1.1 ねらい
本校は広島県の中山間地の位置していて,町の人口は約3000人である。兼業農家がほとんどだ。他地域に働きに出るものが多く,農業従事者人数も減り,地域は過疎化の傾向にある。子ども達は一番身近である農業に関心が低く,また,機械化が進んだことにより,家庭が農業をしていても手伝いで農作業をする子は少ない。こういった過疎の課題を持つ町では,経済効率が悪く商売が成り立たないので店の数も少ない。子どもたちの中には,自分で買物をする経験が少ない子どもも多い。
インターネットサービスにおいても同様で,十分なサービスが受けられず,地域ボランティア団体がインターネットの利用を促しても,ネットワークの広がりは鈍い。
そこで,総合的な学習や栽培活動で同じような取り組みをしている学校どうしが,農産物を作る過程での工夫や苦労,収穫した農産物をホームページで紹介しあう中で,農業や食生活に対する理解と関心を高めたい。ホームページ上の市場作りを通して,自分たちの栽培した農産物を,交流相手校と電子マネーを用いて交換する電子商取引の仕組みやルールを考え,今後ますます利用されることが予測される電子商取引について理解を深めたい。また,多くの人の考えや,意見を聞く中で,異なった意見や立場を大切にしながら,問題解決する力を育てたい。さらに,この取り組みを地域のボランティアと共に考えたり,紹介したりする中で,中山間地域におけるインターネット利用の有効性を検証し,利用の活性化を図りたい。
1.2 指導目標
・他校との交流学習を進める中で,農業や食生活についての理解と関心を高める。
・みんなで市場のルールや,取引の方法を考えることにより,異なった意見や立場を理解し,大切にしながら,問題解決をする資質や態度を育てる。
・市場に参加し,農産物の交換をすることにより,電子商取引について理解する。
1.3 利用場面
この学習では,次のような学習場面でインターネットを利用する。
(1) ホームページとメールによる参加の呼びかけ。
(2) グループ紹介や地域の特徴,学習していることの紹介。
(3) 欲しい情報や聞いてみたいことなど,チャットや掲示板による情報・意見交換。
(4) オークション形式での農産物交換。
(5) テレビ会議による交流学習
1.4 利用環境
(1) 使用機種 デスクトップパソコン 6台 ノートパソコン 1台
(2) 周辺機器 USBカメラ 液晶プロジェクター 1台
(3) 稼働環境 ISDNダイヤルアップ接続 校内LAN 地域無線LAN
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