切にする。地域の人々とふれあうことで,秋探しの探検がいっそう深まりのあるものになる。
また探検の手段として乗り物を利用し,校区内でも学校から遠いところや校区外へと子どもたちの探検場所を広げていく選択も可能にしている。
探検中に作物の実りを目にすると,子どもたちの思いは春から育ててきた自分たちの作物(落花生や大豆・赤米など)に向かう。それを受け止めて,取り入れ活動をする。収穫の楽しさを味わった子どもたちは,調理へと活動を広げていくことに意欲を示すだろう。いろいろな調理の仕方を調べるとともに,友だちと協力して調理しておいしく食べる。また子どもの願いによっては,取り入れからお祝いの祭りへと発展することも考えられるので,そのような活動への配慮もしている。
本単元の活動を通して,季節の変化や特徴をとらえることができる豊かな感受性,自分たちで計画を立て,みんなで協力してものごとに積極的に働きかけていこうとする態度,体験したことをいろいろな人に知らせる情報発信能力や表現力などを育てたい。
(2) 単元の目標
<1> 秋の町を探検して,春の町との違いに気づくとともに,秋が実りの季節であることに気づくことができる。
<2> 春から育ててきた作物が収穫の時期にきていることがわかり,その成長を喜びながら収穫し,収穫した作物のことを友だちと協力して発表したり,調理して楽しく味わったりすることができる。
(3) テレビ会議と交流校について
2年生においては,1学期からテレビ会議(電話回線・インターネット)をおこなってきた。その相手校については,昨年度までにおいて交流をしてきた学校に加えて,インターネットを使って探した学校もあった。今回テレビ会議をおこなう学校は,共に昨年度までも交流をしてきた学校である。
【香港日本人学校大埔校】
香港・新界地区に4年前に開設された学校。日本人学校の他に,国際学級も有する日本人学校である。昨年度は,5年生がクリスマスのプレゼント交換をきっかけに,日本と香港の正月の違について,お互いがそれぞれの土地で調べ上げたことを元に交流学習をおこなった。また,それぞれの国の正月グッズを交換することによって,より理解を深める手だてとした。
【中原小学校】
千葉県柏市内にある学校。昨年度は,5年生が「月プロジェクト」による交流学習をおこなった。世界各地から月の画像を集め,同じ日に緯度や経度の違いでどのような見え方をするのかなどを比べてみた。本年度は,6年生が太郎生小学校と同じ作物「落花生」を育てながら,その過程を交流することを計画した。また低学年の子にもわかる発表の仕方を工夫し,今回の授業に向けての取り組みを進めている。
本年度は2年生と6年生の異学年交流をおこなうことによって,お互いの学校間のより深い交流と理解をはかろうと考えた。
高学年の児童が低学年の児童に説明をするためには,それなりに言葉や内容を考えておこなわないとうまく通じない。低学年の児童にしてみれば,高学年の児童に説明をしてわかってもらえたときの満足感は,今後の学習において大きな自信となるだろう。そのような観点から,いろいろと話し方や内容を工夫するところに,双方メリットのある授業になると考えている。
また,この授業をきっかけとして今後これまで以上に深まった交流に発展させていこうと考えている。一例として,遊びや習慣などの身近な課題を通して,それぞれの国を再認識するような授業を組んでみたい。
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