ひとまとまりの「言葉のネットワーク」としての拡がりをもつ文学作品を,子どもたちは,保護者・地域とともに,さまざまな活動や伝え合いを含む多様な「読みのネットワーク」を活用して読み深めていった。そこに,コンピュータネットワークを組み込むことにより,「a.読みや活動の蓄積」,「b.学習者どうしの伝え合い」,「c.保護者・地域との協働」を活性化し,子どもたちの読みをさらに確かで豊かなものにしていくことができた。
a.読みや活動の蓄積
「詩の群読」では詩の内容や群読の工夫,「ブックトーク」では本の紹介,「モチモチの木ランド」では本と本のつながりをホームページ上にテキストデータとして蓄積していった。各グループの群読の録音は,音声ファイルに変換して掲載した。子どもたちの読みや活動を電子データとして蓄積しておくことにより,いつでも学習の流れを振り返ることができた。今回はコンピュータ室での活動だったが,校内LANが整備され,学年教室でのインターネット利用が可能になれば,さらに有効に活用できるであろう。
b.学習者どうしの伝え合い
「詩の群読」のようにグループでおこなう活動を取り入れたことにより,子どもたちどうしの伝え合いを活性化することができた。「ブックトーク」も,グループ内で互いが紹介する本を読み合うことにより,読書の幅を広げ,読みを深めることになった。「モチモチの木ランド」では,見つけた本を伝え合うことが,子どもたちにとっての大きな楽しみとなっていたようだ。また,4年生と3年生との間での,学年を越えた伝え合いの場を繰り返し設定することにより,活動への意欲や達成感を高めることができた。
c.保護者・地域との協働
学習をスタートさせる前の段階から,保護者・地域との打ち合わせや学習会を持ったことによって,より充実した学習活動を展開することができた。また,ホームページ上に子どもたちの活動のようすを掲載しておくことによって,学習のねらいや意義を把握していただけた。電子メールによる交流も含め,リアルタイムでの情報のやりとりによって,学習活動への速やかなフィードバックがなされた。
ワンポイント・アドバイス
「活動記録」や「振り返りカード」など紙に書かれた情報と,「ホームページ」など保護者・地域と共有できる電子情報とが相互に関連づいていくような活用のしかたを工夫する。
ご協力いただいた団体
「たんぽぽ文庫」,おはなし会「とんとんとん」,箕面市メールボランティアのみなさん
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